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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
137/194

2ndプロローグ

『ある1グループが大型ショッピングモールを占拠しました!グループの要求は全員の身柄の安全と地位の確立との事———』


 映像がなくなり、テレビに砂嵐が走る。


「あんたら、今みたいにミンチになりたくなかったら静かにしておくんだぞ」


 1人の覆面が怯える人々に脅しをかける。恐怖のあまりに失神する者も現れつつあった。


 そんな中で1人の少女が手をあげる。


「あのーすみません」


 別の覆面が銃を構えながら問いを聞く。


「お手洗いに行ってもいいですか・・・?」


「・・・・・・」


 覆面たちは顔を合わせると、縦に首を振り1人の覆面がついて来いと少女に合図を送る。


「漏らされたら堪らんからな。さっさと済ませろよ」


「は、はい・・・・・・すみません」


 少女がトイレに篭って数分。1人の人間を見続ける訳にもいかないため、個室をノックする。


「どうしたんだ?腹を下したか?」


「そのようで・・・隣から紙を投げ入れて頂けませんか?」


「しゃあねえなぁ・・・」


 覆面が別のトイレから紙を取り出すとそれを上の隙間から投げ入れる。


「すみませんありがとうございます」


 その後水を流す音が聞こえると、扉の鍵色が赤から青に変わる。


「入る前にちゃんと確認しとけ——————」


 扉が開くのと同時に文句を言っていた覆面だが、そこから姿を現したのは入った時の少女とは別の少女であった。


 新たな少女は先ほどの少女と入れ替わるようにしてトイレから出ると、覆面を絞めて意識を奪う。


「GF1より通達。覆面を無力化に成功」


『了解。GF3侵入する』


 トイレに付いていた窓から覆面を外に出すと、それを上から引き上げていく。その後同様の装いをしたGF3が建物に足を踏み入れた。


「私があの子の真似をする。気づかれるなよ」


「当然だ。お前さんの方が顔がバレてんだから気を付けろよ」


「問題ない。マツナガ氏のSP迷彩は容姿まで変えられるからな」


 そういうと首元のボタンを押しその姿を先ほどの少女に変えた。


「いくぞ」


 その頃少女と覆面を引き揚げた部隊は侵入部隊からの連絡を待ちつつ中の様子がどうなっているか2人から聞き出していた。


「たったこれだけの戦力で自分たちの言い分が通ると思ってたのか?」


「・・・・・・・・・・・・」


「ゼロワン、後はこちらが行う。貴様は準備を」


「どうせ人質の安全を確保するまでは動けないし、そんでもって武力勢力の目的は俺だろうしな。そうだろ?」


 ゼロワンと呼ばれた少年の問いに覆面が反応したのを見逃さなかった。


「俺か相棒のどっちかまでは分からないが、視線から考えて俺の方みたいだ」


「くっ・・・・・・」


 少年は他の兵士に指示を与え覆面を任せると、双眼鏡を片手に北方向を覗く。


「(人質とは別の場所に司令部を置いてるみたいだ。じゃあそれがどこにある・・・・・・?)」


 本部を見つけるためにしらみ潰しに建物内を覗いていくが見つかる気配がない。


「人質も一部・・・・・・いやそこにいると思わせて戦力を割かせるつもりか?」


『GF1より通達。人質を完全開放完了。彼らに送られていた通信は全て録音だったようで、ここにいた本人達は知らないとのこと』


「了解。ゼロワン、3小隊を送るが構わないな?」


「任せる」


 送り込まれた3小隊はGF1とGF3の直掩に付くように先程少女と入れ替わったトイレから侵入した。


「くっそ。早く見つけないと人質の命が危ない」


「こちらで人質は確保しただろう?」


「彼らは設定時間後人質を殺すと言っている。もし俺たち以外に人質がいないなら安心できるだろうけど、あの内容から察するにどんな状況でも殺害出来る状況に・・・・・・」


 床が割れるような震動がゼロワン達を襲う。


「この揺れ・・・・・・ここが発信源じゃない」


『こ・・・・・・質が!』


 無線が入ってくるが、音が割れているのか聞き取れない。


 ゼロワンは聞き取れないことを伝えるが、向こうも聞こえていないようで会話が繋がらない。


「ちっ・・・・・・カオちゃんチェンちゃんGO!」


 ゼロワンは2体の使い魔を呼び出すと、GF1達の元へと飛ばす。


「(カオちゃん達の視点を俺と接続・・・・・・)」


 視点を繋げるとトイレには特に変化はなかった。つまりは無線が切断気味なのは人質がいる付近だということか。


 人質のいるはずの空間に移動すると、中の至る所に砂塵が上がり、咳き込む声があちらこちらから聞こえる。


「ギィー!」


『カオちゃんか!すまない、やられたよ』


「ギュワ?」


『今までの相手はいても低能力者ばかりだったが、今回のは違うみたいだ』


「(だから敵の本隊がその場にいなかったのか・・・・・・けど爆破させるなら近くにいるはず、どこにいる?)」


 ゼロワンは2体の使い魔経由で1人1人の人質の距離を取るようにGF1伝えると、もう一度周りを見渡す。


「くっそ!中が見える場所は———」


 2度目の爆発だ。このままだと人質だけでなくGF1達が危険だ。


「あれは・・・・・・飛行船か?誰かあれについて知ってる人いるか?」


「あれは本日ツアー予定で使われるやつですね。ルートも政府に届けられてるルートです。問題ないですよ」


「あれなら位置的に中を覗ける・・・・・・レッドフィールドに繋げてくれ!」


 ゼロワンは大型無線機を掴むとその先の人間に現状を報告し始めた。

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