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3日後3

「バイクが空を飛んだぁぁぁ!?」


「ちぇすとおおおお!」


落ちて来たバイクを側転で回避しつつ即座に司に弓を向ける。


「無誘導なら射てるって感じだな」


「近距離とはいえそちらには武器はない。わざわざ自分から来てくれてありがとう」


司は即座にバイクの裏に隠れるが、それを見越して矢を放つ。頬を削られたが、戦闘に支障をきたすものではない。バイクから拳銃を取り出して、それを牽制に使う。


弓を狙えば戦いは多分、司の方に一気に傾くだろう。そのために銃で牽制し、左腕の審判から貰った生きた鎖を敵に近づけさせる。それが目立たないようにするための牽制だ。


弾が残った弾倉をそのまま地面に落とすが、抜いた瞬間に次の弾倉を入れることで隙間なく連射していく。


何度も撃ち込んでいると、痺れを切らせたのか弓で弾きながら司へと近づいてくる。


「(何でわざわざ近づく必要があるんだ?このまま弾を避ければ誘導する矢が俺に飛んでくるだろうに・・・?やっぱり下から上にはいけないのか?)」


構わずに撃ち続けていると、先程向かわせた生きた鎖が敵に巻きついた。


「よし!このまま一気に片をつける!チェンちゃんをチェーンツーに同調(チューニング)!」


チェンちゃんの鎖と生きた鎖が組み合わさることで一回り以上に長くなる。


先に巻きついた鎖と共に敵の腕と足を縛り付け床に落とした。それと同時に弓を落としたので、即座にそれを蹴り飛ばして報復を避ける。


「くっ・・・!」


「痛っううう!本当に迷惑かけやがって。どういうつもりなんだよ?瞳さん。俺はあんたに対して裏切り行為なんてした覚えはない」


「・・・・・・」


「何も言わないはこの場合あんたの首を締めることになる。いきなり俺のことを話すけど、はっきりと言うと俺だけ狙うんだったらそれはいい。けど君はな、モモに、妹に手を出した。たとえ流れ弾だとしても当たったという事実に変わりはない。悪いけど、何でこういう経緯になったか俺の会社で聞かせてもらう」


「・・・・・・」


それでも答えない。自分が正しいと思っているのだろうだろうか?表情が暗い景色と混ざって見ることができない。


「そうかよ。まあどうせ吐いて貰うんだから気にするような事でもないか・・・」


今は聞き出せそうにないと判断してまっちゃんの会社に回収の連絡を入れる。


「ああ。頼みたい。あとついでにバイクも運んで欲しいからそこんとこよろしく」


矢に刺された所を抑えながら、床に腰を下ろして回収が来るのを待つ。


その後も声をかけるが、やはり反応がない。肩が動いているので息をしていない訳じゃないが、こちらの質問に答えるつもりはないということだろう。無抵抗の人間に手を出す訳にもいかないので結局回収ヘリが来るまでただ携帯を触って時間を潰していた。


『主任〜!そこに降ろすのは流石に無理なんで、バイクはヒモに括り付けて下さい!その後主任たちをバイクごと引き上げるんで』


「了解、安定させろよ〜」


降りてきたヒモをバイクにしっかりと括り付けてその上に司と鎖で縛り付けて動きが取れない瞳が乗り回収を始める。


バイクはそのまま外に固定して2人はヘリ内に入る。木下は司の傷跡に軽い処置を施すとヘリを会社へと向かわせた。


「本当ここ最近は怪我しまくりだぜ。この調子じゃ細胞も『もう再生出来ません!』とか叫んでもおかしくねえレベルだよまったく」


「それならば、我々を使えばいいんですよ主任。貴方のために死ぬ覚悟があるかと言われれば無いと答えますが、それで自分が死なない限りはサポートすると言っているではありませんか」


「お話のところすいません、副主任。四時方向から何か来ます。まっすぐ来てます。これは・・・」


木下は窓から後ろを見ると確かに何か来ていた。暗いのでイメージに近いものになるが、人型に見えた。だがここは高度数十メートルはある。ビルから飛んで来たのか?


「どうやって来たかは分からない。だけど、こちらを狙っているのはほぼ確定だ。少し迂回して・・・主任?」


「あれも多分試作品(プロトタイプ)だ。狙いは俺か・・・適当なもん貸してくれ。近づけさせないようにする」


「主任の腕では当たりませんよ。それに矢の傷もあります。そこで休んでいて下さい」


「だが・・・!」


「貴方にはまだ他にも戦わないといけない人たちがいるんです。こういうことは我々に任せて下さい。扉を開ける。バランス崩すな」


「副主任。撃ちやすい向きに直しますか?」


「大丈夫・・・逃げることを最優先に」


ヘリの後部扉を開けて人1人分はありそうな重火器を手に取るとそれを試作品(プロトタイプ)と思われる何かに撃ち込んだ。

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