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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
149/194

海へ行こう2

 司たちが浜辺で遊んでいる頃、松長はゼロスリーを側に置き移動に使った車の中から荷物を探していた。


「ん“ん”ん“!朝確実に入れたんだけど!」


「海の家とかにあるものでしょ?そこで買えばいいじゃないのさね?」


「そうなんだけどさぁ」


「まさかブーメランパンツとか・・・・・・?」


「んなわけ」


 冗談を交えながら探していると、背後から知らない気配を感じたゼロスリーは腰の小太刀に手を付ける。


「マツナガだな?何故ここにいる?」


 車の周りを囲うようにスーツの男たちが集まる。そして声を出している者以外は全て銃を構えていた。


「部下が|巨大人工浮島に上がっているんですから、上司の自分が上がることに何か問題がありますか?」


「そこに問題ない。だが彼らはどう見てもお前が必要な状況ではないが?」


「友人と遊びに行くのもいけないと?」


 松長は探すのを中断して車から離れると、囲っていた男たちは全て松長に銃を向ける。


「うーむ・・・・・・」


 考える気など更々なく適当に首を傾げるせいか、その態度に怒りを覚えたのか、消音器を取り付けた銃が松長の頬を擦めて車に銃痕を残す。


「貴様はここにいてはいけないものだ。今すぐに下へと帰れ」


「だから会長(かいなが)グループから許可は取ってるって言っていますが、それでも駄目なんですか?誰からそんな命令を?」


 松長も銃の発砲で本気であることを認識したようで証拠である資料を男に見せつける。


「それでもダメなら理由を。当然こちらが納得レベルでな。もしその程度のレベルの返答も返せないなら分かってるな?」


 松長は携帯でどこかに電話をかけると、スピーカーを付けて男たちに聴かせた。


店長(みせなが)さん。松長です。見えますか?」


『・・・・・・全部最初から聞かせてもらってる。この携帯以外からな』


「店長さま!」


 男たちは店長の声を聞くとすぐに片膝をついて首を下げる。


『許可は出している。それに監視もこちらで行なっているから君たちの手を煩わせる事はない』


「店長さま自らが監視する必要は・・・・・・」


『どうせ暇なんだ。問題ない。それとも私を信用出来ないと?』


「い、いえ!そういう訳では」


『ならば手を引け。こいつがいる間は監視を続けるから誰も近づくなとな』


「はっ!」


 男たちはそう言うと松長に敵意の視線を向けながらその場を去っていった。


『上下関係が厳しくてすまないな松長』


「いえ。自分もしっかりとした行動をとっていれば。起きなかった事ですし」


『謙虚なのも逆に評価を下げるぞ?』


「事実ですし、他者よりも拳術の心得があるだけです」


『お前と敵対関係は結びたくないよ。本当』


 電話が切れる。松長はふうと息を吐くと車に戻り探す作業を再開した。


「しっかしーマツナガはミセナガと話せる関係だったんだねー」


「前に司と行った時は仕事だったからなぁ。公私混同は良くない。にしても一般的な銃だからゼロスリー、小太刀を抜くと思ったよ」


 小太刀をキラリと光らせながら鞘から取り出すと、逆手で横向きに突き出す。


「指示はなかったし、マツナガ自体も必要ないって表情してたしね」


「そこも能力?」


「流石にこれは今までの行動からの推察だよ。表情で分かるなら、初見は攻撃が読めないことと矛盾しちゃうし」


「お上手なこって」


「褒めてないでしょ」


「んなわけ・・・・・・っとやっと見つけた」


 松長は車の中から日焼け防止用の上着を手に取ると、急いで司たちの元へ行こうと外へ出る。


 しかしそれと同時に、海の方から駐車場からでも見えるほどの水飛沫が上がっていた。微かにだが司たちの声も聞こえた。


「なんだろ?」


「わかんね。取り敢えず行ってみようか」


 ふたりは荷物を持って浜辺へと走っていった。


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