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1週間目(11)

むかーしむかしの事です。とは言ってもそう昔でもない時期。


1人の少女は自分の研究に悪戦苦闘していました。それは何故か?


それは人が触れては、近づいてはいけない禁忌の研究だったからです。


生物を使えばもっと効率よく行えるでしょうが、彼女はそれを良しとはしません。


故に苦戦していた訳だったのですが・・・・・・。


そんなある日の事です。ある人に似た何かがやってきました。周りの研究員たちはそれを見るや否や、それから逃げて行きます。


しかし少女はその人を見て挨拶を交わします。何かは覚えていない、分からないという表情を浮かべると、殺意と共にこちらに拳銃を突きつけます。


「情報を流せばとりあえずは殺さないんでしょ?情報は渡す。とりあえずは落ち着こ?ね?」


少女は突きつけられた拳銃が見えていないのでしょうか?いいえ、違います。危険な時こそ冷静になって考える。それが自分の身を守ることに繋がります。


もちろん言葉だけでは意味がありません。相手に信用してもらう事。それも重要な事です。


「まあまあ、座ってお茶でも飲まないかい?そういや周りの人が逃げたけど誰か殺したのかい?」


「・・・・・・殺していない。アンタに伝える事があると伝えたら通してくれた。他の研究者は忙しくて逃げだけのようだな・・・って口が・・・」


「キミの心には見えているからさ。ボクが敵じゃないってね」


一度少女は立ち上がりポットに向かい湯を急須に入れると湯呑みと共の席に戻ります。


「セイロン茶とかの紅茶系統はちとないけど、緑茶ならある。飲まないかい?和菓子も一緒にね。あと念の為言うけど毒は入ってないよ。こういう擦り切れる仕事だと甘いのがないと死んじゃうしね〜」


「・・・・・・殺されるかもしれない相手に菓子を出すのか?あと信用があるとでも?」


「キミの追っている人の情報とキミの反攻行動資金の提供。これをすると言ったら、お茶に付き合ってくれるかい?」


少女の言葉に反応する人を見て少女は笑顔で答えます。自分の身のことは考えないのでしょうか?


人は話を聞いてから考えると言うと、椅子に腰かけ

ます。


「それであの男の居場所は何処なんだ?」


「まあまあ、まずはそれを一口でいいから食べて」


「答えたら食ってやる。先に言え」


しょうがないなと洩らすと背後の机にあるファイルを投げ渡します。


「そこにボクが知っている情報全てを載せてる。とりあえず全部見たら食べてよね?キミに従ったんだからさ」


警戒心を隠さず少女をチラチラと時折見ながらそのファイルを見ていると、口を開いて何やら言ってきました。


「この情報は本物か?」


「今までまともに情報取れなかったから制圧していったんだもんね。そりゃ疑うのも無理はないか」


「どうなんだ?」


「ボクが調べられるものは全部そのファイルに入れたよ。間違ってたらそこは謝るよ」


その人が尋ねた理由はそのファイルに載った人がいる場所は少なくとも通常の方法では行けなかったのが原因なのでしょう。少女の言葉を信じておらず、銃を向けます。


「マッドな人だからそういうところにいるって事。キミがボクの仕事を手伝ってくれたらその場所に行くための資金を提供するよ」


「・・・・・・条件による。聞かせてくれ」


座り方を変え、お菓子を片手に少女を見つめます。


「まずはこれを見て」


プリペイドカードを座っている人に投げ渡します。


「それが前金だ。依頼成功一つに対してその前金と同じ額をキミに支払うつもりだよ」


「ジンバブエドルじゃないよな?」


「今は使われてないよあんなの。ちゃんとしたアメリカドルのドルさ」


「内容を聞かせてくれ」


その内容は・・・・・・人体実験の被験者として参加するというものでした。中々行えない実験である以上、一度で多くのデータが取りたいのは分かりますが・・・・・・。依頼を聞いている人も狂気を少女から感じましたが、ファイルの中の人の情報やそこに行くための資金などの事もあり、舌を鳴らしこそしますが、その依頼を嫌々受けることを決めました。

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