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作戦7

「まだまだぁ!!!!!」


「さあどうする!また距離が離れたよ!」


お互いに壁にめり込んだ身体を奇妙な音を立てながらなんとか脱出してもう一度飛び込み合う。


拳を拳が防ぎ。拳が拳を飛ばし。身体を飛ばしあう。


骨が砕けていく。血が目に入り視界が狭くなる見えても赤くなり景色と同化する。


鉄屑の拳!(スクラップフィスト)


ただの拳を勢いとともに飛ばす。反対にゼロワンはその場で左腕を引いて力を溜める。


散弾銃単発式!(ショットガンスラッグ)


溜めた腕を前に突き出しゼロツーの拳にぶつけ合う。


当てたところではゼロツーが押していたが、やはり足を付けて支えになっているゼロワンの方が優勢か。


負け始めたところでゼロワンを蹴り飛ばし床に足を付けてそこからもう一度右拳をゼロワンへと飛ばす。


蹴りで身体がずれるがその衝撃を利用して身体を回し蹴りで薙ぎ払う。


蹴りが腕にあたり拳は空を切る。


空を切った腕の上から左拳を繰り出す。


足はまだ床に付いておらず、回避が行えない。これは入ったと確信して近づけている腕への力をさらに込める。


だがそこでゼロツーがビクンッと震える。右腕を背中回しで左腰からナイフを飛ばした。体勢からして勢いはないもののそれでも刃物だ。同じ勢いの拳とでは天と地ほどの差がある。


決まったか・・・・・・とゼロワンは仕留めに近づく。


それがゼロツーの運を呼び込んだ。なんとナイフが刺さったまま勢いをわずかに殺す程度でゼロワンの右顔面を抉った。


ゼロワンは仰向けにゼロツーはうつ伏せに倒れこむ。お互いに限界が来ていたのだろう。立ち上がろうにも身体が動かない。


「・・・・・・くっ。かっ」


「負けるわけには・・・・・・」


うつ伏せのまま身体をゼロワンへ近づける。反対にゼロワンは身体をゼロツーから離す。


「待てよ・・・・・・」


「待てと言われて待つやついるの・・・・・・」


そこで銃声が部屋に鳴り響く。それと同時にゼロワンも倒れ動くことはなくなった。


「ゼロツー!」


フードを付けて顔を隠したまま試作品5号(プロト05)試作品6号(プロト06)はゼロツーの元に近づく。


うつ伏せのゼロツーの身体を仰向けにして腹部のナイフを抜くとすぐに応急手当を行う。


「ゼロワンはどうなったの?」


「・・・・・・下がれ・・・まだそいつは」


「それって——————」


試作品5号(プロト05)が言い終わる前に試作品5号(プロト05)は消えた。


否、消えたというのは間違いか。連れていかれたという方が正しいか。


「ボクの前に女を連れてくるとは殺して欲しいと言っているのかな!」


「ゼロワン!あんた!」


「そこを動いちゃだめだよゼロツー。動いたらこの女の首をへし折る。まっ、へし折ったところで蘇生出来るから止める理由になるかわかんないけどね」


「さっきまでのあんたはどこいった!この現状を作ったのは自分じゃないと言っておいて、実際はお前がやったんだろうが!」


「ボクに同じ人間を殺す趣味はないよ。ただ女は気に食わないだけ。だだ殺す例外はない。いいね?そこで見ていればいい。この子を殺したあとゼロツーの隣にいる子も殺す。以上だ」


試作品5号(プロト05)の首の軋む音が強くなっていく。悲鳴も上げれずにフードから見える顔や手足が赤くなっていくのが分かる。酸素が足りなくなって来ているのだろう。


このままでは首が折れる前に死ぬ。どうにかして止めなければ・・・・・・。


「——————つ——————」


銃を呼び出し狙いも定めずゼロワンの腹部に突き刺さる。


「ガフッ!」


無理をしてでも隙を作ったのだ。遅れれば試作品5号(プロト05)は死ぬ。戦力の低下は避けたいのでここでゼロワンを止める。


ゼロツーは首に痛み止めを打ち込みゼロワンへと走り込む。


そこで左拳を強く握ってゼロワンの顔面へと飛ばす。


星屑の拳!(スターダストフィスト)


それを1回だけではない。何度も何度も繰り返し打ち込む。星屑の拳(スターダストフィスト)だけでいくつも拳が相手に届くのだが、それを打ち切る前にもう1つの|星屑の拳《スターダストフィストを出すことで休みのない連続攻撃を行った。


「ガッぐっげっバッドュ!!!!!!!!!!」


十数回繰り返したところで、重い一撃を叩き込み壁へと吹き飛ばした。


ゼロワンは身体全身を赤く濡らしながら笑みを浮かべつつゼロツーへと言葉を飛ばす。


「ごふっ・・・・・・今、ここでボクを倒してもムダだ。ツカサが生きている限り。そして女性が生きている限りボクは何度でも出てくる。それを忘れないでね」


「その時は俺がゼロワンの目を覚ませてやる。この拳———本当のあんたから教わった技でな!」


身体から魂が抜け落ちたかのようにゼロワン———司の身体は崩れ落ちた。それはまるで虫の息になっていた司のようにもゼロツーには見えた。

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