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1   箱の中の娘

 ふと気が付くと私は真っ白な空間の中にいた。


 ここはどこで、なぜこの場所にいるのか分からなかった。・・・それどころか、


 ーー私はどこに住んでいたんだっけ?

 ーー私はどんな食べ物が好きだったんだっけ?


 ・・・記憶が零れ落ちるような感覚がした。


 (・・・いや!!忘れたくない!!)


 どれだけ念じても止まることはなかった。


 ーー私はどんな特技をもっていたっけ?

 ーー私は・・・。


 (こわいこわいこわいこわいこわい!!)


 私は不安になる心を必死に抑えて周りを見渡す。

 せめて、忘れる前に記憶を記録に残しておきたかった。


 よく見ると空間の中央の大きな箱の上に本とペンが置かれていた。


 私は急いでその本に『記憶』を書き込んだ。


 ーー私の事・・・家族の事・・・。

 ーー私の・・・・・・私は・・・。

 ーー・・・・・・。

 ーー・・・。



 ふと気が付くと、私の頭の中身が空っぽになったように感じ、『何かが書き込んである本』をただ茫然と見つめていた。



 辺りを見渡し、よく見てみると真正面の壁に扉があった。

 とりあえずここから出ようと扉を開けようとした・・・けど。


 (開かない・・・。)


 ただ単純に力がないだけかもしれないけど何か不思議な力で抑え込まれているような・・・そんな感覚がした。

 その扉をよく見てみると何かが光って映っていた。


 『310996810』


 私にはこれがどういう意味かは分からなかった。でも、なんとなくこの字は写しておかないといけないような気がした。私は置いてあった本をめくり、それを空白の部分に写した。


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