売られた喧嘩は買うのが礼儀じゃ!
「おいゴルァ!!」
こう言うのは両方に舐められたらまずいけえ、初っ端からメンチ切って行くんじゃ。
「うわっ! なんだあのガニ股女!」
「誰がガニ股女じゃぶちまわすどコラァ!」
よお見たら相手見た目的にボンボンじゃな。よゆーやんけ。金持ちおぼっちゃまなんぞに遅れをとるワシではないわ。
「フレデリカ。な、何しに来た!」
「は? おどれが不甲斐ねぇけえに決まっとるじゃろが。あんだけでかい口叩いといて、なーにこんなしょーもない奴らにやられとるんじゃ」
「し、仕方ないだろう! 彼らは異国の貴族だ。下民ならいざ知らず、俺様のような高級貴族が手を出すと色々とまずいのだ!」
「でももうすでにおどれが手を出されとるじゃろうが」
「ふっ。だからいいのだ! この後父上に報告し、大型にしてやるつもりなのだ!」
まーた親父か。こいつ玉ぁついとんかのお。
「トマス。おどれに面子はねーんか」
「……は?」
「おどれならそこまで問題にならんはずのこいつらにボコられ、そんでパパに泣きつく。漢としてこがあに情け無いことがあるか?」
「いや、しかし」
「ええか。どういう事情があれど、売られた喧嘩は買わないかん。何もせんと逃げるだけじゃ面子が丸潰れじゃろうが。おどれには自分自身や入っとるチームの看板、世話になっとる人たちの面を背負っとるんじゃ。じぇけえそれらに泥塗るくらいなら戦え!」
「ふ、フレデリカ……。よし」
お、やーっとやるきになったか。そうじゃその意気じゃ。
「よくも散々やってくれたな。だが俺様も本気を出すぞ!」
「よー言うた!」
トマスが立ち上がり、奴らの前で構える。お、こないだは魔法つかう言うてたのに、今日はステゴロか。やるじゃん。
ここまで来たしのお、ワシも一枚噛んだるわ!
「お、おいフレデリカ! どういうつもりだ? お前は関係ないだろう!」
「うるせえ! 喧嘩ならワシも混ぜえ!」
勢いに任せて、久しぶりの喧嘩じゃ!
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