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まぞくといっしょ  作者: 黒梵天
第二章
24/36

コロモノコロカラ、ヒーローニアコガリチタ

「うわっと!? お、オークやべえ! でも対処できない程じゃない! ふっ! せいっ!」


 オークから振り下ろされる斧を剣で『いなし』ながら、おいらはその心臓目掛けて突きをぶちこむ!

 ……よし、これで32匹目だ! 楽勝っ!

 ――ってわけでもない……。


「痛ってー……」


 やっぱこんだけ大量にいると集中力が続かない……。

 さっきなんか顔面スレスレにトマホーク飛んできたし……ちょ、ちょっとかすったぞ。


 ――ここは引き続き森ん中。


 現在受け入れ先の村を目指して南下中の俺ら。

 だけど忘れちゃいけないのがこの世界には『魔物』ってのが存在してるって事!

 森を歩けばオオカミ、クマ、イノシシ、シカ、ウサギなんていうような野生生物が悪性変異したファッキン・クリーチャーがごろっごろいたり、オークだとかトロールだとかオーガだとか、人型してるくせに意思疎通も図らない、図ろうともしてこない暴力的な生き物がごちゃごちゃ集落形成してるんだからたまったもんじゃない。

 そして今、俺達はまさにオークの大集落にかち合っちまったってわけで……。


『いやぁあー!!』


 まずは列の最後尾の親子から悲鳴が上がって、何があったのか確認すると、村の女の子がオークに服破かれてレイプされかけてたわけで、それをエクセリカちゃんが完膚なきまでにボコボコにしたとこから始まって、そうしてる間に草むらからちらほらやってきた。

 そんで最終的にはあっちからこっちから! うじゃうじゃ、うじゃうじゃと沸いてくる沸いてくる!

 それから村の人を避難させて、オークの大集落をぶっ潰す事に乗り出した俺とエクセリカちゃん。

 二人じゃ普通に無理じゃないかと思ったんだけど、馬車や沢山の村の人達を守るにはこれが一番効率的だとエクセリカちゃんが判断した。


「おっと! せいっ! さんっ! ったく、こいつら本当に乱暴だなあ……」


 オークが斧を横薙ぎに振って胴を狙ってくるも、俺はオークの腕を切り落として攻撃を無効化した……けど今度はその牙で食らいついてこようとしてくる……。

 こいつらに痛覚だとか恐怖心みたいなもんは無いのかよ……。


「気を付けろよリッキ! こいつらは人型だがやはり魔物だ! 心臓を確実に狙え!」


 エクセリカちゃんがコマのように回転しながら髪を振り乱して、片っ端からたった一本の剣でもって、大量のオークを潰していく。

 ……やっぱ場慣れしてる分だけエクセリカちゃんの方が強い。

 俺の中にもエクセリカちゃんが使うような技の知識はあるけど、やっぱり咄嗟に出て来るのは魔融合する前にしっかり習った基本の型ばかりだ……。


「Booooo!!」


「「「「「「BaaaaaAAAA!!」」」」」」


 うわっと……!? じ、陣形を組みやがった!?

 扇状に陣形組んで俺達を迎撃するつもりか……。


「やっぱ腐っても人型って事か……」


 これでも知的生命体だから、話せばわかるとか、そういう事だって最初は考えてたんだけど……こいつらしつこくついて回って来るし、ちょうど温かくなったから繁殖期って事もあって、隙あらば女の子をさらおうとしてくるような、生殖本能に忠実な野性味溢れるやつらなのよね……。

 ……ただ、それなりに知恵があって武器も使ってくるし、人間より腕力が強いからめっちゃ厄介な相手でござる。

 くそう……お前ら自由に生きすぎだろ!

 人間の次にお前らが嫌いだわ!

 ――俺も人間なんだけど。


「リッキ! このままじゃ埒が開かん! 魔融合で一気に殲滅するぞ!」


 エクセリカちゃんが俺の隣に立って戦闘指示をした。

 ……オーケー、エクセリカちゃん。

 待ってたよこの時を……!


