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人生はままならない  作者: えいじゅ
3/6

さて、お仕事しますか

もらったビールはあと二口分くらい。

「そろそろお風呂の準備しますねー」


ソファに座ってビールを飲んでた松っちゃんは、ポカンと口を開けた。

「いや、今日は話を聞いて欲しくて呼んだだけだから…」


「えー?お金勿体無いですよ?」

お風呂の準備を済ませ、部屋に戻る。単に湯船にお湯を入れるだけなんだけど。


ホテル取って、風俗呼んで、ビール与えて、話をするだけなんて、アホに違いない。

それか、別の目的があるとか?

そー言えば、どっかのサイトに《風俗嬢を落とす方法》とかあった気がする。

風俗嬢のサービスを受けず、穏やかに話をするだけで、高確率で外で会えるとかなんとか…。


いや、他の子は知らんが、私はその手じゃ《落ちない》から、読んだ時は爆笑したっけ。


外で会いたいなら、最低3回は顔見せてくれないとなー。もちろん、サービスは受けてもらうし。


「いや、なんか今日は人恋しくて…」

「ん?じゃあ尚更ヤルことヤラないと!」


人恋しいのに、話だけ…とか、キモい。

そもそも日常生活で『人恋しくて…』なんて、そんなセリフ、言わないし、言われない。


なんか、ドラマの脚本とか小説とかのセリフみたいで、白々しいってゆーか、嘘くさいってゆーか。

ホント、何が目的だよ、こいつ。


あ、私が好みのタイプじゃないからか?

食指が動かないのだろうか?


「スレンダーな若い子じゃないと、出来ないってことですか?物理的に」

「え!?」

「ん?だから、細身の若い子以外には勃たないってことですか?」


松っちゃんは口も目も開いて私を見ている。

なんだ?何故そんな顔で見る?

気がついたら私も首が傾げてた。


「いや、別にそんなことは…」

「なんだ、良かった!後で『やっぱりサービス受けてないからお金返して』とか言われてもイヤなんで、サービスは受けて下さいね?」

とっておきの営業スマイルをかましてやった。会心の一撃だ。


「ええ!?」

松っちゃんの目と口が更に開いた。


「たまにいるんですよ〜、そーゆー人」

私が出会った『そーゆー人』はたった一人だけだが。


勿論、ホントにヤル目的じゃなく、話だけの人はいる。

紳士的な感じで、明らかに雰囲気で分かる。


松っちゃんは紳士的なセリフ回しをしているけど、なんか違うんだよねー。


「ぶふっ…ははははは」

唐突に笑い出した。大丈夫?


「ホントに居るの?金返せとか言うやつ」

なんか興味津々の様子。


「居ますよー。バッグの中を漁ってた人もいました」

お湯が溜まるまで、ほんのちょっとだけ漁られた時の話をする。

よほど面白かったのか、風呂に行ってもこの手の話を聞きたがる。


「いやー、マリアちゃんのサービス、スゴイね」

「何が?」

「俺、風呂でまでこんなサービスされた事ない」


え?ボディ洗いは基本でしょ?


「またまた〜」

「いや、ホント」

「え?じゃあみんな何してんの?」

「俺、地元で呼んだことないんだけど、いつも行く隣町の店の子は、普通に手で洗ってくれるだけだよ」


え〜、手抜きもいいとこじゃん。

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