職場で起こる心霊現象? ※実話です。
私は工場で勤務しています。
タイムカードを押し、制服に着替えます。
工場内へ入るには、まず前室で制服にコロコロかけ。
手洗い。
そして、エアシャワー室に入ります。
エアシャワー室の扉はセンサー式です。
縦並びで一度に6人まで入室する事ができ、自動扉が閉まるとブォォーっと、強い風を浴びられます。
そして自動で風が止み、自動で入室した際とは反対の扉が開きます。
片側の扉が開いている時は、反対の扉は開きません。
ある日、前室にいたのは私だけ。
コロコロと手洗いを済ませ、1人でエアシャワー室に入ろうとした時、エアシャワー室の出口の扉が開いていました。
しかもただ開いていただけでなく、閉まりかけてはまた開き、また閉まりかけては開きを繰り返していたのです。
もちろん人は私以外に誰もいません。
閉まってくれないとこちらからは開けられないし、エアシャワー室を抜けないと現場へは辿り着けません。
どうしたものかと思っていると、出口の扉はやっと閉まってくれました。
なので私は、幽霊でもいたのかな? と、思いつつ、エアシャワー室を無事に抜けたのです。
翌日。
前室で手洗いを終わらせたところで、エアシャワー室の扉を開けて待ってくれている人がいました。
他部署の人で、変わり者で有名ですが、私とは特に面識のない人です。
私は軽く会釈をしました。
その人は無言で先にエアシャワー室に入りました。
私も後に続きます。
エアシャワー室でその人と私の2人だけ。
入口の扉も閉まって、これからエアシャワーがくる、という時に突然、
「おはようございます!」
と、その人は言いました。
私の方を振り返る訳でもなく、淡々と。
まるでロボットかと思うような、棒読みのおはようございますです。
私に言ったのかとも思いましたが、タイミングが変ですよね?
エアシャワー室を開けてくれていた時に言えばいいし、何なら前室に入ってきた時に言えばいいです。
私の方を見もしないで、前を見据えておはようございます?
因みに出口側にも人はいません。
驚きもあり、ブォォーが始まってしまった事もありで、私はそのおはようございますに返事を返せませんでした。
もし私に言ってくれていたなら、無視した感じになっちゃって、申し訳なかったかな?
と、思いつつ、でもやっぱり私に言った訳じゃないよね?
発声練習とかだよね? と、考え直して自分の現場に向かいます。
昨日あそこに幽霊いたみたいだし、もしかしたら幽霊に挨拶してたのかも!
と、1人納得していました。
私の現場はこのエアシャワー室を抜けた先のフロアから、さらに扉を抜けた先のフロアの3階です。
そして私は階段の上りが大嫌いです。
だからエレベーターが空いている時は、3階への移動はエレベーターを使うようにしています。
エレベーターを呼び、中に入りました。
3階のボタンを押したのですが、エレベーターに反応はありません。
ですがこれはよくある現象です。
最大積載量2トンの大型エレベーターで、気圧の関係らしいのですが、たまに階層とエレベーターの位置が合っていない時があるんです。
こういう時は、開くボタンを押したりすると直ります。
また気圧かー、と思いながら、開くボタンを押してから、3階のボタンを押し直しました。
しかし、動きません……
扉が閉まろうともしません。
非常時用以外の他のボタンも全て押してみましたが、どれも反応しません。
え、なんで? なんで? これも幽霊?
謎現象にどうしていいのか分からず、少々混乱していたら、
「ねぇ、そろそろ気付いてよ〜」
と、エレベーターの外からYさんが……
犯人はYさんでした。
エレベーターの外の呼ぶボタンを、Yさんが連打していたんです。
幽霊じゃなくて良かったです!
それから数日後。
仕事も終えて帰ろうと階段を降りて、扉を開こうとしました。
でも扉が開きません。
ドアノブを捻り損ねたかと思い、ガチャガチャと回したり、全体重をかけて押したりしたのですが、ビクともしません。
これは……品質管理部の仕業か?
品質管理部は時折、薬品を工場内に撒くので、扉を目張りする事があるんです。
今日はその日じゃないはずですが、急にやる事になったのか?
でもそれならそれで、普通は人が残っていないか確認してからやりますよね?
どうしたものか……
もう一度階段を上って3階へ行き、エレベーターから出るしかないか……と、思っていると、一緒に降りてきた同僚のIさんが、
「なんでっすかねー?」
と、開けようとしてくれたんです。
Iさんは男性なので私よりも力が強いです。
かなり力を入れて扉を押してくれました。
ガチャ……
扉は普通に開きました。
Iさんも拍子抜けです。
「普通に開きましたけど?」
「え? 気圧? 私の力の衰え?」
「いや、知らないっすけど」
「全然力入れてない?」
「はい。普通に開きました」
「え? 心霊現象?」
そんな会話をしながらでると、クスクスと笑い声が聞こえました。
Yさんです。
もう分かりますよね?
犯人はYさんでした。
「扉、押してましたよね?」
「うん。声が聞こえたからね!」
私は思わず、
「迷惑っ!」
と、叫んでしまいました。
今度から職場で心霊現象が起きたら、幽霊より先にYさんを疑おうと思います!
fin
最後までお読みいただき、ありがとうございました(*^^*)
因みにですが、Yさんは私よりも15歳年上の女性です。
5歳じゃないです、15歳です!
これ以外にも何度も色んなイタズラをされていまして……
本当にお茶目な困ったさんなんです(笑)




