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NPCに恋をして  作者: Nozi
6/6

第6話 ~現実世界とAWO~

こんにちは、Noziです。今回もこの小説を御覧頂きありがとうございます。恐悦至極!


さて今回はそこそこ早めの投稿ができたかなっと、思いながら周りを見るとなんかめちゃくちゃ早い方いますよね。すごい!あと、話数すごかったり。


まあ僕はマイペースで行きますけどね…


これで6話目、1クールアニメで行ったらそろそろ折り返しなところです。僕はちょっと回収しきれない伏線?がありそうなんで12話できれいにってわけにはいかなそうですが。


とまれ、今回もどうぞよろしくお願いします!

 僕は自室のベッドに横たわって、今日あったことを反芻していた。それにしても一日、それもほんの数時間のこととは思えないくらいいろいろなことをした気がする。シホを治すためにアリスに会って、木星に行って、薬を手に入れて…。


「シホ…」


 NPCが死んだらどうなるかは不明だが、ともかく無事でよかった。目を閉じると彼女の顔が浮かんでは消えていった。


「…」


 もうすぐ夏休みだ。そうしたら、今よりもう少しAWO(あっちのせかい)にいられる時間が増えるかな…。そんなことを考えていたら、いつの間にか眠りについていた。




「おはよっす」


 朝、僕はいつもどおりに登校し、友達に挨拶をして席についた。


「よぉ、昨日のドラマ見た?」


「だめだめ。ユッキー最近ずっとゲームばっかだから」


「お前も人のこと言えんべ」


 友人その1の佐久斗(さくと)とその2の道人(みちひと)。佐久斗は小学校から、道人は高校でできた友達だ。


幸也(ゆきや)はあれか、えっと、AnotherWORLD。あれってどうなん、おもしろいん?」


 と、佐久斗。佐久斗とは前はよく一緒にゲームをしたものだが、どうもMMOにはなじめないらしく、また、バスケ部に所属しているためゲームをしている暇も最近はあまりないらしい。


「俺もよく知らんしな。MMO。そも幸也ってなんでMMOはじめたん?一緒にやる人とかおるの」


 道人はそこそこのゲーマー。といってもMMOよりFPS(シューティング)派。結構な腕前らしく休日や夜はずっとゲームをしてるらしい。


「え、っといまはサチって女の子?とシホと遊んでるよ。シホはNPCだけどね」


「ほーん、ってNPCって数に入んのかいな。ようはコンピュータっしょ?ってか女の子とかうらやま」


 道人のやっているFPSも基本的には通信プレーで多人数でやるゲームだが、MMOとはまた毛色が違う。


「お前らホントゲームばっかだな。俺みたいにスポーツやってるほうが健康的じゃね?」


「でも最近のゲームすごいよ。ほんとにその世界に入ったみたいでさ。いろんな人がいて面白いし」


 僕は最近のことを思いながら言った。


「VRねぇ、まぁすごそうだけどさ。テレビでやたら宣伝とかしてたし。でも俺はやっぱりリアル派だわ。青春よせーしゅん。せっかく部活入ったし目指せ全国ってさ」


「そいや佐久、マネージャーに可愛い子いるとか言ってたな、あれどうなったん」


「あ、3組の千佳ちゃんな、っと」


 そこで先生が教室に入ってくる。そこでとりあえず会話は中断した。


 ホームルームから午前の授業。


 1限目の国語が始まってすぐスマホが鳴動した。LINKにシホからのメッセージ。


『おはようです。ユキヤ。今日はわたしは昨日いけなかった木星に行ってきます』


 シホはもう気にしていないようだが、泣いてるところを見られたことを思い出すとじわっと顔が熱くなるのを感じた。


 えっと、『おはよう、元気になってよかった。気をつけてね』っと入力して送信。


 こんな感じでシホはあっちの世界での近況を結構頻繁に送ってくれた。ずっとあっちの世界とかちょっとうらやましいと、そのたびに思う。ま、現実に不満がとか、そこまであるわけじゃないんだけど。


