4 まあやん
高田視点です
本日二話目
私は高田真綾。
歌梨の正嫁だ。
──嘘だけどさ
今日はなんか転校生が来た
ナニ本っていう男だった
歌梨がアイツにモジモジしているからムカつくというかなんというか
──これが寝とられ!?
まぁ、ナニ本くんは普通に良いやつだった
私のボケをツッコんでくれたりノッてくれたり色んなネタに対応出来る
私にとって全自動卵割り機のような存在だ
今思い出した多分彼の名前卵本くんだった気がする
きっとそうだ、試しにお昼休みなのに私を置いて歌梨と話している卵本くんに話しかけよう
別に歌梨と話してるのが嫌なんかじゃないんだからね
「卵本くんよぉ、君には歌梨は渡さんぞ!!」
「誰だよ卵本って」
「真綾ちゃん卵本じゃなくてナニ本だよ」
「歌梨、ナニ本でもないからな」
どうやら、卵本ではなくナニ本らしい
てか、ナニ本のナニってどう書くんだ?
「ナニ本くんのナニはどんなナニだね?」
「ねぇ、高田さんそれさ、男子高校生の俺からしたら下にしか聞こえないんだけど下を言ってんの君?」
意訳するとナニ本のナニはただのナニじゃぁ!!ということだ
多分
ナニ本くんと話すと疲れる
腹減ったしパンでも食お
~放課後~
なんか、歌梨またナニ本くんと話してる
今日は田中大先生のサイン会なのに
歌梨が忘れてるってことは無いだろうし、癪だけど歌梨楽しそうだし先に行こう
てか、本当近いなこの部室
もう少し遠かったら歌梨と話す時間延びるって今まで思ってたけどナニ本くんがいるからもういいや
「こんにちは、あだっちゃん今日も可愛いね」
「足立先生な。でも褒めてくれたから許す」
チョロいな
「高田さん、先生に謝りなさい。チョロいと思ったことを」
彼女は久米川由愛先輩だ
唯一の三年生で部長しかも学年トップの成績でしかも美人という天才だ。いや、天才を越えて天災だ
「せ、先輩私そんなこと思ってないんだからね」
「嘘ですわね、私の予想は外れませんよ」
「おい高田そうなのか?私のことを可愛いって言ったのも嘘なのか?」
「足立先生、可愛いのは嘘ではないかと」
「本当か?久米川。それなら許す」
先生チョロいな
「先生がそうおっしゃるのなら良いですわ」
「先生ありがとう」
「しかし、高田さんあまり調子にのってはいけませんよ」
「はーい」
「先輩、歌梨は浮気中でつるみんは体調不良で休みなんで私たちは先に行きましょうよ」
「上島さんは分かりましたが澄川さんが気になるところです。でも、高田さんの言っていることが正しいか、分かりませんので先に行きましょう」
地味に先輩ひどいな...
「高田、どこに行くんだ?」
「あだっちゃん、前から言ってたじゃん田中大先生のサイン会だって」
「あぁ、エロ小説のか。いいよ行ってらっしゃい」
エロ小説呼ばわりされて先輩がキレそうだから急いで行こっと
意外と何事もなく買えた。
この中学時代のあだ名が『トラブルメーカー』の私が居たのにだ
もちろん自慢じゃない
当時はなんかカッコ良かったから喜んだなんてことなかったんだからね
とりあえずすんだし部室に戻ろうと思ったら高田家のお嬢、綾香が現れたので先輩を先に部室に帰らせて私は綾香を連れて家に帰ることにした
「綾香はどうしてこんな所に居るんだ?」
「サイン欲しかったから」
綾香が田中先生のサインを見せた
「なるほど、でもこんなところでランドセル姿だとロリコンに誘拐されるぞ」
そう、綾香はまだ小4だ
「お姉ちゃんが居たから大丈夫」
「そうかそうか、良かったな」
綾香かわゆすぎる。
歌梨がいなかったら妹に惚れてたぜ
「でも綾香、お姉ちゃんが居なかったらどうするんだよ」
「お姉ちゃんは綾香を守ってくれるから安心」
そう言って綾香はニコっと笑った
──守りたいその笑顔
「高田ヘルプー」
私が綾香を絶対に守ることを決めた時ナニ本くんの声が聞こえた
ナニ本くんの話を聞いたところ歌梨に巻かれたらしいナニ本くんが
──ププーww
ナニ本くん巻かれてやんの
私はもちろん巻かれたことなんか無いけどね
嘘じゃないお
「歌梨は俺を探してくれているんだ、だから俺が探すしかないってやつですよ」
うわ、かっけー
でも中身ねぇ
うん。なんとなく分かった、とりあえず私は部室に戻ればいいんだな
それからが長かった、一旦家に綾香を送り届けて私は荷物を置いてスマホだけもって部室に戻ったが、誰もいなくてひとり、ボーっとしていた。
歌梨が見つかるまで
こんな感じでナニ本くんが転校してきたことで私、高田真綾の一日が忙しくなった。
8/9久米川先輩の口調がおかしかったので直しました