第百二十五話 クレッシェンド
クレッシェンド
「大丈夫ですか?!セラさん!」
「え、ええ、大丈夫よ。一気に魔力を使ったから立ちくらみがしただけだから。」
「・・・そっか、よかった。」
「うん、ええ、もう大丈夫。支えてくれてありがとう。」
「どういたしまして。」
「・・・さて、どうするか。他のところにも行けるか?」
「はい、ポーションが残っているので大丈夫です。」
「なら、他のところへ案内してくれるか?」
「うん、・・・えっと、こっちなら、たぶん人がいないかな。」
「おう、わかった。案内よろしくな。」
「うん。」
そうして、次の黒い球体に向かっていたのだが、
「なんか魔物が強くなってない?」
「確かにそうだな。・・・ふむ。どういうことだろうか。」
「・・・もしかして、黒い球体を壊したら、壊した分だけ強くなるんじゃ?」
「どういうことだ?」
「えっと、例えば袋があってその中に水を入れます。」
「・・?ああ、それで?」
「それに穴をあければ、水が噴き出すでしょ。」
「そうだな。」
「だけど、穴を増やしたら勢いは弱くなるよね。」
「・・・なるほど、つまり、俺たちはむしろ穴を塞いでいってるから、飛び出る水の勢い・・・魔物の強さが上がっているってわけか。」
「そういうことかなって思いますね。」
「なるほどな、ありがとうな坊主。」
「うん。」
最後の1つとかどんなことになるやら。




