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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
158/194

訓練

 自宅の訓練施設では、ハチと名前をサブに変えたガンヴォルトが能力を使用しない白兵戦の訓練を行っていた。


「ほらほらほら、せっかく動きが速いんだからもっと素早く動くんだよ。そうでもしないと、ゼロワンに勝てないぞ」


「能力を高めた方が・・・・・・いいんじゃないのか?」


「今お前さんに足りないのは下限火力だ。ゲームで言ったらダメは上位層に食い込むだろうが、コンボがまともに決まらないキャラみたいなもんだ。まずは下限を上げる」


 サブは心底面倒だと思いながらも立ち上がると再び構えてハチに飛びかかる。


「お前の恩人を殺したもの仲間に対してその程度の敵意しか向けられないのか?」


 サブの攻撃を軽々と流していると、ハチは煽ることで無理矢理力を引き出させる。


「能力の使用を禁止しておいてよく言う」


「こっちも使ってないし鉄塊自体も使ってない。条件は同じだが?」


「白兵戦系の能力の癖に」


 怒りで漏れた雷が拳に纏わりハチへの攻撃を攻撃を続ける。


「ったぁ!!!!!」


 重い正拳突きをハチは真正面から受け止めて投げ飛ばすとそれを追いかける。


 浮き上がっているサブを下から3連撃で蹴り上げる。


 高高度から落下し始めると、目立った行動を起こさないままサブは落下し倒れ込んだ。


「・・・・・・能力使っていいぞ。その代わりにシステムは使う」


「死にたくないからか?」


「いやオレは絶対に死なない。負けてもな。お前が死んだらゼロワンが悲しむからだよ」


「舐めるなよ!鉄塊如きに負けるわけがない。光が!」


 大量の鎖がハチへと飛びかかり動ける範囲を奪われた所で、サブはサンダーブリッツを放った。


「潰れろ」


 ハチは両手を大きく開いた後即座に重ね合わせると、透明ななにかでサブをプレス機で潰すように挟み込み、一瞬で戦闘を終わらせた。


「がっ!?て鉄塊でもない・・・・・・?なにが」


巨大人工浮島(ギガフロート)の技のひとつだ。本来のオレは出せないが、今のオレだから出せた。


「・・・・・・?」


「暇があったら調べてみるといい。それを観て自分なりに対策をすれば自然とオレにも勝てるようになるさ」


 社員のひとりは戦いが終わったと判断したのか、タオルと飲料水を持ってふたりに渡していく。


「ありがとう」


「お疲れ様ですサブさん。動けそうですか?」


「・・・・・・水を」


「あっはい。今日もダメでしたね」


「・・・・・・んっぱ!試作品計画が開始されたのは?」


「僕が入った時には司主任がいましたし、3年以上前かと」


「そうか・・・・・・。ありがとうございます。ひとりで練習したいんで」


「じゃあ置いときますね。着替えも外にあるので」


 社員は頭を下げててててと部屋を後にした。


 サブ以外いなくなった部屋でひとり水を飲みながらひとりイメージ内で攻撃行動を考えていると部屋の外がざわざわとし始めた。


「誰かきたのか?僕らみたいにまた人を連れてきたのか?」


 水とタオルを手に外に出るとリビングのベッドに司が火に当たりすぎたのかグデーッと寝転んでいていた。


「海に行って疲れたのか?」


「へへへ・・・・・・そんな所」


「あんな深い海の中にいたのに疲れたで済むか!」


 司が冗談めいてサブに返事をするとマツナガは怒鳴るように司を叱る。


「大袈裟だよ。溺れてた時間は短いしそれ以前にちゃんと酸素のある場所だったんだからさ」


「・・・・・・エラ呼吸でも出来る使い魔でも出せるようになったのか?」


「使い魔じゃないさ、友達だよ。ほら」


 司のパーカーからコソコソと出てきたのは、カオちゃんたちに似た姿の蟹だった。


「キャンちゃんだ。よろしく頼む」


「んきゃっ!」


 蟹の姿をした使い魔はその名前で呼ばれるのが嫌だったようでその爪で司をペチペチと叩く。


「あう」


 ニアが蟹を捕まえ司に影響を与えるものを離すと、そのまま司をゆっくりと眠りにつかせた。






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