四幻神《光龍》2
再び遅くなってしまい申し訳ないです。
またペース落ちそうですが頑張ります。
シフィルが一歩足を進めた瞬間巨大な砲身から放たれたレーザー光線がシフィルの目の前に放たれた。
シフィルは即座に右腰の剣を抜くと、それを地面に差し込み光線を拡散させる。
金属で出来た床が焼ける様な音を上げていく。その出力の高さが一度拡散した光がヤミと店長2人の奥で収束し施設を焼いていく。
十数秒光線を放たれた後、シフィルたちの足下以外は溶けた床になっていた。
「少しの時間でここまで出力が上がるものなのか……」
「元々四幻神の中でも能力が高くてかつ能力者の中でもトップに存在する以上、強化されればこれぐらいいってもおかしくないよ」
「だがこれだけの熱量を耐える武器か……」
「これはボクがあの戦いで託された武器だ。調べさせるわけにはいかないしこの子もデータは引き出させることはないよ」
まるで武器に意思があるかのようなことを呟くと背中機械仕掛けの大剣を変形させ空へと飛び上がる。
光龍へと変貌した存在は迎撃の為光の弾幕をシフィルへと放つ。
急停止と急発進、そして急転換を繰り返して人間の反応速度では反応出来ない弾幕をかい潜って行く。
「ボクをへの憎しみひとつでその姿になったのならあの戦いでボクがどうやって避けていたか把握しておかないと意味ないよ!結局全て避けられてるしね」
光龍は更に弾幕を厚くしていきシフィルでさえ回避出来ない量だ。
直撃コースをシフィルはもう一本の剣で拡散させて回避していく。
そんな中弾幕量を少しでも減らす為ヤミは蛇の様な鎖を放ち光龍への体内へと突撃させていく。
その鎖蛇を足場に店長は光龍へと近づいていく。
だが光龍の放つ熱量が鎖蛇を溶かしていき店長は一定距離から対能力者への攻撃を放つ。
シフィル自身も近づく度に強くなっていく弾幕を処理しきれなくなっていき一度距離を取る。
「絶対領域の出力が上がってる……元々立派出来るとは思っていないが、反射が起きないほど光が熱を持ってるってことか」
「とはいえ燃料は無限じゃない。消費させ続けないとこちらに勝つチャンスはない」
「ボクがもう一度詰めるから勝ち目がなくてもいい、少しでもエネルギーを消費させるんだ」
シフィルは店長に床に刺していた剣を渡したのを皮切りにヤミは両手を床に押し付けると鎖の波を光龍へと放ちそれを壁に店長とシフィルは近づいていく。
ふたりはの互いにX字を描くように光龍の足元へ剣を突き立てる。
剣からは焼ける音がしていたが形が変わることもなくそのまま飲み込まれていき前足を切り落とした。
切り抜けたふたりは即座に振り返りながら剣を構え直すと今度は後ろ足を切り落とす。
四肢を失った光龍は移動手段を失いその身体を地面に落とす。
その際に余った光の熱量が前衛にいたふたりを巻き込んでいく。
「ぐっがあああああ!!!!!」
「熱っっつ!!」
熱量に巻き込まれたふたりをヤミは鎖で引っ張り出し合流する。
「これで動きは封じたが、本体への攻撃はどうする?あいつを殺さない手段あるのか?」
「能力を抑えさせることさえ出来れば後は俺がどうにか出来る。シフィルなんとか出来るか?」
「光の衣を剥がせばいいんだね?やってみる」
シフィルは機械仕掛けの大剣を変形させ持ち上げると中心部から風が空へと伸びていく。
「チャージに時間かかるからそれまで時間を」
「じゃあ武器を借りる。奴のロックは俺が取る!ヤミは鎖で援護を」
「了解だ」
店長は剣を片手に光龍へと近づきその身体を切り裂いていく。その度に反撃を受けていくが、その光は全てヤミの鎖が防いでいく。
「店長、少し攻撃のペースを落とせ。私の鎖がおまえを追えん」
「あいつがシフィルに対して攻撃を集中しているんだからロックを集めるにはこうするしかない。多少のダメは気にしない。可能なタイミングでいいからこのペースで頼む」
背後に回り込み龍の尾を切り落とした。もちろん迎撃が行われるが、今度は鎖の壁は間に合わず光の波に飲み込まれていく。
「うがあああああ!!!!!」
「シフィル!まだ無理か……!」
「待って……殺す気はないんだから8割で撃つ!———人々の想いをこの剣に届いて砕け!一点集中勝利の剣!!!!!!!!」
シフィルは機械仕掛けの大剣で突きを放つ。その大剣から放たれたエネルギー弾は光龍の頭部を貫き身体を砕いていく。
中身を殺すわけにもいかなかったこともありわざとずらして貫くと中身の人体が姿を現す。
シフィルの放った攻撃で光の波から解放された店長は一度呼吸をすると消失していく光龍の中から人体を取り出した。
「ミッションコンプリート。店長そちらに借りを作ったのだからボクにそれの身柄を渡してくれないかい?」
「助けてもらったことは感謝するし借りのこともある。他のことじゃダメか?」
「司くんが判断する事だけど、身柄がないと判断することも出来ないからね」
武器を全て納め店長に近づくとその間にヤミが立ち塞がる。
「渡せないと言っているだろう、シフィル」
「だがシフィル相手におまえひとりを」
「さっさと行け!」
店長は担いでその場を後にすると、シフィルとヤミは互いに手持ちの武器を構える。
「追えたにも関わらず私の申しを受けてくれてありがとう」
「追った後で挟み撃ちっていうのは嫌だからね。それじゃあさっさと君を無力化させて貰うよ!」
その言葉を開始の合図にふたりは攻撃を開始した。