3 三匹の友
(祝)ブックマーク二人
嬉しいぜ
不良三人と話してみるとそいつらは普通にいいやつだった
なんと、その三人も俺と昔友達だったらしく記憶が無くなったことを話すとがっかりしたり気を使ってくれたりした
リーゼントが『もっさん』、金髪が『たかてぃん』、角刈りが『かどぅ』と呼ばれていてそれ以外の呼び方だとキレるらしい
「もっさんたちさっきはごめんな歌梨もロリだとか幼女とか貧乳とか言ってすまんかった」
「ねぇ、幼女と貧乳は言われて無いと思うんだけど!」
「いいべ、いいべ、たっちゃんは今も昔も俺らの心の友やからな」
「もっさん...ありがとう」
ありがとうもっさん見かけで判断して悪かったよ
「ねぇってばたっちゃん聞こえてる?私ってそんな小さい?いろんな意味でさ」
「そんな歌梨、小さいなんてこと...ありませんよ」
目をそらしてしまった。
嘘をつくのは難しいな
「今、目そらしたよね本当は小さいって思ってるんでしょ」
「歌梨、たっちゃんに失礼だぞたっちゃんは本当に小さくないって思ってるかもしれないじゃないかよ」
「じゃあ、かどぅは私小さいと思う?」
「小さく...ないでありんすよ」
かどぅは目をそらした
「目そらしてたしさ、しかもその変な語尾なんなの?」
「おい歌梨、かどぅたちを信じてやれよ」
「じゃあたかてぃんは、とう思うのさ」
「ノーコメントで...」
たかてぃんは目元を手で隠して言った
「せめてボケてよ」
歌梨は今にも泣きそうだった。
プルルルル
着信音がなりその源は俺のスマホだった
ちょっといいすかみたいな顔をしたらもっさんたちはどうぞどうぞと言ってくれた
高田からだった
「もしもし高田、歌梨は見つかったお前の仕事は終了だ」
「あ、本当りょーかいちょうど完全下校時間なったからさ先帰るって言おうと思ったんだ」
「真綾ちゃんも捜してくれたの?」
「高田は学校にいただけだけどな」
「ナニ本くんよぉ、そこはもうちょいフィクション入れて私の活躍を大きくしてくれていいんだよ。それとさ歌梨のスマホどうする?明日持って行こうかって歌梨に伝えて」
「歌梨、お前のスマホ明日持って行こうかだって」
「あ、スマホ忘れてた。うん、お願い」
「そうしてくれだとよ」
「りょーかい。では気をつけて帰れよ」
「お前もな」
電話を切った
「ねぇねぇ、たっちゃんいつの間に真綾ちゃんと仲良くなったの?」
さっきまで泣きそうだったことをもう忘れているのか普通に話しかけられた
「なんと言うか高田がフレンドリーなんだよな」
「ふーん、そっかじゃあそろそろ帰ろうかもっさんたちも一緒に来る?」
「いいべ、俺ら用事あるし」
「そっか、じゃあたっちゃん帰ろ」
「別にいいけどさ俺んち何処か知ってるか?」
「知らないけど」
とりあえず住所を言ってここからどう行けばいいか聞いた
「なんだ、たっちゃん隣じゃん」
「歌梨残念だけど俺の部屋にベランダついてないし朝窓開ける気ないからな」
「何のことだよ」
「じゃあな、もっさんたち」
「じゃあな」
「アデュー」
「また」
「じゃあね」
俺、もっさん、かどぅ、たかてぃん、歌梨の順である
もっさんたちと別れて歌梨と帰ることにしたが、女子と二人だということをあまり考えないようにした
「歌梨、俺のせいでサイン貰えなくてごめんな」
「あ、それなら大丈夫だよ。ほら」
歌梨が、持っていた袋から出したのは田中あるえ大大大先生のサイン色紙である
「え?貰ったのか俺を探す前に...」
「実はね色紙買ったときに思い出してね、そのね、サイン貰ってから探そうと..」
「色紙買うまで忘れられてたのか...俺の存在感とは」
「でもねでもね、ほらたっちゃんの分まで貰ってきたんだよ」
袋の中から二枚目のサイン色紙を取り出した
「はぁ、ありがと。その色紙いくらだ?」
「そんなのいいよ、これは、その...引っ越し祝いだと受け取って」
歌梨が色紙を俺の胸に当ててきた
「そうか、じゃあ遠慮なく貰っておくよ、ありがと」
色紙を受け取った
「どういたしまして」
....
いや、どっちにしても俺忘れられた挙げ句サインを優先させられたってことだよな。
なんか、微妙な感じ