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ふう、と。
かえでがゆっくりと大きく息を吐き出して顔を上げる。
「姉弟(私たち)の身に起きていること……全て龍崎さんの言う通りです。……龍崎さんは、人の心が読めるんですか……?」
「読めはしない。ただ、君たちの身に降りかかっている出来事に、少しだけ心当たりがあるだけだ」
一方は急激な老化衰退。もう一方は時間遡行。
異変が始まった日付。そこから今に至るまでの経過日数。
姉と弟。されど男女。
心当たりに辿り着くには情報が整い過ぎている。答えを断定するにはあと二つばかり証拠が必要だが、誠にとって仮定するには十分だった。
「それを踏まえて、お前の見立てを聞かせろ。神藤」