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作戦

悲鳴と怒涛と銃声が絶え間なくビル中を駆け巡る。


迎撃しているのも襲撃しているのも、ほぼ例外がないほどに子供ばかりだった。迎撃側は容姿がほぼ変わらないものたちが人形のように無表情で弾を襲撃者たちに向けて放つ。


「機械みたいで面白くねえな!作戦通り2人は上に行け」


「この弾幕の中行ったら蜂の巣確定だよ!せめて弾がこちらに向かないようにロックを引いて!」


ハチは舌を鳴らすとジャンプ台で飛んだのかと思うほど空高く飛び上がると、先頭の子供を背中の鉄塊を使って横薙ぎで切り裂いた。


表情はそれでも変わらなかったが、肺に衝撃が届いたことで悲鳴に近い何かが漏れた後、壁に吸い込まれていく。


「まだ生まれて間もないだろうに・・・逆に考えればなにかを知る前に死ねているからそっちの方がいいか」


その言葉を最後にその腕の鉄塊ですり潰していくが、ハチの方向に銃弾が飛んでくることはなく、相変わらず司たちの方向に発砲していた。


「狙えば当てられるだろうに何故こっちを狙わない?」


『もしかしたら上の命令そのままの行動しか出来ないように設定されてるのかも・・・だから上からの命令がなければ例え目の前が危険でも放置するってことかな?』


気に食わない。もう少し道具としてみているのなら十分殺害理由に繋がるのだが、ゼロスリーの話が事実ならば、殺しても意味がない。殺し損だ。


「・・・・・・武器だけ壊しゃいいだろ。もっと見たくない景色になるだろうがそんなこと知っちゃこっちゃねえ」


やる気もない鉄塊が子供達の銃を擦り壊して銃声を止めた。


「背後を取られるのはまずいだろ?俺はここで敵が来ないよう見張っておく」


3人は各々に言葉を返すと階段を使って上に登って行った。



「あいつらの位置から見えなくて良かったよ・・・・・・SAN値とかそういうのじゃねえ。もうこりゃ生物でも道具でもねえ・・・・・・」


鉄塊を背もたれに使い床に腰を下ろす。その前に見えるのは、弾の出ることのない壊れた銃のまま先ほど司たちのいた方向に空撃ちしていた光景だった。


「これならまだBOWの方が道具としても生物としてもいいよ。ただこちらの士気を下げることしか考えていないやり方だよこれ・・・」


エレベーターから到着時になるベル音が鳴った。監視カメラが付いていないわけがなかった。


のらりふらりと鉄塊を持ちながら立ち上がる。歯を鳴らし苛つきを隠さずエレベーターの方向を見る。


「今すげえイライラしてんだ。お前らぐらいはまともな戦闘力あるのを期待するぜ!」


扉が開くと同時にその間に鉄塊を差し込む。限界に近い人数が入っていたのだろう。手応えを1人ではなく、数人感じた。


次は向こうの攻撃とばかりにエレベーターの中から銃弾が飛んでくる。鉄塊を盾に使いつつ殺した敵の銃を奪いそれを敵に向けて撃つ。


「(さっきのとは違ってちゃんと自分で考えるみたいだな。こりゃストレス発散出来そうだ)」


角度の関係でハチに弾が届くことはなく、一方的に撃たれて床に身体を落としていく。


遅れて別のエレベーターが左右同時に開き中央にいるハチを降りるや否や即座に囲いつつ弾を撃つ。


『後方6人その内2つが徹甲型だ。鉄塊のみに頼るなよ』


松長の声が右耳に響く。片眼鏡型の機械についている音声機能から出ているのだろう。


「まだエレベーターからは出ていないか?」


『直視ではなくデータ上のものでしかないから細いところまでは不明だが、全員は出ていないのことは確実だ。エレベーターの到着地が違うのなら話は別だが』


「んなら問題ねえな。あらよっと!」


ハチは後方のエレベーターに向けて自分の乗っているエレベーターの壁を叩くように押す。ガガガガッとドリルで穴を開けるかのような音がハチが触った場所から鳴り響きそれから数秒後にはギィシャ!!!!!と変形音と砕ける音が混じった狂音がなると、僅かに悲鳴が聞こえて消えていく。


「データは渡してたってのにこの対策法も用意してなかったのかよ。つまんねえ。つまんねえな!これならゼロワンとやってる方がまだ楽しいぜ!ま、だからあの女どもが必要なわけだがな」





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