「了解! 来てくれエクセリカちゃん!」


 戦場を駆ける二つの命。懸ける命もまた二つ。

 ――本当は怖い。

 痛いのも嫌だし、死ぬのなんてまっぴらごめんだ。

 本当はビビりだし、強がってるだけで心の奥底じゃ今にも泣き出したい。

 ――だけど守りたい。

 ……村にはアルシラさんがいる。

 そして牛娘ちゃんや、おじちゃんがいる。


「応ッ! いくぞリッキ! 強制装着!」


 エクセリカちゃんが叫ぶと、俺の体が光の粒子――魔粒子に包まれる!


「「うぉぉおおおおおお!!」」


 そして瞬きをする魔も与えず俺の体が白銀の鎧を――纏った!!


「「吹き飛べぇええええ!!」」


 魔粒子から急速に鎧化する事により、副次的エネルギーが発生!

 そいつを発散させる為に周囲一メートルに空間発破を――起こす!


「「「「「OooooOOOO!?」」」」」


 爆風で陣形を組んだオークを吹っ飛ばしたああああ!!


「装着完了だリッキ! いくぞ!」


 舞い上がる砂ぼこりのが晴れ、その中にただ一人、白銀の鎧を纏う騎士が立つ。

 まるで子供の頃に憧れてた変身ヒーロー!

 体は一つ! 命は二つ!

 これがエクセリカちゃんのもつ魔融合、そしてその属性は――装着!


「アイ・マム!」


 俺の傍にはエクセリカちゃんがいてくれる!

 体を守る鎧、そして仲間を守る鎧!

 騎士のもつ最大の武器――それは、何かを、誰かを守たいと思う強い感情!!


「うぉおおおおお!!」


 素早く腰から鞭を引き抜いてからの想像と創造!

 鞭がその質量超えまくって、バカでけえパイルバンカーに形を変える!

 アルシラさんを守りたい!

 優しい人達に、出来るだけの事をしてやりたい!

 その為の力はここにある!!

 エクセリカちゃんが俺に勇気をくれる!

 俺に力を与えてくれる!!


「「「「「「「「「「「OOOOoooo!!」」」」」」」」」」


 すっげぇ数のオークが俺らに突っ込んできやがる! だけど全ッ然負ける気がしねえ!


「確かに負けはしないだろうが……どうするつもりだ? そんなものを振り回してるだけじゃ時間がかかりすぎるぞ」


 でかいパイルバンカー一丁が俺の得物。

 確かにこいつを振り回してるだけじゃたかが知れてんだわな。


「大丈夫! それは考慮済み! だってこのパイルバンカーってのは本来――」


 地面に片膝を着いて体を固定!

 そのままパイルバンカーに付いてるトリガーを思いっきり引く!

 パイルリロード。

 銀杭――固定器具解除。

 射出準備――完了!!

 現段階までの工程を自動化!!

 魔力限度まで――。


「杭ぶっぱなす機械なんだから!!」


 フルオートだああああああ!!!


「ga!?」


「gi!?」


「gu!?」


「ge!?」


「「「「「「「「「「GOooooo!?」」」」」」」」」」


 射出口から飛び出す白銀の杭がオーク心臓に命中! 命中! 命中ゥ!

 ――パイルバンカー、早い話が杭打機。

 銃の射出速度に比べりゃ遅いかもしれんけど、皮の鎧も着てないオークなんて片っ端から吹っ飛ばせる程度の衝撃はあるんだ!

 しかもここまでの工程を自動化する事によって面倒な手作業でのリロードもない!

 連射速度は秒間6発だけど、ほぼ無限に杭打つ俺の最高の得物!

 ――でも、コストがお高いんでしょう……?

 ノン・プロブレム!

 大気から魔素を集めて簡単に作れます!

 あなただけのワン・オフ・パイルバンカーがはいかがでしょうか!


「だけどオークにはやんねー! クソして寝ろ!」


 オラオラ! 穿て! 穿て! 吹っ飛ばせ!

