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3日目の朝(2)

会社に着いた途端、司はニアに頭を齧られてしまった。昨日の無断退出の関係だろう。司にとっては理不尽なものではあるが、第三者から当然といってもおかしくない。


「ぎゃあああ!!!!!痛えわ!朝から噛むな!まだ飯食ってないからまた倒れるぞ!」


「師匠が無茶な事するのにゃら、それもやむなしにゃりな。ギリギリィ・・・」


「理由になってないから。だから強めるな。無理矢理でも剥がしてやらぁ!?いぎゃあああああ!カオルぅぅ!」


「これに関しては助けようがないからね・・・事実な訳だし。少しは反省しなよ。司」


ニアの締め付けが強く司の頭が赤くなっていく。流石にやり過ぎたのでカオルがニアに声をかけるが、それでもやめない。反省しない司も悪いので強くはいけない。


「・・・・・・スイマセンデシタ。ダカラオネガイシマス・・・」


「ぎにゅー!いい加減にするにゃりよ師匠!怪我は治ってにゃい、ニアよりも力もにゃいのに無茶し過ぎにゃり!」


齧りをやめて司に説教を始めるニア。自分はニアよりも弱いということを自ら言っている司はそれを反論することも出来ずに正座して静かに聞いていた。


説教をしながら、どうして勝手に外に出たのかを聞きたいが、それは司にも分からない。意識が戻ったのは、審判のいる場所なのだ。それ以前はない。しかしどうやったら誰にも見つからずに治療室から出ることが出来るのだろう?施錠もカードがなければ出来ない。司の持っていたカードを使ったのなら、履歴が残っている筈なのだがそれもない。誰かが消したとするならまっちゃんになるが・・・・・・。それならそれでなぜ部下が心配するような状況にしたのだろう?


『イチャイチャしてるところすまんが司、ちょっとこっちの方まで来てくれないか?』


「ニア・・・1回まっちゃんと話してくるから緩めてくれ。あっちに行けないからさ」


「ニューーーー!」


「後でなんかお菓子買うからそれで勘弁してくれよ・・・」


「むぅ・・・・・・わかった」


「でわ、さらばだ!というのは冗談で、ちと行ってくるわ。トリシュ、行くぞ」


「はい」


トリシュを連れてまっちゃんの部屋の前に来たところで、トリシュを入り口で待たせる。司は共に入れた方がいいと思ったが、まっちゃんがトリシュには聞かれたくない事もあるかもしれない。放送の時、まっちゃんは司は来いと言ったがトリシュについては言っていない。まあ、名前を知らなかった可能性は多分にあるだろうが。


部屋の中では、まっちゃんとスネークが何かの話をしているようだ。


「おっ、お取込み中だったか。なら外で待っといた方がいいな」


「いや逆に丁度いい。お前にも聞いておいて欲しいんだ」


「俺にとって有益なものなのか?」


「有益というよりも、君が気になってる事についてだね」


「気になってる事・・・・・・ニアに噛まれた理由だな」


「そっちなの?別のやつだと思ってたけど」


「それは冗談で、審判の所に怪我も治ってないのに勝手に行ったって事ですよね?スネークさん」


「そそ。話も長くなるだろうし、外の子も入れていいよ。彼女にも聞いておいてもらいたいから」


「分かりました」


司は閉めた扉をもう一度開いて外にいるトリシュを中に入れる。トリシュは部屋に入ると、2人に頭を下げる。


「私は彼を守ると言っておきながら、マ———ツカサを守ることが出来ず、申し訳ございませんでした」


「こいつが自分の立場を理解していれば起きなかった事だ。気に病む必要はない。それよりも司問題はお前だ。ここ最近ずっとお前は狙われているんだ。お前のちっこいプライドなんか捨てて、守ってもらえよな」


「元からそのつもりだ。お前に言われる筋合いはないからな。まっちゃん」


頭を下げ終わったトリシュもソファーに座り、そこでスネークは何故司が見つからずに外に出れたのかを話し始めた。

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