10話 ダンスパーティーは大成功じゃ!
「パーティーがめちゃくちゃだ……」
「フレデリカがまた荒らしてしまいましたね」
「でも今回のは良いんじゃない? マルちゃんはこういう楽しいの、いいと思う! マルちゃんもまざろーっと!」
「あっ、おい!」
おっ、マルクスがこっちくるぞ。
「おみゃあもこっちきて踊れ!」
「もっちろーん! まぜてまぜてー!」
そういうとマルクスもリズムに身を任せ始めた。流石じゃ、すぐに音楽に馴染んでキレのあるダンスを披露しよる。
って、まだ他の3人は馴染めてねぇみてぇじゃの。しゃーねぇなぁ。
「お、おいフレデリカ。手を引っ張るな、背中を押すな!」
「じゃかあしぃ。おみゃあら3人も中に入って踊れ! ここは立場とかなんもかんも関係ねぇ、全部忘れてはっちゃけろ!」
ワシもそろそろ本気出すかの。ってこの長ぇスカートが邪魔じゃな。
「ふ、フレデリカ様?!」
「なぜ急にお召し物をお破りに?」
「いいね、フレデリカ! スカート破っちゃうなんて。それで? 次は何をするの?」
「見とれよマルクス。コレがワシの本気じゃあ!」
「アハッ、スゴイスゴーイ!!」
「あんなに足を広げて、地面に背をつけて、あぁ、下着も隠さず逆さになってしまって。フレデリカ、あなたという人は……」
「ああ。セシルも、みんなもそう思うか」
「「「なんて自由で情熱的な踊りをするんだ!!」」」
「俺も行くぞ!」
「ちょっ、待ちなさいガイア!」
「フレデリカ、僕たちもまぜてもらうぞ。この自由で平等なダンスパーティーに」
こいつら、遂にやる気になりおったか。
「遅いぞおみゃあら。御託はええから早うまざれ!」
どんくらいやったかの、ぶち疲れたわぁ。
まあでもみんな笑顔じゃし、やって良かった気ぃするな。
そんなこんなでワシらは寮に戻りょうるわけじゃが。
「あの、フレデリカ様」
「なんじゃ?」
「今日のことなんですが、何故あのようなことを?」
「気に入らんかったか?」
アリアは否定しながら必死に首を横に振る。
「おみぁは農民上がりじゃけぇって、よぉいじめられとる。それがワシゃあ気に入らんのじゃ。それにな」
隣を歩くアリアの頭を撫でる。コイツ髪サラサラじゃのぉ。
「ダンスパーティーっつうのはみんなが楽しゅうならんといかんじゃろうが」
「…………はい」
そのあと、アリアは一言も喋らんかった。ただ俯いて隣を歩くばかりじゃ。……耳が真っ赤になっとったし、調子でも悪うなったんじゃろうな。
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