 フゥー! やっぱりファンタジー世界は地獄だぜェ!


「やるじゃないかリッキ! 本当にお前の想像力には驚かされるぞ! だが、魔力消費は大丈夫なのか……? かなりの大技に思えるんだがな……」


 あ、はい……。

 実は、結構キツいっす。

 パイルバンカーの構築だけなら、外部から魔素集めて作れるんだけど……。

 杭を撃ち出したりする為に使う魔力はエクセリカちゃんから供給してるからね……。

 多分あとちょっとで魔融合も解けると思う。


「大分相性も高まったんだが、大技は消費が激しいんだな……。ふむ、なんならキスしてやろうか? もちろん濃いやつをだ」


 えちょ、なんで知ってるの!?


「ああ、お前の記憶から読んだ」


 勝手に読まないでくだしああああああ!!


「OOOOoooooo!!」


 おっと……。

 気づけばオークも最後の一匹か。

 話の片手間に殲滅されてこいつらも気の毒にな……。


「うっしラストだ! それじゃあエクセリカちゃん、いくよ!」


 煙巻き上げるパイルバンカーをしっかり構えて、半歩引いて――。


「応! わかった! いくぞリッキ!」


 有無を言わさず全力ダッシュ!


「「パイルゥゥゥウウ!!」」


「Go!?」


 パイルの先がオークの胸部にぶち当たって――。


「「チャアアアアジッ!!」」


 そのまま大木に押し付けてから、心臓を――ぶち抜く!!


「Ga! Gu......」


 短い悲鳴の後、オークは絶命。

 その姿は、まるであのおっさんみたいな――。


「ぐっ……え……」


「大丈夫か、リッキ?」


 だ、大丈夫……。

 ちょい気分が悪くなっただけ……。


「装着解除……っと。まったくお前ってやつは、本当に意固地だな」


 鎧になっていたエクセリカちゃんが元の人型に戻って、おいらの頭ぎゅっと抱きしめてくれました。


「ありがとう……。大丈夫だから」


 確かにこうされると気分が幾分マシになるんだけど……。

 やっぱ15、6歳の少女に抱きしめられて頭撫でられる25のお兄さんは格好悪い。

 すぐに離れないと――。


「もう少し、こうしていろ。精を送って精神状態を良くしてやるから」


 んがっ!?

 は、離れられねええええ!?

 あ、頭をがっちりホールドされて離れられねえ!

 ちょ、それにさっきからエクセリカちゃんのちっぱいが頬っぺたに当たってくるんですけど……。


「あの、ちっぱいが……痛でぇ!?」


 ヤクザキックで地面に蹴り転がされた!?


「リッキ……また私の胸を、ちっぱいと言ったな……?」


 エクセリカちゃんが冷たい目で見おろしながらお、俺の股間に、あ、足を――これは按摩ぁあああ!?


「そのちっちゃい胸に抱きしめられて、気持ちいいの漏らしたのはどこのどいつだ? よしんば忘れてしまったわけではないだろうな? うん? 何の文句があるんだ? 気持ちよかったんだろう!」


 あぎぃいいい!?

 タマ三郎がつぶれりゅううううう!?


「お前の記憶を読んだぞ? お前は大きくても、小さくてもいいんだろう? ああ、そうか、ははっ……。いっそこの胸で毎日快楽漬けにして、小さな胸でしか興奮できない体にしてくれようか? ……出来ないと思ってるな? 私は初心で経験がないからそんな娼婦みたいな事が出来ないと、心のどこかで小ばかにしているんだろう? ならば試してやろうか? 今夜お前は天国と地獄の境目を延々と彷徨いながら、精を吐きつくしてなお終わらぬ快楽と言う名の拷問を延々と繰り返される事になるぞ? いいんだな? 私はやるといったら特例が無い限り曲げん事ををよく知っているはずだぞ? どうする? 今ならまだ……許してやってもいい」


 あばばばばばば!!!!

 エクセリカちゃんの足で俺のタマ三郎がミチミチと悲鳴上げながらお腹ん中に避難してきてりゅぅううう!! ひぎぃいいい!!


