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作戦13

どう攻めてくるか。それを頭の中で考える。


時間がかかるようであればあの足のままこちらに来たことになる。対処は簡単だ。壁で隠しているのはただタイミングをずらす。それだけのためだ。


いくら一撃が遅くても視界以外から攻撃が飛んでくる可能性があるのならば、少しでも可能性は減らしておきたい。


オリジナルは右腕に取り付けた刃が付けられた剣のようなディスクを伸ばしてそれの上にカードを取り付ける。


「(トリシュの時、殺すのを躊躇った。ならば自分の使い魔を狙う時も多少の躊躇いがあるはずだ。それで時間を稼ぐ)」


2体の使い魔が現れる。カオちゃんとチェンちゃんだ。微妙に姿が変化しているのは使い手が違う表れか。


2体を後方左右に展開し、死角を可能な限り減らす。


さあどう来るか・・・頭の中で対策を高速で練り続ける。


これならいけるか?いや危険だ。川の流れのように多くの対策が流れては消えていく。


目の前の壁が開かれる。馬鹿正直に直線で来たか・・・。


ディスクブレイドを壁から出てきた司へ撃ち込む。あの身体で避ける事など出来るわけがなく。弾を直接、そして受身も取ることが出来ないまま倒れ込んでしまった。


「(手応えはあった。だけどそれにしてはあっさりしている。本気で女2人を助けにきたのか?敵の武装も何も考えずに?ブラフか?)」


壁を盾にするように隠れながら司の身体を見ると、それは司ではなかった。


「(あいつ、あの状態で使い魔を呼び出したってのか?いや無理だ。あいつはブックスがなければ召喚できるはず・・・)」


現にしている。出来るはずがないと思っても、実際にしているのだ。警戒と考え方を即座に変える。


空いた壁から覗くと試作品5号(プロト05)試作品6号(プロト06)が薄い壁一枚先にいる。破壊しようと思えば出来る。(ゼロワン)の状態を知っていれば、挟まれたところで気にするほどでもない。


2体の使い魔と共に2人の試作品(プロトタイプ)は突撃する。


視線を右にずらすと、トリシュが入っているであろう囲いがあった。無理でも起動させれば問題ないが、逆上されてパターンを変えられるのも面倒だ。そのまま放置する。


ディスクブレイドに弾丸を素早く入れつつ壁を切り裂く。その間に左右から使い魔たちに襲わせる。


「・・・・・・くっ」


「・・・・・・あぁ」


見えていなかったのか、別のものに意識を向けていたのか、それは分からなかったが、簡単に攻撃は届いた。


———こちらも軽い。手応えという意味ではなくゼロワン()の時のように感じる。


——————カオちゃんとチェンちゃんに探させるが反応はない。


僅かに足元が揺れる。飛び上がりながら後ろへ退がる。


「無駄」


「それぐらいの距離なら」


2人が這い出てオリジナルの足を掴む。それに対応しようと武器を2人に向けるが、背後に気配を感じた。この状況で後ろに行けるのは1人しかいない。


「ゼロワン!」


使い魔を司に飛ばしオリジナル自身は足元の試作品(プロトタイプ)たちを薙ぎ払い足を自由な状態にする。


振り返ろうとしていたが、身体を前に向ける時には斬られると判断したオリジナルは右手のディスクブレイドのスイッチを押しつつ、身体を捻る。


カオちゃんとチェンちゃんの槍と鎖が司を襲うが勢いを止めることは出来ず、右手の小型鉄塊を振り下ろした。


ズシャアアアアアア!!!!!


血飛沫が上がる。司の顔をその血が濡らす。勝ったと確信した司は顔を上げた。

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