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3日後8

ゼロツーとゼロスリーは普通なら———ここでの普通は運動系の学生が基準だ———6人・・・いや8人前はいく量の料理を口にしていた。


それを作ったのだろう日焼けした男が司にコソコソと話していた。


「なあ、あいつらお前の友達なのか?育ち盛りなのはいい事だが、食い過ぎじゃね?」


「その分だけ運動してるし問題ないでしょ。話戻るけど、すまないな。夜食にはもう遅くて逆に朝食の準備だってあるだろうにさ」


「ただ捨てるだけの物を使っただけだ。気にすんな」


どうして敵のゼロツーとゼロスリーが食べていて司が若干引き気味なのか。それは少し時間が巻き戻る。時間的にはモモが部屋を出たぐらいだろうか。

—————————————————————


「おっ、探したぜ?ゼロツーに・・・ゼロスリーも?」


瞳の襲撃時にはいなかったはずのゼロスリーだが、そのあと合流して援護してくれたのだろうか?


「お疲れ様〜ゼロワン。妹さんは無事かな?」


「俺たちの方がそれに関しては詳しいだろが、ゼロスリー。それでなんで俺を探していたんだ?」


「そりゃあ決まってんじゃん。お礼だよお・れ・い」


司の言葉が意外だったようで2人は動きを止める。


「なんか変なこと言ったか?」


「念の為聞くけど僕たち敵だよ?それに君を助けるのは家だけって話しだった筈だから、もしかしたら今ここで君を殺すかもしれないんだよ?」


「そういう言い方をしたらこれはしないよって言っているようなものだろゼロスリー・・・」


「2人がそういう奴なら家から出た後も援護なんてするわけないし、ここからすぐ出るだろ?だから話し以上の事をしてくれたのだから、お礼は当たり前じゃん」


とは言ったものの、何かお礼になるようなものがここにはあるだろうか?勿論、司たちが使っているもののデータを渡すとかでも良いだろうが、彼らがそれを望むとは考えにくい。もしそうなら、「助けたお礼にここのデータくれ」と言うはずだ。特にゼロスリーは。


向こうも何かを欲しがっているわけではないのは会話の中から誰でもわかる。だとするなら・・・・・・。


「なあ2人とも腹減ってないか?それぐらいなら問題ないと思うんだが」


「でもこの時間だと軽い物しか食べれないよね?」


「やっぱダメか?」


「バイトが終わってその帰宅中だったからお腹ぺこぺこなんだよねぇ。だからがっつり食べるようになるけど・・・」


誘惑と戦うゼロスリーを見て、あっ。これマジな奴だなと、財布に手を伸ばす。


「まっ、多少の支出は目を瞑れば良いだろ。気にしないでくれ」


「それならいいや!ゼロツーもそれで良い?」


「お前に任せる」


「んじゃ!それで良いよ、ゼロワン」


分かったと言うと、食堂に向かうために2人を先を歩く。


食堂に入ると、2人はメニューにあるものを選べるだけ選ぶと、それを全て大盛りで注文した。


そして今となる。


「まだ食い終わってないが、先に払っておきたいんだが、いいかな」


「それは構わんが結構な額だぞ?先に下ろしてからの方がいいんじゃねえか」


「下ろすにも額が分からないと下ろせないでしょうが」


青年が品をパッパッとレジに打ち込むと、レシートが出てくるがそれが結構長い。1メートル・・・いやそのさらに半分はいってるな。


司の顔が青ざめていく。小さいものを大量に頼んだのならこうなっても違和感はあまりないのだが、頼んだものは大盛りだ。それなのにそれだけ長いということは・・・。


「ごめん。貸しにしてっべっ!?」


司が逃げ出す前に首元を掴みその場に止める。まあ、払ってないのだから当然か。


「ちゃんと払えよな。食ったら払え当然だ」


「お、俺は食ってないっすからその対象にはならないよねー」


「お前が奢るってのは聞いとんじゃい!さっさと出さんかいな」


「オロロ〜〜〜ン」


司から財布を取ると、料金分の金を毟り取る。司が払えばそういうやり方はしなくて済んだので全面的に司が悪い。


指の爪よりも軽くなった財布を握って大粒の涙を零す。した所で返すわけがないのだが・・・。


「そんなに泣いたって返せないぞ。こっちだって仕事なんだからさ」


「そりゃ分かってるけどさ〜!サービスしてくれたって良いじゃないか」


司が文句を垂れ流していると、ゼロツーが追加の注文を頼もうとしていた。


「待って!もう有り金ゼロー!なの!やめちくちー!俺さ、多少って言ったよね!?多少の限度超えてるんですけど!」


「奢るって言ったんだから最後まで奢ってよ〜」


「無理だ。もう限界じゃい!残りは自分で払ってくれ!」


「金がないのならしょうがない。ゼロスリーもうそれで最後にしろよ」


はーいとメニューを片手に返事をすると、最後の注文をしたが、司にはそれが嫌な予感がしてしまった。


全ての人がそうという訳ではないが、最後だと言われるともう試せないからなどの理由でそこでの一番高い物を頼むことがある。その傾向が見られたので司は走ってメニュー表を奪い取ろうとするが、それを席に座ったままで軽々しく避けて注文を完了した。


「ああああああああ!!!!!」


「叫ぶな。やかましい」


注文をキャンセルしようとしたがもう遅い。その内容がもう送られてしまっている。もうだめだおしまいだ。その場に崩れて涙で床を濡らす。


注文品が届くが、ゼロツーとゼロスリーは特に気にする事もなくそれを平らげると、レシートを司に落とすと、別れの言葉を残して食堂を出て行った。



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