『元気そうね、シホ。私も早くそっち行きたい』


 今度はサチだ。あっちでは現実世界の話はあまりしないが、前にチラッと話に出たところによるとサチもどうやら学生らしい。




 午前の授業が終わり昼の時間になる。


「今日は弁当?購買?」


 道人が聞いてくる。僕は弁当だったが、佐久斗が


「わり、今日ちょっと昼別な」


「佐久、どったの。まさか昼も部活?」


「ま、そんなとこ?」


 佐久斗が廊下に出て行く。そこに残された僕たちは、


「ちょい気になんね、あれ」


「佐久斗?まあ、ならないといったらうそだな」


 といいながらも僕はスマホを見ていた。シホからスクショ(スクリーンショット)が送られてきていた。マンドラゴラをゲットしてピースするシホの自撮画像。かわいい…。


挿絵(By みてみん)


「なにみてん、それ。みしてみ」


「え、あ、うん」


 僕はさっきの画像を見せる。


「なんこれ、AWO?」


「そ、この子がシホ」


「確かNPCってたよな。ぜんぜん普通のプレイヤーって感じだな。っとそうだ佐久どこ行った」


 道人が廊下へ出て行く。僕も弁当とスマホをもって廊下へ出ようとしたところであわてて戻ってきた道人とぶつかりそうになる。


「わ、どうした急に」


 道人は教室の入り口に半分身を隠すようにして廊下の先をみながら、


「あれ見てみ。3組んとこ」


 僕は道人の脇から顔をのぞかせて廊下を見る。と、そこには女の子に弁当をもらいどこかへ向かう佐久斗の姿があった。


「あれ、さっき言ってたマネージャーの?」


「かもな、っくそ。いつの間にだよ」


「まあ、佐久斗モテるからね」


 そういえば佐久斗には中学の頃も彼女がいたな。高校上がる前に別れたって言ってたけど。


「ってそいやぁユッキーはさっきのNPCの子とどうなんよ。けっこ可愛かったよな。や、まてよ、ほかにも女の子とやってんのかゲーム」


「え、まぁ…」


「あーマジかお前らみんなリア充かよ」


「いや、僕は、ゲームだし…」


「…ま、そか、アニヲタが『俺の嫁~』とか言うのと一緒かお前のは」


「…でもあれだな。マネージャーの話してたのついこの間だよな」


「…はぁ、飯でも食うかまあ。食欲失せたけど」


 その後、昼休み終わりごろにひょっこり帰ってきた佐久斗を僕たちは質問攻めにした。





「ただいま~」


 まだ誰もいない家に向かって声をかける。


 午後4時過ぎ帰宅。両親は共働き、妹は吹奏楽部でほぼ毎日部活なのでこの時間はいつも一人だ。僕は部屋着に着替えると早速VRのヘッドセットを装着して寝転がりAWOを起動。

 このゲームのいいところは横になってできることだな。とよく思う。システムはハイテク過ぎてよくわからないのだが、このヘッドセットをしてゲームを起動すると五感のすべてを疑似体験できる仕組みになっているらしい。自分のキャラクターを動かすのもコントローラーは要らず頭で考えるだけで(つまりは現実世界で手足を動かす感覚とほぼ同じに)動かすことができる。

 よくよく考えると結構怖い機械なのかもなと思わないこともない。が、今はそんなことはどうでもよかった。ログインログイン。

 サチはどうやら少ししたらインするらしい。今日はミスミさんのとこで防具ができてるか確認してそれから今後の方針を再確認だな。


「ユキヤ!」


「シホ、こんちは」


 僕がインするところで待っててくれたらしいシホに軽く挨拶する。


「今日は木星で薬草たくさんです!」


 こうしてシホの本日の戦果を見るのも日課のようなものだ。シホはずっとこっちにいるわけだが、一人のときは雑魚モンスターと戦ったり適当にアイテムを集めたり、スキルを育てたりしているようだ。


「ちわっす」


 声がして肩をたたかれた。サチだ。


「今日どうすんだっけ」


 と、サチ。そういえば昨日はいろいろあってやることぜんぜん進まなかったんだった。


「まぁ、まずはミスミさんとこいって防具受け取ろうよそろそろできてんじゃないかな」


「ちょっとまって、今日月曜だしたぶんまだインしてないよミスミ。平日は仕事してるはずだし」


 あ、そうかミスミさんは社会人のはずだからこの時間じゃまだいないか。どうも自分基準で考えちゃうな。


「シゴト?鍛冶屋さんですよね?ミスミは」


「ああ、まあそうなんだけどさ。今はこっちの世界にいないってこと」


「ユキヤとかサチと同じなのですね。シホもユキヤ達の世界いってみたいのです」


 …僕もできればそうしたいなぁ。シホと学園生活…悪くない、いやむしろいい!でもまあ無理だよな。


「ま、それはともかく、次の目標決めようか。こないだはグランドドラゴンに挑戦しようってことにしたけど、もうちょっと準備したほうがいいんじゃないかと思うんだ。どうかな」


