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更に時が経ち・・・

「・・・・・・主任、お身体の方は・・・?」


「キノと比べりゃましさ。トリシュも加減してくれていたけど、お前は右腕の粉砕骨折だろ?まだ1日も立っていないのに動かして大丈夫なのか?」


「パワードスーツのおかげで固定しながら動かすことが出来ますから問題ありません。それに私なんてまだ良い方です。テンジは・・・」


矢で穴の空いた司の家で司と木下は現状についての話をしていた。


「だが、テンジの行動のおかげで俺は今こうして生きている。あの時あいつが刃物と思わせながら薬品を俺に使ってくれてなかったらいくらトリシュが加減してくれたとしても、二度目のゆっくり刺すやつに耐えれなかっただろうさ」


腹部をさすりながらどうするか考える。司たちはこういう状況なのでゼロツーたちに攻められたらひとたまりもない。彼らも負傷しているのは知っているのでゼロツーたちというより、ハチの方が考えられるか。


「いやあ改めてこの家に来た訳だが、すごいな・・・訓練施設まで内蔵されてるとはな!」


ゼロツーが右腕を包帯で巻き固定している状態で入ってきた。


そのあまりにも・・・いや違う。年相応な表情を見て司は腹を抱えて笑ってしまった。当然痛みも付いてくるのだが。


「いっっっっっ・・・お前にもただの戦闘以外の感情あったんだな!」


「なんだよ。悪いか?」


「いやいや違うんだ、いつつつ。ただ子供っぽい所があることに驚いただけだ。年齢は俺とそんなに変わらないんだなって」


「ゼロワン・・・」


それに続くように松長も部屋に入ってきた。怪我は見える範囲ではなく、安心した表情を司は浮かべる。


「ん?あ、俺が怪我してないのはトリシュと瞳さんのおかげだからな。だから、救助しにいくぞ」


「ちょっと待って今の戦力でどうやって?向こうは会社をここまでやってきたんだぞ?無理に決まってる」


「かもしれんな。けどさ俺、誰かの恩を買ったままっていうのは嫌いなんだ」


「だからって無謀だろ」


ゼロツーの目つきが変わる。先程までの年相応な表情はどこにもなく、いつものものに戻った。


「ゼロスリーやハチたちの協力も得ている。つまりはお前が会った全ての試作品(プロトタイプ)は全員味方ということ」


「分かりやすく言うと、捨てられたから有用性を示して戻るためっていうやつだな」


「それなら・・・いけるかも」


向こうが行った破壊行動とは違い、トリシュと瞳のみを救助するために攻撃する。損害もそれほど出るものではないだろう。


木下に肩を借りながら一階のリビングに降りハチや雷電たちと合流する。部屋の角には試作品5号(プロトゼロファイブ)試作品6号(プロトゼロシックス)がフードを被ったまま腰を下ろして寝ていた。


「(初めて入った家なのによく眠れるな。それともここにそれだけ慣れているのか?)」


「みんな集まったな・・・・・・ファイブ、シックス。眠いのは分かるが起きてくれ」


「・・・・・・むっ・・・」


まだ寝ぼけているようだ。松長はため息を吐くと「彼女たちにはまた後で説明するから、とりあえずお前らには言っておく」と作戦会議を始めた。


「作戦としてはまずは、司とゼロスリー、ハチと雷電の4人が先行して本部に向かってもらう。そこで雷電は敵の注意を引きつける。本当は戦闘は最小限にして2人のところに全員で行きたいが、まだ瞳さんと雷電のパスがつながっている可能性もある」


「現場で敵戦力が増えるのは避けたいですからね。雷電さんには厳しいものですが、お願いします」


「悪いな。不確定だがもしもの事を考えてだ」


「俺が決める事じゃないし、ただ俺はみんなが考えてくれた作戦をやり通すだけだよ。続けてくれ、まっちゃん」


「ああ。そういうことで3人で2人を助けてもらう。ゼロツーとファイブ、シックスは第2陣として15分後に出てもらう。なぜ時間差攻撃かというと、本音のところ武器の生産がそれぐらい遅れそうなんだ。だから補給兼増援として3人に行ってもらう」


「とりあえずはわかった。なあまっちゃん。ロールアウト前のあれ、壊れてないか?」


「あのパワードスーツか?汎用性が低いから・・・」


「それは販売の事の話で砂漠とかの暑くて防塵対策が必要だからだろ?ここ限定でなら即座に使えないか?」


「確かにここの環境なら空冷式でもいけるとは思うが」


「なら使う。キノ、会社にいくぞ。あれ取りに行くからな。みんな、現地でまた会おう」


司の身体はボロボロだが、パワードスーツがあればそこを補える。多少なりとも戦力の増強になるはずだ。


そういう判断で司は一度会社に戻って行った。

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