伝説の傭兵4
昨日の決闘で敗北した兄弟は周りの人間から今までの行いが災いし陰湿な反撃を受けていた。
当然本人たちも理解していたので、特に返すことも出来ずただただそれを受け入れていた。
その中でも最も悪質なものが昼食時間に行われた。それは食事の中に物を入れ込まれていた。
人間は他人がやっているから自分も・・・・・・というような流れがあるとならばと悪化していく。
流石にその料理には食べられない物を入れることはなかったが、それでも混ぜてはいけない物はある。飲料機と同じように。
哀れに感じて司たちは教室へと戻り弁当を食べ始めた。
しかしシフィルは彼らの間に入り自身の注文した料理と入れ替える。
「みんながこういう行為をする理由は分かるけど、けどそれは君たちが彼らに勝ったら場合の話だ。勝ったのはボクなのであって君たちじゃない」
入れ替えた食事を口に含みながら発言を続ける。
「それでもやるというならそれはボクに喧嘩を売ったってことになる。これでもボクは売られた喧嘩は結構買う方でね」
殺意はないものの、食堂にいる生徒全員に分かりやすく忠告を促した。
「な、なんで助けてくれた?」
弟は恐る恐る尋ねると、笑顔を浮かべながらその質問に回答する。
「助けたつもりはないよ。ただ気に食わなかっただけ。それじゃあね」
入れ替えた料理を食べ終えるとそれを片付けてどこかへと去っていった。
食堂を後にして向かったのは校舎の屋上だった。さらにそこには赤い髪をしたシフィルたち3人がベンチに座って昼食を取っていた。
「おっ、野暮用は終わりかイン」
「力が全てって言ってるくせにあんな行動取るとは思わなかったから取り敢えず忠告しておいた」
「友人出来ねえぞぉそれ。オレたちは別の場所に行くべきだったかねぇ?」
「私。シフィル。付近。存在」
「オレたちじゃなくてオレはの方が良かったな。すまねえハルサメ」
「了承」
「そうかもね。まそうなりゃそうなった時考えればいいでしょ」
シフィルはベンチに近づき腰を降ろすと屋上を繋ぐ階段から3人の生徒が現れた。
「あれま。言ったそばからもう来たか」
よっこらせっとベンチから立ち上がる途中で、シフィルの前に赤髪のシフィルが腕を伸ばす。
「久しぶりに身体を動かすチャンスなんだ。今日はやらせてもらうぜ?」
「ふーん、いいよ。負けないでよ。レア」
シフィルは深々とベンチに座りレアはどこからともなく、6刀の蛮刀のうち2本を腕に残りを腰に収める。
「オレはインと違って舐めプはしねえ。どんな奴にでも全力を出す。身体が鈍るのは嫌だからな」
決闘始まったと同時に3人は一瞬でライフを削られ踊り場まで吹き飛ばされた。
「ちょっと待ってくれよ肩透かし過ぎてキレそうなんだが?」
「舐めプはしないんじゃなかったの?」
「なんかよく分からんが相手が勝手に負けてたんだよ。オレに文句を言うな」
蛮刀が手と腰から消えるとベンチに戻り苛立ちを見せながら、残った弁当に手をつける。
そんな規格外な強さを反対側の校舎から双眼鏡で覗いている者たちがいた。そう司たちである。
食堂の件では面倒だった為別の場所にいたが、シフィルたちの行動は気になっていた。そうなればこの行動は当然だ。
「ただ横薙ぎしただけに見えたけど・・・・・・」
「スタートと同時にひとりに対して十連撃程してた。あんな速いならシフィルは最低限それに近いものはあるって事だ。帰ったら研究と資料作成だなこりゃ」
「ニアもおにゃじぐらいににゃれるかにゃ?」
「訓練積めば誰だってなれるさ。能力じゃないだろうし」
その後司は授業中も作成に取り掛かり、下校後も作成を行い続けた。