 準備不十分で行って万一シホに何かあってもいけないしな、と僕は考えていた。普通にPC(プレイヤーキャラ)だけなら死に戻り位なんてことないが。するとサチも同じ考えだったのか、


「そうね、じゃあまずは土星に行くことを考えましょうか?」


 といってくれた。


「やったぁ。みんなで土星初めてですね!」


 えっと土属性相手には…木と金属性か…。今の装備だとどっちみち心もとないかな。まあ普通に探索する分にはそんなに困らないし、行くだけいってみてもいいかな。


「と、その前に金星に行って土星に行くための装備の素材を取ってくるか。金星なら今の装備でもいけるしな。いいかい、シホ」


「はい!みんなで冒険、なんだか久しぶりな気がするのです!」





 ~AnotherVENUS~


 この世界で金星はまばゆいほどに全体が金ぴかに輝いている…わけではなく、あらゆる金属、鉱石が取れる山が点在する星だ。まあ町には金ぴかな建物もあったりするが、その辺はそれぞれの趣味というものだ。


「えっと、金星来たはいいけどどこ行こうか」


 そういえば具体的にどのダンジョンを目指そうか。あいにく詳しくないや。また情報屋に頼るか。とちょうどそこに、金星棲息種族“ヴェーラ”の女性がいたので聞いてみることにした。

 “ヴェーラ”の特徴は額または胸に宝石が埋め込まれていることだ。宝石の色や形は人それぞれで、この女性は胸に、丸く、青色で透き通った色の宝石を持っていた。服装は薄布のローブに薄青色のベール、口元も布で隠しており顔はよく見えなかったが、目が切れ長で綺麗だった。


「えっと、すいません。金星に定住している方ですか?」


「…(わたくし)?」


 どうやら彼女はNPCだった。


「ええ、この星で道具屋と宿屋をやっていますのよ。何か御用かしら?」


「えっと、僕はユキヤ。連れのシホとサチ。僕達は武具の材料になりそうな素材を探しに来たんですけどどのダンジョンがいいとかあります?」


 店をやってる人なら冒険者から情報が入ってくることもあるかもしれない。そんなことを考えた。


「私はイリス。よろしくお願いいたします。で、情報でしたわね。そうね、有名なところではあの、遥かにそびえる山『マクスウェル山』なんてどうかしら。ただ難易度は高いらしくてこの間あそこから逃げ帰ってきた人を泊めましたわ」


「なるほど、どうするサチ、シホ」


 僕は一応二人に確認する。まあもちろん返事はOKだった。


「ありがとうございます。行ってみます」


「でしたら、せっかくですし私の店で準備をしていったらいかが?」




 道具屋兼宿屋『女神亭』。それがイリスの店だった。大きさはそれほどでもないが煌びやかな宝石類や金細工が飾られた奇麗な店だ。


「さて、何にいたしましょうか」


 僕達は回復薬(ポーション)をいくつかたのみ、


「ここらのモンスターと戦うときに持っておいたほうがいい物ってありますか」


 聞いてみた。


「そうですわね、この星には状態異常(バッドステータス)を与えてくるモンスターはあまりいませんわ。その代わりみんな防御力が高いから、攻撃力増強剤の類があると良いかと。この『ティタンの妙薬』あたりいかがでしょう」


「じゃあそれをいくつかもらおうかな」




 さて、準備も整い僕たち三人はあらためて『マクスウェル山』に向かうことにした。といっても今日はあまり時間も取れないし本格的な攻略はまた週末にすることにして、まずはマクスウェル山の麓のあたりまで探索してみるか。


「今日はとりあえず山の麓までいてみようか。攻略は週末にじっくりやったほうがいいと思うんだ」


「そうね、ダンジョンの難易度もそこそこ高いみたいだし」


 一応ゲーム内でも曜日の感覚はあるのでシホにも長くいられる曜日とそうでない曜日の説明はしてあった。


「じゃあ土曜日に攻略ですね。わかったのです」


 僕たちはマクスウェル山へ向かって歩を進めた。





 町を出てしばらく歩く。一応舗装された道はあるが、周りを見渡すとごつごつした岩が転がっており、まあRPGらしいといえばそうかもしれないが、わき道にそれるとかなり歩きにくそうだ。

 ただ視界はよく、モンスターが出てきてもすぐ気づくことができるだろう。と思っていたのだが、


「ん?」


 脇にある岩がうごうごと動き出した。岩に擬態したモンスターだ!


