第8話 技術Lv
目覚めた俺はすぐに海藻をむしゃむしゃと喰いながらイカダの修復に励もうと思っていた。
当初の1/2の大きさになってしまったこのイカダ。
この先何があるのかわからない。
まずはステータス画面を確認しお腹と喉の数値を確認する。
年齢 16歳
技術Lv 1
お腹 ―――――●――――――
喉 ――――――――●―――
体力 ―――――――――●――
問題ないな。体力もほとんど回復してる。
朝起きて水を飲み海藻を食べたことで安心できる数値に回復出来ていた。
さすがにお腹いっぱいまで海藻を食べると気持ち悪くなりそうなのでここら辺にしておきたい。
このステータス画面は頻繁に見る癖をつけないとな。
まだ体と数値がリンクしてるっていう確証はないし。
ひとまず安心の数値に達しておりこれで集中してイカダの修復に励むことができる。
作成欄に踏板というものがある事には気づいていた。
おそらく踏板というのはイカダの事を指すのだと思う。
踏む板だもんな。それしか考えられないし。
材料は、
木の板 ×3
昨日散々ロープフック(木製)を投げまくったからな。
材料のストックはたくさんある。
今現在の手持ちは
木の板 ×23
ロープ ×6
プラスチック ×27
海藻 ×2
朝に海藻を二つ食べたから残りが2つになっている。
また回収しておかないとな。
ひとまず今は踏板を作ろう。
俺は作成欄のから踏板を選択する。
するとロープフック(木製)を作ったときと同じように
YES NO
の文字が浮き上がり俺はYESを選択すると視界に踏板のフォロビジョンが映し出された。
やっぱりね。この形は間違いないな。
迷わずサメに喰われた部分に標準を合わせ作成する。
トンテンカントン
作成時に聞こえる耳障りのいい音と共に一瞬でイカダの失った部分が戻ってきた。
踏板一つで作れる大きさはサメが食いちぎる1回分。
すなわち今現在のイカダの大きさは当初の3/4になったということだ。
「うおぉぉぉぉ!!! たったこれだけなのに感動する!! めちゃめちゃ広くできるんじゃねーか? これ?」
あと木の板は20枚ある。
どうせすぐ手に入れれるし踏板を作り終わったら海藻も集めないといけない。
その時木の板なら余分に集められるだろうし今ある分はすべて踏板に使ってしまおう。
20枚の在庫で一つが3枚。
6枚の踏み板を作ることができる。
もともとのイカダの大きさが踏板4枚分なのでこの時点で最初の2倍の大きさのイカダを手に入れることができる。
トンテンカントン
俺は意気揚々と次々に踏板を作成しあっという間に6枚全てが完成した。
その6枚目の完成をアナウンスする文字ができた後、さらに視界に
”技術Lvが上がりました”
”スキル振分けが使用可能になりました”
の二文字が出現した。
「うわっ!! なんかレベルが上がった。しかもなんかが使用可能になったぞ。」
すぐにステータス画面を引っ張り出す。
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年齢 16歳
技術Lv 2
お腹 ―――――●――――――
喉 ――――――――●―――
体力 ―――――――――●――
■ スキル振分け
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「やっぱり!! 技術Lvが上がってる。結構簡単に上がるんだな。あと......これかスキル振分け。てか俺何にもスキルなんか持ってないんだけど何を振り分けるんだ?」
ほとんどの異世界ものならスキルの振分けとなればソードスキルであったり魔法スキル、はたまたそれ以外の便利スキルにスキルポイントと呼ばれるよくわからんポイントを振分け新たなスキルを得たり既存のスキルを強化していくことにやりがいを覚えていく。
しかしこのLifeという世界でそんなスキルは全く役に立たない。
そしてそんなスキルは欲しくもない。
この世界のスキルとはどういうものなのだろうか?
さっそく意識を集中させスキル振分けを開いてみる。
残りスキルポイント 20
・鍛冶 Lv
・大工 Lv
・調理 Lv
・衣類 Lv
・漁師 Lv
・研究 Lv
・農園 Lv
やっぱりこういうスキルか。
作成の???の部分はおそらくだけど新たなアイテムを手に入れるのとは別にこのスキルLvを上げていかないとロック解除できないものもあるんだな。
そしてこのスキルポイントを振り分けることによって今まで作れないと思っていた物が作れたりと可能性が大きく膨らむわけだ。
「いいぞいいぞこの世界。やっと俺に味方してきてるな。」
まずザっと見て予測の範疇を超えないけど
【鍛冶】
これはおそらく鉄製品の加工の事だろう。
鉄を手に入れた時、簡易な物なら今の状態でも作れるかもしれないけどより高度なものとなるとこの鍛冶Lvを上げていかないとダメなのだろう。
【大工】
それこそいろいろなイメージがある。
今はないけど椅子とか机とかも作れるようになるんだろうか?
【調理】
絶対便利そうだ。
たぶん材料を入手するだけで作成のように簡単に料理が作れるようになるんじゃないだろうか? いや絶対そうだ。そうであってくれ。
【衣類】
これはわかる。服とかそういう物だろう。
もしかすると鎧みたいなのが作れてサメの攻撃を防御できるようになったりするのではないか?
鎧って海に浮くのか? まぁこれは急ぎではなさそうだ。
【漁師】
これ一番いるんじゃね? それこそ釣り竿とかもこのスキルだよ絶対。
魚食べたい。
【研究】
これ怪しいよな。
なんか薬とかなんかなのかな?怪しい。
【農園】
農園って農園だよな。
野菜とか作れるようになるって事か?
だとしたらこれも急務だよな。
海藻ばっかりじゃさすがにやばい気がする。
と一通り見たけど残りスキルポイントが20
どのくらいスキルポイントを使えばどのくらいのスキル効果が得られるかわからない。
あんまり無駄にはしたくないし.....後回しでいいようなスキルもあるし選ぶとすれば
【調理】
【漁師】
【農園】
この三つだろう。
今現在食料問題がひとまず解決されている状態ではあるが、これは長くはもたない仮の解決に他ならない。
中・長期的プランを打ち出すにあたってはこの3つのスキルは食料問題にストレートに関連付けできるものであろう。
まず食材の確保。
これは【漁師】と【農園】は必須だろう。
そして手に入れた食材を最大限生かすにはやはり【調理】は疎かにしてはならない。
腹が減っているから言っているのではない。
言っているのではないんだ.......
ひとまずこういうのはどんどん使っていくのがセオリーだ。
とりあえずポイントを振り分けてみないと何も言えないし。
ひとまず俺は【漁師】にスキルポイントを振ってみることにした。