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死の支配者にレクイエムを  作者: looc
Nun komm, der Heiden Heiland
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第一話 プレリュード

プレリュード


僕は、空腹感を覚え、目を覚ました。僕はただ惰性のまま、キッチンに向かい、冷蔵庫を開いた。そこには、何も入っていなかった。仕方がないので、重い足を引きずって、買い物に行くことにした。こんな生活を始めてからどれほどの時が経っただろうか。今の僕の姿を見たら、父さんも、母さんも、結奈(ゆな)もどう思うんだろうな。


僕は異常である、そのことに気づいたのは、8歳のときだ。前兆は、5歳のときからあった。5歳のとき、幼稚園に向かうバスの中、幼馴染の白川結奈と一緒に座っていると、バスに横から、大きな衝撃が加えられた。後から聞いた話によると居眠り運転の、トラックが衝突して来たらしい。その衝突の影響で、バスは横転した。その事故により、園児20名中15名及び、運転手の計16人が亡くなった。僕と結奈は、多少の怪我はしていたが、奇跡的に(・・・・)無事だった。

そして6歳のとき、その日は、小学校の入学式であった。式の最中、突然体育館の屋根が落下してきて、在校生、新入生、教師の約半数が死亡、生存者のうち半数は手や足に重傷を負った。偶然にも(・・・・)僕と結奈はほぼ無傷で、無事だったが、生き残った生徒は近くの別の学校に、転校することになった。そして7歳のとき、僕と結奈で買い物に出かけているとき、歩道を歩いていると、突然車が猛スピードで、歩道に乗り上げてきた。そのまま歩行者をはねながらなおも暴走し、最終的に電柱にぶつかって止まった。死者10名、重軽傷者、13名と、大きな事故となった。幸いにも(・・・・)僕と結奈の手前で、電柱にぶつかって止まったために、僕たちは無傷だった。このとき、僕は自分は運が良いと思っていた。それが違うと気づいたのは、8歳のときだ。

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