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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
レッドフィールド編
135/194

すべての終わり5

 松長が上で1人1人ボディチェックを行なっているころ、司とスネークは車の中で連れてきた兵士———もう兵士ではないか———子供たちはなにかに興味を示すこともなくただ高層建築物のある外を漠然と見ていた。


 司はこの空気を変えようとどうすればいいかを考えるが思いつかない。


 スネークと会話して自身の周りだけでも空気を和ませようにも司と話すことで警備の邪魔をするわけにもいかない。


「まっちゃん早く戻ってこないかなぁ」


「出掛けたわけじゃないのに心配する要素がどこにある。お前は俺たちが逃げないように見張っておくべきだろ」


 頬からまぶたにかけて大きく傷の入った少年は司のぼやきに自身も暇だったのか、それともしつこくぼやいていたことに苛々を隠せなくなったのだろうか、交渉時もほぼ無口だった少年が口を開いた。


「正論ごもっとも。だけど全員俺の提案を飲んでくれただろ?」


「生き残る為に投降したのだから、お前のとんちな提案を選択するのは当然だ。お前が俺たちの立場でも選ぶだろ」


「そうだなぁ。まあ俺は自身の命より家族だけどな」


「自分が死ねば家族だって守れないだろ?」


「逆に俺がいなくなれば狙われなくなるかもな。妹たちはそういうのに関わってないし」


「いやどう考えてもその家族が仇とか言って戦いに関わるぞ」


「そうかもしれないなぁ」


「コロコロ自分の意見を変えるな。イライラする」


 司の態度にいらつきを隠さないまま司と話していると、松長と木下が車に入ってきた。


「司、みんなと仲良くなったのか?」


「そうかもねえ」


「意味不明なこと言うな。こんな無能がなんであんたのところの上にいるのが理解出来んが」


「ほら、凄え仲良くなっただろ?」


「ソウダナ」


 松長と木下は司の態度に呆れつつも次の少年少女たちを上に連れて行く。


「司も来るんだ」


「ん?見ておくぐらいなら俺でも出来るぞ?」


「本当に見るしか出来ないくせによー。司お前ここ最近ほぼ周り見えてないだろ。自分勝手なことしかないって意味じゃなくて視覚的な意味でな」


「そんなわけないだろ。わざわざ毎日家からここまで通ってんだから、それだったらここまで来れないだろ」


 司は座席に横たわりながら松長の言葉に反論するが、松長と木下の言葉がしつこく聞くのも嫌になったので渋々言われた通りついていくことにした。


 座席から立ち上がり、車を降りると外の光が眩しいのか手で目を隠す。


「眩しいなぁ。開けてられないや」


「もう夕方だしここからじゃ太陽なんて見えないぞ?眩しい要素なんて・・・・・・いやあるっちゃあるか」


「ただ今日は殆ど外出てないからそうなってるだけだって」


「主任。彼らを部屋に入れたら話があるので中のリビングでお待ち下さい」


 司はああとうなずくと、1人先行するように部屋へと向かった。


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