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守護者との会敵3

最後の晩餐を済ませた次の日。司とトリシュは目の覚めた草原へと向かっていた。


「なんでわざわざこんな所まで来て殺しあうんだ?」


「マスターの攻撃はともかく私の攻撃は、少なからず街に被害を起こします。それは避けたいですから」


「知り合いがいればそうなるか」


「それにですね・・・・・・」


バイクで走りながら右手で槍を持つと柄の部分を司の腹部へ放つ。予想はしていたこともありそれが当たる前に素早くバイクから飛び降りて草原に落ちる。


「がっぷっ・・・・・・!」


「あそこの人たちに誰かが死ぬのを見て欲しくないからです。マスター」


口に入った土を吐き出しながら右手に小型の蛮刀を作り出し構える。


「まっそれもそうだな。今回は昨日みたいにボコボコにされるつもりはないからな?トリシュ」


「あれだけのこと昨日されてよくもまあ・・・いいですよ貴方が完全に折れるまで付き合いましょう」


槍を構えて一気に距離を詰めるトリシュに対して司は左手で持った蛮刀を右から左へ薙ぎ払う。滑り込むように司の蛮刀を避けると槍柄を腹部に挿し込む。


「ぐっ・・・・・・」


呻き声を上げながらも、空いた右手にも蛮刀を持たせて振り下ろすが、槍先に勢いがつく前に止められはじかれる。


はじいた槍先を勢いを殺さずに刺すようにではなく、薙ぎ払うように右肩部に当てる。


「なっばあっ!」


右手から新たな蛮刀を出しつつ、損傷のない左手の蛮刀を先ほどとは逆方向に振る。


「振る方向が一定過ぎる。だから読まれますし、当たらない。もっとタイミングをずらす努力を」


「ちっ・・・分かってる!」


左手の蛮刀を避けることはなく柄側ではじき飛ばす。


右手の蛮刀を投げつつ後ろに飛び下がるが、トリシュは投げた蛮刀をはじこうとはせず、そのまま司へ近づく。


トリシュに蛮刀は刃の裏側部分が身体に当たるだけだった。


「(裏側にも刃があったら決まってたのに・・・向こうのほうが実戦回数が多いんだからそれぐらい出来るか)」


素早く距離を詰められるものの、司も黙っているわけではない。


先程よりも大きく後ろに飛び下がりつつ両手に蛮刀を呼び出す。


「出来るようになったばかりでそこまでよく出来るようになりましたね!マスター」


右の蛮刀を逆手で持ち、槍先の刃と嚙みあわせる。単純な力だけだった僅かに耐えれるようだ。トリシュはまだ全力を出していない。その間に出来るだけ癖を覚えるしかない。


「(敵対する前にも何度か打ち合ったが、あの時は武器なんて出せなかったしカオちゃんやチェンちゃんがいたからな。今とは状況が違う。経験値は実質ゼロみたいなもんだ)」


本当に僅かに抑えただけだったので、すぐに右手の蛮刀は空へと飛んでいく。


勿論予想はしていたことなので、トリシュの懐に飛び込んで腰をしがみつく。


勢いで倒れこむ2人だが、先に動いたのはトリシュだった。


膝を司の鳩尾(みぞおち)に挿しこみ吹き飛ばす。


「ぐふっ!」


「あなたがもう少し早く反応出来たら、よく出来ましたねと言えるのですが、自分からやっておいて、相手より遅いというは問題ですね」


「・・・悪かったな。昨日の今日で強くなれるのはお前みたいな奴だけだよ!トリシュ!」


左手の蛮刀を立ち上がるとすぐに振り下ろす。運良くその時には槍が少し離れたところに転がっていた。これならばいけると見たのだろう。


蛮刀が地面に落ちると当時に司の身体も遠くで落ちた。


「何が・・・・・・?」


右腕肘を前に突き出してトリシュは立っていた。


「武器だけじゃないですよ。私は」


「(調子に乗った・・・!なんでそんな簡単なことを忘れてた?実戦経験が多いなら素手での攻撃だって出来るはずなのに・・・!)」


武器を呼び出そうにも出てこない。槍を拾われたら終わりだ。


2度目の鳩尾攻撃を受けて身体を揺らす司だったが、立ち上がると右手を強く握りトリシュに向けて放つ。


空気銃(エアガン)!」


身体を逸らしてその衝撃を避けたが、弾速が遅くても空気の塊を出しているわけなので、トリシュも反応が遅れたようだ。


「・・・・・・いつ出来るように?」


「見よう見まねだ!まっちゃんはできるからな!ニアたちもそれに近いことが出来るんだから俺に出来ない通りはない!(運良く出来ただけだけど)」


まだ司は戦う力がある。そう判断したトリシュは槍を拾いに後ろに下がる。


「させるか!」


見よう見まねの空気銃(エアガン)を連続で放つ。

弾の方向を考えず放ったのが逆に良かったようで、槍が遠くに飛んでいった。


「けっ!さ、第2ラウンドだ。互いに武器がねえからいい勝負になるだろ!」


司は痛む身体を押してトリシュに突っ込んだ。

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