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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
166/194

家族との自由時間2

 アミューズメント施設へと移動した3人は入ってすぐの場所にあった打撃場に入る。


「司兄ぃ打ってみてよー」


「構わないけど初めてだよ?いけるかな」


「行けると思う。仕事であんなに細かいもの見てるんだから」


「いやあれは動いてないからなんとも言えない気がするんだけど?」


 とりあえずバットを構えて飛んできたボール目掛けて振るが通り抜けてから振り切るほどに遅かった。


「あびゃ」


「ワンテンポ早く振れば当たるかもね」


「よーし次は打ってやる!」


 バットを構え直し再び飛んできたボールに対して振るがこれも間に合わなかった。


「どうして・・・・・・まだじゃい!頑張る」


 その後もレッドフィールドはバットを振り続けたが、最後の球まで当たらなかった。


 1セット目が終わったあと打撃場近くのベンチに座って自分の不甲斐なさに泣いてしまった。


「司兄ぃ・・・・・・」「司兄さん・・・・・・」


「同情しないで・・・・・・」


「もうひとりの司兄ぃに身体部分は持っていかれてるんでしょ?ならしょうがないって」


「そうだとしても擦りもしないのはね。もうひとりの僕に申し訳ないよ・・・・・・」


 しかし諦めきれないレッドフィールドは再びバットを握り打撃場に入り構える。


 3セット程打撃を続けたものの結局当たることはなく、打撃場を後にしたレッドフィールドの顔はまるで仕事終わりで疲れたような渋い顔をして出てきた。


「悲しいなぁ・・・・・・」


 無駄に自身の心を傷つける結果となってしまったが、ふたりの同情の表情も見れたがも楽しめたようでレッドフィールド自身はまあいいかとひとり納得してベンチに座った。


 いくらか休んだあと昼食を摂りにアーケード街へと向かう。


「司兄ぃ何食べよっか?フードコートのやつにする?それとも少し値段張るやつにする?」


「汗かいたし塩っぽいものにしようかな。ふたりは何が食べたいの?お金のことは気にしなくていいから。後でまっちゃんに請求するし」


「司兄さん、そこまでするなら安い所にする」


「大丈夫だって!いつもまっちゃんの胃を焼きまくってるし今更今更!」


 レッドフィールドが笑っていると会社にいるマツナガは顔を上げてくしゃみを放った。


「ぶえるくしっ!」


「社長風邪引きました?薬用意しますよ」


「いいや大丈夫だ。ただ鼻がむずむずしただけだ」


「それなら良いですけど、無理しないでくださいよ」


「ああ」


 一度躊躇ったふたりだったが、互いに顔を合わせるとモモがレッドフィールドの腕を引き、クルミが背後から押してそそくさと走り出す。


「押さなくても良いでしょー店は逃げないんだから」


「早く行きたいからいいの!」


 ふたりに連れられたレッドフィールドたちが訪れた店はケーキを食べ放題の店で混雑が連日起きている。


 今日は運が良いのかそれとも食べることが出来ないほど金がないのか、店の中に人がいなかった。


「閉まってるのかな?でもオープンの看板立ってるしただ人いないだけかなぁ」


 モモは店に入ろうと扉に手を伸ばすが、ドアノブに触れた瞬間モモは痛みを感じながら触れた手を押さえる。


「静電気?でも血が・・・・・・」


「血・・・・・・?」


 モモの掴んだドアノブを調べると棘のようなものが生えてきたかのように歪に尖っていた。


「これじゃあ入れないね。壊すわけにもいかないし」


「他の人いなかった理由ってこれだったり・・・・・・」


 落ち込みながら別の店を探そうとしたその時、殺気がレッドフィールドの背後に近づいてくる。背後を確認すると先程の歪な棘がドミノ倒しのように3人の元に近づいてくる。


「ふたりとも離れてっ!」


 カオちゃんとチェンちゃんを呼び出しながら妹たちふたりを背後へ逃がすと、トリシュの槍を片手に持ちながら赤い悪魔を呼び出す。


 妹たちとレッドフィールドの間に棘により壁が形成された。


「ついに・・・・・・やっと見つけた。世界のがん、世界の悪性腫瘍」


「君は・・・・・・」


「お前のせいで家族全てを失った人間だ!狂学者マッドサイエンティスト!」


 棘の決闘場(バトルフィールド)に現れたのは爪を大きく尖らせたレッドフィールドとあまり変わらない身長の少女だった。

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