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プロローグ06

 うっひゃあ~やっべえ。そんなことを呟きながら、司のバイクはどんどん飛ばしていく。まるでその姿は何処かの、世紀末の人の1人みたいだ。ウイィィィ!とか言っても問題なさそう。

「(ああ~何であんとき電話しなかったんだあ~全く。行くことで頭がいっぱいいっぱいだったからなあ。どうしよ。帰ったらモモに説教喰らう羽目になるしなああああああ)」


 司は若干涙目になりながら、さらに飛ばしていく。青い服のおじさんに捕まったら大変だ。ちなみに今はもう、夜だ。残業していればまだ会社にいるかもしれないが、大体の人は、もう家に帰って家族団らんでいることだろう。てか、そんな時間まで働かせるなんて、労働基準法とかどうなってんの?あっ、これは一部の国だけか。あっても、特別社員にそんなルールはない!ってことなのだろう。ドンマイとしかいいようがないね。

 

青い服のおじさんに見つからずにこの速度で行けば、家にはもう数分で着くだろう。まあ、一般レーンでこんなには飛ばせないから、結局は十数分かかるが。

 

そこで、司は大事なことを思い出す。モモやクルミのこともあるけれど、明日の宿題が数学のプリントだったことだ。カオルがリュックは持ってきてくれたけど、そん中に何が入ってるとかは一切合切言ってないし。司は丁度良くあったサービスエリアでリュックの中にプリントが入っているか、確認する。ガサガサガサガサガサガサ……ないね。本当にない。


 司はリュックを閉じて家ではなく、学校へ飛ばすようだ。家に居たって勉強しない上早く帰らないと、モモ達に酷く怒られるだけなのになんでやろな。バカなのかな?バカなんだろう。


 高速レールはこういうとき便利だ。金はかかるけれど、その分ちょっと遠いところに急いで行こうとするときは本当に重宝する。


 青い服のおじさんに見つからずに学校に着いた。後は教室にあるはずのプリントを取って帰るだけだ。こんな時間に生徒が学校にいると、明日何か言われかねないし、とにかくめんどくさい。さっさと取るもの取ってBダッシュだね。


 司のクラスは職員室とは逆方向なので、見回りやトイレに出ていなければ、よっぽどの音を立てない限り、まず見つかることはない。


 教室に上がった司は自分の机からプリントを取る。けどさ、何でプリントだけカオルは置いてったんだろう。他の荷物は全部はいってたのに。

「はぐっ!?」


 司は右足の小指を机の角にぶつけてもがきだした。ふんぎゃああ!とか声でてもしょうがない打ち方していたけれど、そこが、司クオリティ。走って息切れしたとき程度の声に抑えている。凄いなあ。

「つ~~~(急いで上がる為に上靴履かずに上がって来たのが仇になったなあ……)」


 けど、それでも立ち上がり進みだす。涙目の司、頑張れ。きっと、明日いいことがある。

「さてと、痛みもそこまで感じなくなったし、さっさと帰りますか……ってなんだありゃ?」


 グラウンドに誰かがいるみたいだ。ものすごい速さで動き回ってるし喧嘩かな?けどそれじゃあ教師達に見つかりそうだけど。けどこれなら、多少の音を立てても気付かれずに行けそうだ。


 靴を履き、少し迂回してバイクに乗ろう。まだ、司の衣服は黒い制服だ。変に目立つことしなければ、喧嘩の音で掻き消えそうだな。

「よし、このまま行けば……」

「誰だ!そこにいるやつは!」

「ヤバっ!?」


 見つかった以上、走って逃げた方がいい。そう司は判断し、自分の出来る限界の速度で、バイクに向かって走り出した。校舎内に逃げるという手段もあったけれど、それは教師達に被害が出るかもしれない。まあ、元からバイクで逃げるつもりだったから、結果的には、校舎内に逃げなかった。


 男は速い。多分、オリンピックとかに出れるぐらいの速さだ。そんなやつから逃げれるわけがない。普通なら、だけれど。

「(この状況で出して五秒持てばいい方だっ!)こい!召喚契約。カオちゃん!可能なかぎりでいい。耐えてくれ!」


 司が唱えたあと出てきたのは、縦に回転するよく分からない球体だ。名前があるところから見ると、これから人型に姿を変えるのかな?

 

 回転が収まった球体からは、申し訳程度の腕と足が出てきた。うーむ。なんかで見たことあるなあこれ。けどあれは、今司の前で浮いているやつとは違い、ちゃんと足が地面に着いていたし。


 カオちゃんと呼ばれる球体はグギャア!と小さく男に威嚇する。けど、効いてない。まあ、しょうがないね。人の顔よりちと、大きいぐらいだし。


 カオちゃんは男に地面にひびが入ってもおかしくないぐらいの拳を顔面目掛けて殴られるが、それを耐えしのぐ。まあ、吹き飛ばされているから、無傷とはいえないが。吹っ飛ばされてる時点で耐えしのぐって言葉はおかしいな。


 カオちゃんは一秒しか耐えなかったが、たかが一秒。されど一秒。その一秒が司の運命を大きく分けた。喧嘩をしていたもう1人の方が追いついたのだ。司の味方ではないけれど、カオちゃんと同じように、壁になってくれた。

「(よし!今しかない!サイドは明日取りに来りゃあいい!)」


 司はサイドカーを外して、高速レーンに逃げていく。


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