女の笑顔には逆らえんのじゃ!
「フレデリカ様、どうかしましたか?」
ったく、奴は何をしとんじゃ。こないだあれだけワシにでかい口叩きおったくせに。
「なんでもねえ」
まあ、ワシあいつのこと嫌いじゃし。しらね。
「あ、あれって! トマス様!?」
やっばいじゃん。アリアが気付きおった。
「何故トマス様がこんなところに。いえ、それどころじゃ無いです。なんでトマス様がめったうちにされてるんですか?」
「知らんわそんなん。ワシらには関係ねえ」
「で、ですが……」
うっ。アリアのやつ、ワシの顔見るなりぱあっと明るい表情になりおった。なんだか猛烈に嫌な予感がするのお。
「フレデリカ様! フレデリカ様ならトマス様をお助けすることもできるのでは?」
ほれみんさい。なーんでこうなるんじゃボケ。
「ちょっと待てぇ。喧嘩すんな言うたんはアリアじゃろうが」
「それはそうですが。やはり困っている人を放ってはおかないと思います! ですが私にはそんな力も無いので……」
ええ子じゃ、アリアは。そんで、自分にはできないのを悔しがって、そんでワシを頼ろうとしてくれとる。揺らぐのお。
「しゃーねえのお。おどれはそこで並んどけ。あ、金は渡しとくから、順番来たら買うといて」
「フレデリカ様っ!」
アリアが心底嬉しそうに笑う。しゃーないけえ、その笑顔に免じて行っちゃるかの。可愛い女の笑顔を裏切ったら男じゃねえけえ。ま、ワシ女じゃが。
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