表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72~2/14  作者: えむ
第2章
7/25

02

「水沢先生は元気か?」

「あ、ええ。はい」

「あの人は見た目はアレだが、困ったことがあったら相談したらいい」

 ただし、

「勉強や進路のことについてだけだがな。今回の件に関して俺たち以外に君の事情、もしくは現状を知っている者は?」

「……いえ、いません」

 聞くに彼女は役所勤めの両親を持ついわゆる中流階級の家庭で、現在家出中。捜索願が出されているが、その容姿は彼女の両親が知るものとはずいぶんかけ離れてしまっているため発見はされない。もしも名乗り出ても保護される事もないが。

「それでいい。ここまでで何か聞きたい事はないか?」

「はい……えと、お茶を出してくれたそちらの方は……」

 唐突に話を振られたので杏子は手をひらひらさせて簡素に受け答えする。

「神藤杏子。よろしく」

 注釈。

「この店の雑務係だ。なんなりと言いつけてくれ」

 よろしくお願いします、と深々と頭を下げるかえで。

 今どきの女子高生にしては礼儀正しいなと感心する杏子だったが、誠から向けられる視線に気付き、表情をあからさまに曇らせた。

「……なに?」

「いや、別に」

「なんだっての」

「……お前にもこれだけの器量があればなと思ってな」

「は? ありますぅ。私にだってこれくらいの器量ありますぅ。礼儀作法の一つや二つ朝飯前ですつまりブレック以下ですぅ」

「ほう、初耳だな。なら試しに見せてくれ」

「望むところよ」

「じゃあ、そうさな……手始めに土下座でもいっとくか?」

「かはははは! この礼節の鬼、マナーキーパー、CS軍曹・神藤杏子による超攻撃的土下座! あのオバマも震撼した七色の土下座をその目に焼き付けろ!」

「……おお……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