表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/23

4話 アリアはいい子じゃ

 あー、ぶち(とても)寝みぃ。授業受けよう思ってたけど、これはやばいわ。昼飯で腹が太っとる(おなかいっぱい)けぇ、クソ寝みぃわ。


 隣のアリアはお行儀良く授業受けとるな。すげぇわ。

 

 そもそもワシが居ったとこは教室がうるさくてわやくそ(めちゃくちゃ)じゃったけぇ、こげーに(こんなに)静かじゃったらそりゃ寝みくもなるわ。

 

 ……いかんいかん、ちゃんとせんとな。一応ワシは、今はフレデリカじゃけぇ。まあ、大分やらかしてもうとるし、もう無理な気ーするけど、じゃけど出来るところはちゃんとやらないけんわな。


「~~であるからして。ここはこうなるわけですね」


 教壇でジジイが何か()おるけど、さっぱり分からんわ。最初にこの国の歴史が云々かんぬんって言おたのは聞いとったが、ワシはこの国に初めて来た訳じゃけぇ、分からんのもとうぜんよな。


 あーいかん、意識が遠のくわ。寝みすぎ…………る……。




 おっ!!! 寝とったわ。あーやってしもうた。寝てしもうたわ。


「あ、あの。お疲れですか、フレデリカ様?」

 

 アリアがワシの顔色を伺うようにワシの顔を見ちょる。こいつが席を立ってて、ワシに話しかけてきたって事は、授業終わったってことか。


 マジか……。ワシ、授業ほぼ寝とったって事か。


「あーいや。ワシこういうの苦手なんじゃ。ついつい眠うなってしまうんよ」


 アリアはなんか安心したみたいじゃ。そんな顔しとるがどういうことじゃろ。


「そうですか。良かったです。ところでなんですけど。あ、あのですね、お聞きしたい事がありまして……」


 お? ワシに聞きたいことか。なんじゃろ。


「なんじゃ。言うてみぃ」


「あ、あの。失礼を承知でお聞きしますが、その独特な話し方はどういったものなのかなーと……。す、すみません! やっぱり失礼でしたよね……」


 なる程。ワシのしゃべり方が気になっとったんか。そういえばアリアの前ではいつものしゃべり方じゃったな。まあ目の前で方言でまくし立ててしもうたから隠す理由が無くなったってのがあるけぇなあ。


「不快か?」


「いいいいいいえ滅相も無いです! ただ聞いたことの無い話し方だったので、つい気になってしまって……」


「ええよええよ。アリアには話してもええかもしれん。ワシはこの世界とは別の所から来たんだわ。で、ついつい前に住んでいたとこの訛りがぬけんでのぉ。ってまあ、信じられんか」


 アリアは少し複雑そうな表情をしとったが、すぐにワシに笑顔を向けてきた。


「にわかには信じがたいですけど……。ですが、農民上がりの私と仲良くしてくださる優しいお方なのだと言うことは分かります」


 な、なんじゃこいつ……。こうも抵抗なくこそばゆいことツラツラ言いおって……。


「お、おう。分かった」


 なんじゃこいつ……。真っ直ぐないい子ちゃん過ぎるじゃろ。まあ、ゲームのメインヒロインじゃし、当然ちゃぁ当然じゃけど。いかん、いい子すぎて眩い(まぶい)わ。


「気持ちはうれしいわ。おのれはワシの友達(ダチ)じゃけぇの、なんか困った事あったら言えよ」


 アリアは「はい!」って元気よく返事して、笑顔をむけてきよる。……眩い。擦れとるワシには眩すぎじゃ。


「そういえば、この後魔法の実習ですよね。行きましょう!」


 アリアはそういってワシの手を引っ張る。……急に馴れ馴れしいのぉ。まあ悪い気はせんがの。


 って次魔法の実習じゃと。魔法なんか使うたこと無いぞ……。な、なんとかなるとええけど……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