第百二十六話 退却開始
退却開始
「そろそろ、ポーションが足りなくなりそうです。」
3つ目の黒い球体を破壊し終えた時にかけられた、結奈のその言葉に、僕たちは一度ギルドに戻ることを決めました。
そして、その帰り道のことです。
「数は少なくなってるが、一体一体が強くて、なかなか進めねえな。」
「ですね。・・・くっ!しかも、倒す前に集まって来るから、全然数が減らないどころかむしろ増えてる。」
僕も黒縄地獄で攻撃しているのだが、一向に数が減らない。・・・周り木だから、あまり長い間は使いたくなかったんだけど焦熱地獄を使うか・・・。まあ、黒縄地獄は、拘束的な方が強いから、敵を倒すなら焦熱地獄の方がいいんだよね。まあ、注意しながら、使っていくか。
「『焦熱地獄』行きます。燃え広がるのに注意してください。」
「おう、わかった、その、大丈夫なのか?」
「ああ、はい、大丈夫です。リミッターは外さないので、火力は下がりますけど。その代わり、こっちにも代償がないので。」
「そうか、ならいい。後のことは大丈夫だ。」
「では行きますね。」
僕はそう言って魔物を次々に火で包み込むようにイメージした。魔物はそのイメージ通りに燃えていった。




