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そのいち。

「みんな働き者で嬉しいなぁ。」


社長のその言葉を聞いた瞬間、あ、もう無理だな。と確信した。


こちらでこなせる量の仕事量はとうに超し、働けど働けど仕事は終わらない。

ただでさえ手が回っていないなか1人退職、減った分の人員は補充されない。

それにも関わらず新たな仕事を受ける社長。

迫る納期。受けてしまっているからにはやるしかなく、残業に次ぐ残業、休日返上で死に物狂いで働く私たちを見て、働き者で嬉しい、そう言ったのだ。

こんなに残業して困る、とか、少し受ける仕事を減らそう、とか、取引先に納期を伸ばしてもらえないか相談しよう、とかではなく。嬉しい、と。


断っておくが、社長は別に悪人というわけではない。

いつも笑顔で優しく、朗らかで決して怒らない。

今どき珍しく社員旅行にも連れて行ってくれる。


ただ単純に働くことが好きなのだ。そしてみんなもそうだと思っている。ただそれだけ。


私は休日を豊かに過ごすために働いている。好きなアイドルのコンサートに行ったり、漫画を読んだり、何もせずダラダラしたり、そういう日々を送るために働いているのだ。

社長の様に働くために働いているのではない。

仕事に対するモチベーションの前提が違う。


「すみません、辞めさせてください。」



そして私は、仕事を辞めることにした。

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