「気をつけて!何かいる!」


 僕たちは剣を構える。どうやら三匹のモンスターに囲まれていた。一匹はまさにゴーレムというやつだ。岩でできた巨大な人型をしたモンスター。残りの二匹は岩でできたトカゲのようなモンスター『ロックリザード』だった。これらの種族はほかの星でも岩場には生息しているが、出てきたのは金星特有の亜種らしく、体のところどころに宝石の原石や鉱石を取り込んでいる。


「いくよみんな!」


 サチの掛け声で、三人はそれぞれ最も近いモンスターに切りかかる。僕とシホはそれぞれ『ロックリザード』に、サチは『ロックゴーレム』に向かう。


「くらえ、疾風怒濤(ウェイブストーム)!」


 繰り出した無数の斬撃が水をまとい目標に向かっていく!ズババッとロックリザードを切り刻み、弾け、ドロップアイテムが出現。一丁あがりっと。周りを見るとシホも難なくモンスターを撃破していた。後はサチだが、


「とどめ!水烈斬(スプラッシュブレード)!」


 サチの剣が水をまとい極太の大剣となりゴーレムを両断した。


「ふぅ、やっぱりこのあたりの雑魚ならアイテムに頼ることもないね」


 いいながらドロップアイテムを確認。『エメラルド(小)』に『砂金の塊』…まあ、レアなアイテムは出ないかこの程度じゃ。


「マクスウェル山のモンスターってどれくらいのレベルなんだろうね。あと、どの程度のアイテムを目標にしようか」


 道々僕は話を振った。明確な目標を決めていなかったのだ。


「そうね、金属性の強武器を作るなら、それこそ『金塊』とか?」


「わたしは今の武器でも十分な気もするですけど」


 シホはそういえば会ったときからずっと同じ装備だな。水星でも火星でもしっかり戦えていた。そんなにすごい装備をしてるのか?


「シホの装備、見せてもらってもいいかな」


「はわ?いいですよ」


「これって…」


 僕とサチはそれを見て驚いた。


「光属性だ…!…防具は、闇属性!?」


 このゲームでは属性の最高位は光と闇属性であり、ほとんどの属性と対等以上に戦える属性である。ただしどの素材を使えば武器に付与できるか未知の部分が多く、この二属性を使用しているプレイヤーはほとんどいない。トップギルドのマスターは持っているらしいが、他に情報はほとんど出ていないのだ。

 魔法としては魔術師系であれば使うこともできるが、武具となるとやはりかなり希少なものだ。


「…サンライトソードか。やっぱり攻略にも出てないよ、この武器。防具はムーンライトクロス…。まぁ誰かがメイキングしたアイテムなら攻略には載らないけど(名前も自由だし)、でもこれってなんかそういうんじゃなさそうよね。シホ、これはどこで?」


「えっと?わからないのです…いわれてみれば最初からこの装備だったのです」


 シホが一人でやれてこれたのはこの装備のおかげだったのか。確かにこれらがあれば他の装備はほぼいらないな。特に弱点を突こうってこともない限り。


「…この世界で光と闇といったら太陽が司る属性よね。もしそれの恩恵が受けられればこういった装備も手に入るかしら」


 とはいってもさすがに太陽にはいけないし、まあそこは考えてもしょうがないところだろう。


「ま、なら問題は私たちの装備ってことね。ここでしっかり素材を集めて土星に行くための装備作りましょ」


「おー」


 なんとなく拳をあげてみる。ノリは大事だ。




 それからしばらく雑魚モンスターと戦いながら山の麓まで来た。


「えっとどうしようか。『中継地点(マーキングポイント)』設置しとく?」


 中継地点(マーキングポイント)とは、次にインした時に限り開始地点を設置した地点にできるアイテムである。インできる時間が限られたプレイヤーにとっては必携の品である。


