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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
141/194

2ndプロローグ5

 おさげ髪の青年は船体前方部に触れると少しずつ船体が上昇しビル街を越えていく。


「俺のスラスターだけじゃこんなの無理だ。やっぱり戦闘型の能力者っていいなあ」


 限界を迎えていた司は壁に寄りかかりながらおさげ髪の青年とハチが目的地である第30地区まで外を眺めていた。


 公式船である以上ルートは調べれば簡単に出てくる。


 飛行場では多くの部下を引き連れたマツナガが飛行船を見上げていた。


 到着と同時に中へと侵入したマツナガたちはおさげ髪の青年を含めた全ての人間に手錠をかけて移動を開始した。


「・・・・・・」


 司は木下から手当てを受けながら連れて行かれる青年たちを見ていると、よっこらせと言わんばかりに立ち上がり、マツナガにおさげ髪の青年の手錠を外すように伝える。


「何言って・・・・・・いつものわがままか」


「そういうこと。けじめはしっかりと付けないと俺は良くても彼は納得出来ないだろ?」


 手錠を外された青年の元に歩み寄ると、使っていた拳銃を足元に転がす。


「ここは巨大人工浮島(ギガフロート)だ。決着は決闘(デュエル)でつけよう」


「そんなボロボロな身体で上から言えるのか?」


 拳銃を拾い上げると司に構える。


「僕はただ君を殺せればそれでいい。巨大人工浮島(ギガフロート)のシステムなんて使う必要がない」


「それも分かってる」


 拳銃から煙が上がると司の足元には小さな穴が開いた。


「だからこそ尻拭いはしっかりする。お前が自称オリジナルであるやつの仲間だと言うのなら、特にな」


「・・・・・・」


「満足したいからと言われればそうだろうさ。人間なんてそんなもんだ。お前さんだって俺を殺すという満足をしたいわけだ」


 説得としては弱い。司の言葉程度ではその状況へ持っていくことは難しい。


 司の行動に痺れを切らしたマツナガはBOW化していた青年を部下に連れて来させると、青年の頭に銃口を向ける。


「まっちゃん!」


「お前を殺させるわけにはいかんが、お前の満足もさせるにはこれしかない」


「外道が!システム起動!」


「まっちゃん・・・・・・。決闘(デュエル)システム起動(オンライン)!」


———『Duel System online prayer1 Gunvolt 』


———『Duel System online prayer2 Redfield 』


 2人の周りに特殊な空間が作られるとおさげ髪の青年は怒りに満ちた表情で司に銃弾を撃ち込んだ。


 槍を突き出し身体に届く前に弾を目的の部位からずらす。


「サンダーブリッツ!」


 電撃を纏った左肘を突き出しながら司へと踏み込むと司は槍をスラスターへと変形させ距離を取る。


「範囲が決められている以上、僕から逃げる事は不可能だ!」


「くっ・・・・・・」


 高速で移動する司に簡単に追いつくと膝蹴りで司を地面へと叩き落とす。


 受け身を取りながら地面を這いつつ距離を取ると右手からチェンちゃんの持つ鎖で拳銃を奪い取る。


 奪い取った拳銃で青年に打ち切るまで撃ち込むが全て滑るように別の場所へと落ちていく。


鉄屑の拳(スクラップ・フィスト)!」


 鎖を手に巻き付けながら背中のスラスターを起動させて勢いを増した攻撃を放つ。


 腕と腕が触れ合ったところで鎖が弾け飛ぶと、それと同時にカオちゃんが共に青年へと飛びつく。


空気銃(エアガン)機関銃(マシンガン)!」


 空いた腹部に目掛けて大量の拳を放つと打ち上げる。


 打ち上がった青年の背後に回り込むと、太刀へと変化したトリシュを振り下ろして叩きつけた。


「・・・・・・レッドフィールド!!!!!」


「うおおおおおお!!!!!」


 2人は地面に足を付けると無我夢中で拳をぶつけ合った。

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