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プロローグ03

 松長の会社は、薬や兵器の開発を中心とする大企業(他に消防や救急医療なども行っている。つまり何でも屋の大型版だ)で、松長はそこの若手社長だ。ちなみに歳は十七だ。今は関係ないが、司もここの社員である。もっとも、ライセンス持ちのため自由に出勤出来る。そんなの聞いたことねえぞ。


 高速レーンを使って松長の会社に着いた三人は、バイクを規定の場所に駐車し松長の所へ小走りで向かいエレベーターに乗る。おーい、会社内は走ると危ないぞ。


「あんにゃろー。今日行かないと言ったのになんで二人を残しとくかなあまったくよ……」

「でも、確かに珍しいよね。まっちゃんが司に連絡せず僕らを残して連れて来させるなんて」

「俺はただお前らが残って送ってもらいたかっただけかと。お前らが残るときっていつもそうだから。おっ、着いたみたいだな」

「師匠、にゃあ達は仕事してくるかにゃら、また後で合流にゃあ」

「了解だ。どうせ来たんだ仕事をちょびっとしていくぜ」


 司はカオルとニアと一度別れる。学生をこんなに採用してる会社普通はないと思いたい。


 松長の部屋。つまり社長室な訳だが、入るためにはカードキーが必要なので、秘書さんから貰う必要がある。


(さてと、秘書さんは何処かなっと。やっぱこの会社いろんな所がおかし過ぎるな。入り口には付いてなくて、部屋には付いてるって変すぎるだろ。その前に秘書さんいねえし。ピッキングするか。カードキーシステムでも何とか出来るかも知れないしな)


 本気でピッキングをしようとしたとき、社長室の扉が開いた。まるで、入ってこいとでも言ってるようだ。これじゃカードキーの意味ないじゃん。とまあ司はそんなの考えずに入るのだが、いつものことなんだろう。気にしたらだめってやつか。


「おっす、まっちゃん。今日は行かないと言ったのに、なんで二人を残したんだ?」

「そうでもしないと、救急でも来ないだろうが。社員の自覚あるのかよ」

「ライセンス持ちですから。てか、救急ってなんだよ。基本的にここのもので何とか出来るだろ?ここで出来ないことが俺に出来るとは思わないが」

「出来るには出来るんだが、依頼主クライアントからお前にやって欲しいって言う依頼なんだよ」

「ほうほうほう……そりゃあ珍しい依頼主もいたもんだ。まっ、まっちゃん以外の人が頼むならやるか」

「あの~俺の扱い酷くないか?念のため言うが俺は上司なんだが」

「その事は気にしない気にしない。で依頼主の所へ行こうぜ?早く終わらせて家で遊びたいし」

「へいへい、分かりましたよ。こっちだついてきな」


 二人は依頼主の所へ向かう。その間にここの設備や状態について話さそう。まあ、話すことなんて殆どないのだが……。司が言っていた通り、ここの設備は非常によく、普通の病院では首を横に振るような怪我や病気でも、大体の物は完治させてしまうのだ。例えば、末期がんなどの物を摘出手術を受けなくても完治させるのである。いいやあ便利やなあ。……でも、これだけの技術力があるとなると、それだけコストも高いのでは?と思うだろう。だが、普通に患者さんが来る。その人達が金持ちなのかどうかまでは知らないが、まあいいや、ともかくすごいということは分かってもらえると思う。


 さて、こんなつまらない話で司達の移動の時間を稼げたようだ……こんなので稼げるなら話さなくてもよかったかも。


「あっ、そういやあ司。今回の依頼主に文句言うなよ?彼らだって高い金払ってでもやりたいことがあるから来てる訳だからよ」

「分~てるって追加料金が貰えるなら、靴だって舐めるさ」

「変態め。よし、ここだ。依頼内容及び詳細は本人から聞いてくれ。俺は忙しいから戻るが、何かあったら電話しろよ」


 てくてくと自分の部屋に戻っていくのを司は確認した後、依頼主がいる部屋に入って行く。……あれ?確かカードがなきゃあ部屋には入れないじゃあなかったか?もしかしたら、ゲスト部屋はカードが必要ないのかもしれないな。


 部屋に入ってそこにいたのは、身体を鍛えていそうなオーラを出している青年だった。オーラを出しているのにいそうなってどういうことだよ。自分で言っていておかしいだろ。オーラが出てる時点で鍛えているのは確定だろ……。


 青年と司はどちらも言葉を掛けない。なんて言えばいいか悩んでいるのだろう。そんな沈黙を破ったのは、司だった。


「なんだよボス?あんたが何でこういうことをしてんだよ?」

「勿論、依頼をしに来たんだよ。内容はこれだ」

 ボスと呼ばれる青年は司と目を合わせていないように見える。もしかしたら、何か隠し事でもあるのかな?

〔依頼内容〕

<一人の少女の蘇生及び治療>

 それのみ書いてあった。それなら口で言えばいいのに。けれど、司は一切声を出さず、何処かへ行こうとしている。何でだろう?

「お、おい。何処へ行くんだよ司」

「この依頼は受けない。帰んな」

「ちょっと待て、話が……」

「黙ってろよ。なんだ?どんな相手にでも俺が依頼に応じると思ったのか?俺だって人だあんた今まで大量の人を殺してきたくせにその態度の変わり様は何だ!ボス。あんたは俺があのグループから抜けるとき言ったじゃねえか!女は生きる価値なんかねえだから何で守ってやるんだってな!それがなんだ?自分の場合は助けてもらうって、そんな心をコロコロ変えるやつをの依頼なんか受けねえし、靴も舐めねえ」

「だが……」

「とにかくこの依頼はなにがなんでも受けない。分かったならさっさと荷物を持って枕を涙で濡らしな」

『まあまあ落ち着け司。話は聞いたが、それでも依頼は受けろ』

「拒否る」

『つ……はあ、しゃあない。受けないなら社長権限を持って司。お前を解雇にするがそれでも依頼は受けないか』

「ず、ずりい……わーたよ。依頼は受ける。だが、今回だけだ、ボス。女性に関する依頼は」

「すまない」

「もうやるって決めたから謝んなよ。俺も少し言い過ぎたしな。でも、どうして女性絶対殺すマンのボスがこんな依頼してんだよ?」

「……妹なんだよ。だからといって他の人を殺してきた私が依頼できるものではないというのは分かってる。だが、それでも妹を助けたいんだ」

「それならもっと早く言ってくれよボス。妹なら誰であろうと俺は助ける。シスコンだからな、俺もあんたも」


 司は結局依頼を受けることにした。……ってなんでや!今まであんなに拒んだのに、妹ってなったら受けるってそんなの聞いたことない。依頼主のボスもだけど、おかしいだろ!

 こんな声など聞こえるはずもなく、司は緊急治療室に向かった。


 


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