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死の支配者にレクイエムを  作者: looc
Nun komm, der Heiden Heiland
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第二十三話 意趣遺恨

意趣遺恨


僕は黒い空間の中で黒い縄に囚われていた。そんな僕を眺めている虚ろな、にもかかわらず、どこか恨みのこもった目で僕を見ているものが3つ、いや、気づけば、周りには、僕を睨む視線であふれていた。どこかでみたような顔から記憶にない顔まで、集まってきていた。僕は特になにも思うことなくそれをみていたが、その中にお父さんの顔が、お母さんの顔が、そして、結奈の顔を見つけたとき僕ははじめて動揺した。そんな彼女達までも、僕に恨むような視線を向けているのだ。

「い、嫌だ厭だ嫌だ厭だ嫌だ嫌だ嫌だ厭だ厭だ厭だ嫌だ厭だ嫌だ嫌だ嫌だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ嫌だ厭だ嫌だ厭だ嫌だ厭だ厭だ嫌だ厭だ厭だ嫌だ厭だ嫌だ厭だイヤだイヤだイヤだいヤだいやダイやだ・・・・」

僕はそう叫びました。そんな僕の声に、今まで見ているだけであった、それたちが、僕に近づいてきて、僕に手を伸ばしてきました。

「あ、ああ、あああああああああああああ、やめろ、来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るなーっ!」

どれほどの時間が経っただろうか。いや、それほど時間が経っているわけではないのかもしれない。ここには、縄に囚われた僕と、結奈だけが残っていた。やめてくれ。

「ねえ、どうして、私を」

「お願いだよ、やめ・・て・・」

「どうして、私を、殺したの?」

結奈のその言葉に、僕は考えることをやめた。

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