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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
167/194

 少女は叫んだ後、即座にレッドフィールドの懐へと入り込む。


 赤い悪魔に担いで貰いながら予想される攻撃を回避して、そのまま赤い悪魔に攻撃を命令する。


「(もうひとりのボクがいれば回避重視の戦い方しなくて良いんだけど、無いものねだりは良くないよね)」


 自ら近づくことは避け、攻撃の全てを赤い悪魔に任せることでなんとか同じ台に立った状態を作れていた。


「BOWを基礎技術を確立させ、それを無造作にばら撒いた。それでどうなったかお前は知りもしないだろう!加害者は被害者にしたことなんて覚えない。これは昔から変わらない!」


「そう言われても、他人の空似の人物と一緒にされても困るんだけど?」


 棘で行動範囲は狭くなっているがレッドフィールドの持つ槍ひとつ分だけ離れた距離を取るたびに赤い悪魔から離れて、攻撃に集中させる。


「それにボク自身はそれに関与した覚えはない」


「レッドフィールドの名を持っておいてそれを言うか!」


 赤い悪魔の一撃を片手で受け止めるとそれを踏み台にして素早く距離を詰めレッドフィールドのいる場所に目掛けて爪を振り下ろす。


 回避は完全には間に合わず左腕の肘先に大きな切り傷が入る。


「(もうひとりのボクといてもこれは……)」


 再び距離離そうとするが、それは叶わず移動しようとした方向と真逆に蹴り飛ばされる。


「(逃げ……きれない!)」


 棘に身体をぶつけると切り傷が作られていく。


「くっ……」


「戦闘系能力者の真似事をしなければ苦しむことなんてなく死ぬ事が出来ただろうな」


 その後も何度も少女の長い爪が振り下ろされて服が裂かれていく。


「真似事って言われても……心が壊れた人間でないと命を奪う相手に諦めたりしない……でしょ」


「人を使ったBOWを作っておいて自分の心が壊れていないと言うか!」


 少女の爪が右ふくらはぎの肉が剥ぎ骨が露出する。流石に我慢出来なかったレッドフィールドは痛みで叫び声を上げてしまう。


 しばらくは動けそうもないと判断した少女は確実に仕留める為に邪魔をし続ける赤い悪魔の心臓部を抜き取り潰した。


「対一だったら最初からこうだったんだよ。それなのにずっと私の邪魔をしやがって」


「そんな……簡単に……」


 身体部分は司に渡しているとはいえ、能力面では以前より向上している筈だった。


 それなのにも関わらずこの力の差は何なのだろうか?自分の力は井の中の蛙だったというのか。


「楽には死なせない。私のパパは苦しんで死んだんだ。原因であるお前にも同じように時間をかけて殺してやる」


 レッドフィールドの衣服を剥ぎ裸体を曝け出す。


「くっ……」


「この状態で人々のいる前で見せてやりたいが、どうせこの周りにはいやしないからな。代わりに私が見てやるよ」


 舐め回すようにその身体を上から下まで見た少女は、逃げられないように今度は左足の筋を潰し、目の前の棘にレッドフィールドを投げつける。


 もう声にもならない音でしか呻きを上げることができないまま、レッドフィールドはただ少女を見上げることしかできなかった。


「仇の時間だ。死ねよ」


 少女の身体の半分はあるほどの爪を振り下ろされ身体に引き裂かれる……ことはなかった。


「すまないな。もうひとりの俺」


「……もう……ひとりのボク」


「クローン開発までしていたか!レッドフィールド!」


 司は長い爪をレッドフィールドから肥大化した腕で弾きながらふたりの間に現れた。


「ハルサメさんとリヴァイ、レッドフィールドのこと頼む」


「了解」「分かったー」


 司が壁になっている間にレッドフィールドをふたりに任せて少女と相対する事となった。

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