「わっ、わがりまじだっ! ごべんなざいっ! お、俺がわるがっだでずっ! ゆるじでぐだざいっ! エグゼリガぢゃんのお胸ば最高でずっ! 女神様のおっぱいでず!」


「……ふん」


 ひ、ひい……エクセリカちゃんがゆっくり足を上げてくれました……。

 だけど、そのまま腕を組んで『はぁ……』ってため息を吐きながら自分の胸をペタペタ触って何やら落ち込んでしまった……。

 ……思ってる事をすぐに口に出したり、表情に出たりするのを早めに治そう。


「ほ、本当にごめんね……うぇ、ウェヒヒッ……」


 不気味笑いしながら立ち上がって、背中とんとんしてタマ三郎を落とします。

 あー痛かった……。

 ――だが実は気持ちよかった。

 ……俺はマゾなんだろうか。

 タマ責めなんて趣味はなかったはずなんだけど……。

 いや、多分あれだな、最近一人になる時間がなかったから、ちょっとの刺激でもヤバくなってんだろうな……。

 ――だってちょっと漏れたから。

 ……バレたら嬉々としていじめられそうだから黙っておこう。


「じゃ、じゃあそろそろ戻ろうか……。ずっと後ろの方で避難してた村の人達に、エリアクリアしたって報告を――」


「なあリッキ……。気付かないとでも思っているのか? そんなに濃い精の匂いを漂わせて、気づかれないと、本当に想っているのか? 愚かだな……ふふっ……本当にお前は思慮が浅い……」


「あひぃ!?」


 エクセリカちゃんが鞭で俺の内股やら腹やらをなぞってくる……!

 どぼじで!? 話は終わったんじゃないの!?

 俺は許されたんじゃ!?


「なんだろうな、最近お前の情けない姿を見ると……んっ……わからん、この気持ちは……一体何だというんだ……」


 おいィ!? エクセリカちゃんの鞭が、俺の股間に向かってくるんですけど!?

 それにどうしてエクセリカちゃんそんなに目を潤ませてるの!? その半開きになったニヤけ口はなんなの!? その鞭でどうする気なの!?

 やめて! 乱暴する気なんでしょ!? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!


「リッキさーん! エクセリカー! 戦いが終わったのを確認したので、炊き出しの準備を始めますよー!」


 天使の呼び声だぁあああああ!!


「あ、ほら! エクセリカちゃん! ごはんだよ! ごはん!」


「そうだな、そしてお前はさながらメインディッシュといったところか……。ふふふ、楽しみだ……さぞかし、さぞかし……」


 鞭の先を俺のヘソの下らへんにくっつけて、荒い息上げてるエクセリカちゃんの目がいよいよをもって本気になってきた……。

 だ、駄目だよエクセリカちゃん、これはさすがにお約束違反だよ!

 こういう時はさらっと流して次のイベントに入るのがお約束なんだよ!?

 しかもこういうイベントは、たまにあるから嬉しいイベントなんだよ!?

 最近エロイベント多すぎだったから『まーたエロかよ』ってな具合に言われて、飽きられちゃうよ!?

 ――俺はウェルカムだけど。

 ……いや違うよ! 今はダメ! 今はダメなんだってば!

 らめぇええ!! ひぐぅうう!?


「リッキさーん! エクセリカー! お肉なくなっちゃいますよー」


 う、あ……アルシラさんナイスだよ! ナイスフォローだよ!


「あ……肉……? 私は一体……?」


 鞭を落として頭を振るエクセリカちゃん。

 お腹が『くぅっ』っと鳴った事で正気を取り戻したんだな……。


「……ん、リッキ。何をしてるんだ? ほら、早く行かないと肉が全部とられてしまうかもしれんぞ?」


 俺を置いて駆けだすエクセリカちゃん。

 ――君はとっても逞しいよ……。

 だけどね、俺は結構限界近いんよ……。

 俺力ついたってのに、全ッ然抵抗できなかったもんげ。

 もうなすがままに、あのまま理性吹っ飛んじまいそうだったもんげ。

 ――それはマズい。

 男としての意地が――俺には大したプライドなんてないね……。

 だけどこのままじゃいつか獣になっちまう。

 間違いが起こってからじゃ、遅い。

 ヘタに力ついちまった分、理性のタガが外れた時……俺は何をしでかすかわからない。

 ありえない事、ありえない話だけど、もし『れいぷっぷ』未遂なんて起こしたら……。

 ……か、考えるだけで恐ろしいわ!

