第三百四十五話 怨嗟流入
怨嗟流入
「・・・あと気になることといえば・・・そうだ。例えばその剣を僕が持てるかって言うのも気になるところだね。・・・実際どうなのかな。」
「・・・気をつけてくださいね。・・・はい。」
「・・・っつ!!・・・・うわぁぁぁ!!・・・・な・・・なんなんだ!!これは。」
「ど、どうしたんですか?!」
「・・・この剣を手に持った瞬間になんだか、変な声が聞こえたんだ・・・。」
「・・・どんな声ですか。」
「・・・わからない。・・・呻き声みたいには聞こえたけど・・・なんて言ってるのかはわからなかった。・・・だけど、とても嫌な感じがしたよ。・・・あ、声はいくつも聞こえた気がするかな。」
「・・・僕にはそんなもの聞こえたこともないんだけどな・・・。」
「・・・ってことは、これ以上は触らないほうがよさそうだね。・・・正規の所有者以外の所持を全く認めないタイプの魔剣なのかね。」
「・・・そうなのかもしれませんね。」
「・・・ちなみに、その剣を呼び出している間は魔力は消費しているかい?」
「いえ、ほとんどないですね。・・・まあ、僕の魔法は呼び出してからは、動かさなければほとんど魔力を使いませんから同じことなんでしょうね。」
「なるほどな。・・・なら、剣を維持したまま進んでいくか?」
「いえ。・・・『剣よ、我が身を守る盾となれ。』・・・こんな感じでどうでしょうか。」
剣はバラバラになって、薄い鉄の、板のような刃は幾重にも重なり、薄いですが鎧となりました。・・・まあ、これで動きやすいし、防御にもなるし。・・・うん。便利だね。




