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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
レッドフィールド編
128/194

終幕

2度目の槍はフェイカーの内臓を抉り引き千切れば終わる所まで来ていた。


しかし司にはもう持ち上げることもままならない。


「くっ・・・っそ」


至る所に隙間があって水が漏れるように司の身体からも血が溢れる。


「(持ち上げれば終わりなのに・・・)」


「ガギギギギギ・・・」


劈くような音を立てながら弾をばら撒く。持ち上げることさえ出来ない司は回避も出来ずに多数の弾にその身体を焼かれた。


同調も保つことは出来ずそこに残ったのは、司とカオちゃん、チェンちゃんのみが倒れ込んでいた。


右腕の傷も開き、ゆっくりと血の池を形成していく。


「はぁはぁはぁはぁ・・・」


今までの出血量と現在のもので死は免れないと判断したフェイカーは槍が刺さったままその場を後にするが、当然それを瞳は見逃す筈もなく、矢を受けると身体をグルリと回しながら槍を更に深々と刺さったことでまるで串刺しを受けたような状態で、その生命活動を終了した。


「司君!」


瞳は手に持っていた弓を刀に戻して収めると司の元に駆け寄る。


「雷電・・・どうしよう・・・?」


「連れて帰るしかない」


雷電は司を担ぐと瞳を連れて撤退しようとする。


「——————まだ・・・まだ終わってない」


「いいやお前の仕事は終わったよ。帰って休もうぜ?な?」


力のない左手でぺたんぺたんと雷電を叩く。それは誰でもと言えるほどただ触れているようにしか感じられないほどに弱々しいものだった。


「レッドフィールド・・・行かないと・・・・・・」


「使い魔の2人がいるんだ。大丈夫だって」


雷電は視線を瞳に飛ばして指示を流す。


「ひとりで帰っても危険だものね・・・任せて」


瞳は一刀を掴むと、そのまま上階へと登っていった。


「助けなきゃ・・・助けなきゃ・・・」


「よく頑張った・・・今はゆっくり休んでろ」


そのあとは司の声に耳を傾けることはせずに撤退を始めた。


———少し時間は巻き戻る———


個室に縛り付けられていたレッドフィールドはどうにかして脱出できないものかと試行錯誤を繰り返していた。


「にしても騒がしいなぁ。まあもう1人のボク達が来てくれたんだと思うけど、このまま部屋に放置じゃ人質になんないよ」


身包みを剥がされ全裸のまま縛り付けられてはいたものの、そこに何も思わずにのんびりとしていた。


「脱がされたし能力者のこと嫌ってるしボクがレッドフィールドだし、ヤってくると思ったんだけどなぁ。自分が思ってるほどボクって魅力ない感じ?」


1人愚痴をこぼすが当然何か変わる訳でもない。


「対能力者用のやつで縛られてるから能力は使えないし、やっぱ待つしかないのかなぁ」


時折足を組み替えながら腕を動かしていると、しょうがないかとため息を吐く。


その瞬間肩の関節を外して椅子の後ろにあった腕を前に持ってきながら即座に関節をはめる。


「ふう、あとは・・・っと」


前にさえ持ってくることが出来れば後は簡単だと言わんばかりに拘束を解くと、扉の隙間から腕を出す。


「ゴー、カオスリゾネーター。チェーンリゾネーターも援護。場所がわかるね?」


二体の使い魔を司の元へ送ると、倒れた椅子を起こしそこに自分と同じサイズの死体を呼び出して椅子に縛り付けた。


そのまま待っていると、扉がガチャリと開き兵士たちが銃を持ったまま入ってきた。


「(警戒心薄すぎ。能力者に対しての対応じゃないよ全く)」


3人ほど武装した兵士が入ってきた。扉の外から影はない。つまりは即座に中を覗けるものはいない。


「(さてと、流石に風邪引くから服貰うよ)」


まずは手前の兵士の首を即座に回してへし折ると、崩れ去る仲間に意識を向けさせながら、更に奥の兵士の首を折る。


一瞬で仲間が倒れたことに理解が追い付かないのか銃も構えずに死体を見ていた。


あまりにも不憫に感じたレッドフィールドだったが、放置はせずに意識を刈り取った。


「ビーム使ってた人だけが脅威であとはその程度って感じかなぁ。あ、服貰うよ」


気絶した兵士から服を奪うと、先程殺した兵士に下級契約を結びそのまま外に足を踏み出した。


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