 だって、そんな事して惚れてくれる女なんて二次元にしかいないんだもの。

 普通は信用ガタ落ちになって嫌われるに決まってるじゃないか……。

 ――俺は『逆れいぷっぷ』されたら惚れてしまいそうだけど。

 くっ……抑えろ俺……抑えろ……。

 ここまで築き上げてきた信用や信頼、それを守る為には――。


「俺ちょっと先にトイレいってくるー!」


 森の賢者(略してモリケン)になる必要があるな……。


「ここらへんでいっか……」


 パンツ脱いだ、サオ之助は出した。


「うち、シコルンよ……」


 よし、右手は……そえるだけ――。


「あ?」


「えっ」


 茂みの中に、小さな女の子が一人、しゃがみこんでて、もう手は止まらなくて――。


「……うっ……ふぅ……」


 森の賢者(略してモリケン)になる俺。

 対する少女、呆けている。

 鱗に覆われた肌、赤い色したクセっ毛の髪はベリーショート、ちょっとワイルドな感じに毛先が跳ねてる。

 それに頭の左右には、アルシラさんのような捻じれた角があるんだけど、黒くてすげえぶっとい……。

 そしてチャームポイントであろうおデコ、俺はそこにケフィア――。


「……サラダバ――いや、さらばだ……」


 ナニ仕舞う、ゆっくりと後ろ向きに歩く。


「んっ……おい待てよ、そこの男」


 チョロチョロと音が聞こえる。

 間違いなく放尿を開始しています。

 だけど俺にはもうそんな事どうだっていいです。

 だってありゃロリとペドの真ん中らへんだもの。

 射程圏内ギリギリセウトな感じです。

 そして今の俺は森の賢者(略してモリケン)なんだ。

 そんな少女の放尿に対して、俺は別に何も感じない。

 頭はすっきりと冴えてる。

 ――酷く、冷静に。


「ふっ……ふっ……」


 踵を返す、走る、走る、走る!


「ふぅ……待てと、言ってん、だろうGaaaaaaAAAAAAAAAA!!」


 うがああああ!?

 こ、鼓膜がやぶれ――背中が熱っちぃいいい!?


「な、な、な――」


 女の子が口から火ぃ吐いてるゥウウウ!?


「待てと言われて……これ何回目だよおおおお!?」


 駆ける! 駆けるッ! 駆けるッ!!

 振り返らない! 絶対振り返らない!

 俺が目指すは――。


「あ、リッキさんおかえりなさい! ……どうしたんですか?」


 炊き出し場に到着!


「ちょ、ちょっと悪い事しちゃいまして……お、追われてるんです、匿って下さい!」


「ええ? 誰も……追いかけてきてませんよ?」


 首を傾げながら、近くのお皿を手に取りながらイモと乾燥肉のスープをよそって俺に手渡してくるアルシラさん。


「あ、ありがとう。ああ、いや、おかしいな……10歳ぐらいの女の子が火を噴きながら追いかけてきたはずなんだけど……」


「あはは。10歳ぐらいの女の子ですか? おかしいですね……だってこの村には一番小さくても13歳の子供しかいないですし、その子は男の子ですよ?」


 え?

 じゃあ、あの子は一体、誰だったんだ……?


『GaaaaaaAAAAAAAAAA!!』


 轟音のような叫び声。

 ありゃまるでモン○ンの――。


「まさかな……」


 変な事を考えても仕方がない。

 今度会う事があったらお菓子でもあげよう……。

 許してくれっかなあ……。

 ――多分無理。

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