第三十四話 震天動地
震天動地
ギルドで簡単な依頼を受けては、クリアするような日々を過ごしつつも、魔力を扱えるようにしようとしていましたが、なかなかうまくいきませんでした。そうした生活を続けて2週間ほどが経過していました。僕たちは、いつものように薬草の採取の依頼を受けて、薬草を探しに来ました。そのときのことです。突然地面が揺れ始めました。地面に亀裂が走っていきます。僕は、慌てて、お姉ちゃんのもとへ行きお姉ちゃんにしがみつきました。それと同時に亀裂はさらに大きくなり、僕たちを呑み込んで行きました。
鈍い痛みとともに目を覚ましました。どうやら、足を骨折しているようです。
「うっ、・・・そうだ、お姉ちゃんは?」
僕が抱きついていたお姉ちゃんから離れて、様子を見ていきます。これといって目立った外傷はないようです。ただ、頭を打ったりしていないかはわかりませんが、それっぽい傷跡もありませんから、打っていたとしてもそれほど、悪い状態にはなっていない・・と考えたい。
「うんっ・・・あれ、ここは」
「お姉ちゃん。体は大丈夫?」
「カナデ?・・・うん、大丈夫だけど・・ここは・・えっと、確か、依頼で薬草採取に来て、そして、地面に飲み込まれたんだったわね。」
「うん、多分ここは、地面の下なんだろうけど、なんだか、ここ、遺跡みたいだよ。」
「もしかして、迷宮?」
「迷宮?それって、迷宮国タウリシアにあるようなやつ?」
「ええ、ただ、この国では、迷宮は発見されていないはず。」
「新しい迷宮?」
「ええ、そうね。」
「とりあえず、どうにかして脱出しなきゃね。」
さあ、お姉ちゃんを守るぞ。
次回より新章