「攻略を土曜日にするなら金曜日にここでまた設置すればいいし、今はいいんじゃない?とりあえず少し下見しましょ」


 マクスウェル山麓、正面にぽっかりと大穴が明いており、ここから中のダンジョンに入るらしい。マクスウェル山は連山のようで、周りを見渡すと岩山がかなりの範囲でそびえている。まあ今日のところは周辺の探索で終わらせるか、ということで少し周りを歩いてみることにした。ここに来るまでで出るモンスターはだんだん強くなってきていたし、レベル上げにもなるだろう。

 ぐぉぉぉお!とうなり声が聞こえた。早速モンスターのお出ましだ。岩山の影からのっそりと巨大な魔物が顔を出す。


「フィールドで出るモンスターでは最強クラスね、こいつは」


 サチがいう。サチはホントにこのゲームについていろいろ調べていて心強い。


「…白金魔人プラチナゴーレムか。なんかすごそうだね。いけるかな」


「何とかなるでしょ!」


「いくですよ!」


 僕たちはその全身が白く輝く巨人に挑む。


「まずは、水呪法(アクアスペル)!」


 サチが生み出した水弾を敵に浴びせる。が、


「ぐおぉお」


 ほとんど効いていないらしくものともせずにやつは向かってきた。


「…水属性効かないタイプ?ちょっちきびしいかな」


 僕も続いてやつに切りかかる。ガキンといういやな音。物理攻撃があまり通らないなこれは。しかたない。


「買ってきたアイテム使ってみようか!」


 僕はみんなに『ティタンの妙薬』を振りまいた。


「…すごいですこれ、力があふれるです!」


 そういってシホは一気に間合いをつめる。繰り出されるゴーレムの拳を難なくかわしながら、


「はぁあ!」


 その巨体に連続で斬撃を見舞う。見る見る敵の体力を削っていく。アイテムの効果は絶大らしい。もちろんシホの基本ステータスが高いこともあるだろうが。


「一気にいくわよ、火檄斬(フレイムブレード)!」


 サチは武器に炎をまとい一閃。ゴーレムを追い詰める。


「ユキヤ!」


 シホとサチがゴーレムの気を引いている隙にとどめだ!


「この攻撃力なら…!」


 僕はゴーレムの頭上に飛び上がり一気に剣を振り下ろす。


「でやぁ!」


 きれいにモンスターを真っ二つ。撃破することができた。


「ふぅ、終わったわね」


「アイテム買っておいてよかったです」


 このパーティはみんなスピードが高いロールを選択しているため、愚鈍なゴーレムタイプには相性がいいが普通なた倒すのにかなり時間がかかる。一時的とはいえ攻撃力増強アイテムも効果的だな。


「さて、ドロップは、と」


 強敵を倒した後の楽しみはやはりアイテムドロップ。ここまでのモンスターなら…


「白金塊に、ゴーレムの核?」


「それってレアドロップよ!やりぃ」


 サチの反応を見るとどうやら思わぬ収穫があったようだ。


「これがあると、土属性のいい武具が作れるわ。まあ金属性ではないから今の目的とは違うけどね」


 ま、なんにせよレアドロップはうれしいもんだ。さて、


「そろそろいい時間だし町に戻って解散しようか」


「えぇ~もうですか」


「ごめんねシホ、また明日も来るからね」


 強敵討伐にレアアイテムゲット。なかなかの満足感とともに僕たちはその日を終えたのだった。


 それから数日、似たような金星探索で、少しずつレベル上げとモンスターの知識を得、とうとう週末。僕たちはマクスウェル山に挑む。

ここまで御覧頂きありがとうございました。読了感謝!


さて、今回はちょいと現実世界も描いてみたり。番外でやろうかどうしようかと思ったのですがつなぎのねたもないし本編に入れてみました。ただ、僕自身高校生をやっていたころからすでに干支が一回りしているのでしゃべり方とか大丈夫かな、と少し不安だったりなんだったり…。


ま、結構楽しくかけたしいいかな!なんて。


さて、次回は!また、難ダンジョン攻略の予定です。いやこの展開がすでに実は予定外…。もっとさっくりラストまでと思っていたけど書き始めるとなかなかどうして長くなってきますね。


開始点と終点はあるので間を線でつなぐだけのはずなんですけどすっかり蛇行しております。

それが作品の魅力になってくれればいいな、と思いつつ、今回はこれまでとさせていただきます。


ありがとうございました!あ、評価等々いつでも待ってます!

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