古き巨人
掲載日:2026/10/29
古き巨人は言いました。今や何もありはしない。
新しき巨人が言いました。きっと何かが残ってる。
舟は太陽に近付いた。そのまま地球に近付いた。
あの絵は昔に見たものだ。見るならあそこだ、そうしよう。
古き巨人が降り立つと、新しき小人が悲鳴を上げる。
「敵では無い。」「保証は無い。」
古き巨人は傷付きました。歩いてるだけで傷付きました。
やっと見つけた古い墓。かつて一緒に作った墓。
ここにはやはり何も無い。もはや欠片も何も無い。
古き巨人は泣きました。悲しくなって泣きました。
涙は道を埋め尽くし、新しき小人は近付けません。
古き巨人は泣き疲れると、ようやく重い腰を上げました。
高くから見た涙の川は、古い文字のようでした。ひび割れるように不自然な、古き小人の文字でした。
古き巨人は頷いて、真っ直ぐ舟に戻ります。2つの種の交わりは、それが最後となりました。




