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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
レッドフィールド編
118/194

全員の合流

「血清がやーーーーーーーーーーーーっと効いてきたわ・・・・・・」


膨らみ湿疹に覆われた右腕は正常に戻り息も整っていた。


「既存の毒だとはいえよく耐えたなぁ司」


「もう1人の俺レッドフィールドのおかげだよ。1人だったらとっくの昔に頭が破裂してる。正確に言うとエレベーター乗る前にだな」


右腕をぐるりと回し違和感がないか確認しながら松長に出来事の詳細を伝えていく。


「フェイカー・・・奴らはそう言ってたな。知ってるかまっちゃん」


「襲撃場所が巨大人工浮島(ギガフロート)ってことは上の人間なのはほぼ確実だろ?ってことは・・・」


デスクトップパソコンに名前を打ち込むと、その名前の人物が表示された。


「フェイカー・ベルベッド。巨大人工浮島(ギガフロート)に住む民間人みたいだな」


「民間人なのにすぐに調べられるんだな。プライバシーやばそう」


湿疹で荒れた肌に保湿剤を塗りながら率直な感想を吐き出す。


「普通はもうちっと厳しいんだが、こんなことをしているからなんだろうな。巨大人工浮島(ギガフロート)の方でも問題になっていたってことなんだろうさ」


「そういえばニアとカオルはどこに行ったんだ?あいつらのことだから久し振りに会えるからって1番に駆けつけそうだが」


「レッドフィールド。マツナガ氏まずは作戦会議の方を」


司をここまで連れてきた少女は2人の会話に割り込みそれを終わらせる。


「それにも関係して来ることですよレディ。2人にはフェイカーベルベッドの部隊と思われるアンノウンを追ってもらってる。そんでもって可能な限り人目に付く道を生かせるように指示してる。向こうからすれば目標は司だけだったみたいだから、表向きはただの非正規雇用の人間なんていちいち調べない」


「ガバガバな状態で攻め込んできたんだな」


「元々フェイカー以外の駒は捨てる気だったんだろうな。反能力者派なら最終的には捨てる気でいるだろうし」


「うむ・・・・・・」


保湿剤を塗り終わると社員が持ってきた予備のパーカーを着込み通常の司の姿に戻る。


「やっぱり俺は女の身体よりこっちだね」


「予備を用意しておいてよかったよ。友達のことはしっかり考えてこその友達だからな」


互いに手のひらを重ね合わせて音を鳴らすと、軽く笑いあった。


そこで近くの内線機からアラーム音が鳴ると松長はそれを手に取る。


『社長、残りの試作品(プロトタイプ)が到着したようです。1人は主任と同型の負傷があるようなので、そちらに回しますね』


「毒である以上負傷が少ないにせよ多少触れているかもしれないから両方連れてきてくれ」


『了解です』


「ゼロツーたちか?」


「お前と同じ負傷らしいから少し席を外すぞ。彼らと話が出来るようになってから作戦を話し合おうや。巨大人工浮島(ギガフロート)の」


「怪我人なんて他にも医療班がいるんだろ?あとで構わないんじゃないか?」


今すぐにでも仇を取りに行きたいのだろう。少女は焦りを見せていた。松長は肩にポンと手を置き首を横に降る。


「そちらは毒に触れただけで破裂した者もいたんだろ?けど彼らは触れてない。そこの差は何なのかも知っておかないと、ゼロスリーに似た方はどうにか出来ても、ゼロツー似の方で敗北が確定してしまう」


「それになっ!」


松長の会話途中に体育系の選手かのように数回転しながら松長と少女の間に飛び降りたのは試作品8号(プロト08)———ハチだった。


「あんたらは敵の1人でも撃退できたのかよ?非能力者は含まないぜ?今回だけでそれが出来てないのならしんがりで殺せはしなかったとしても、敵の追っ手なしでここまで来た奴らの情報は欲しいだろうが」


「ん・・・」


「そういうこった。さっさと行ってこいマツナガ」


松長は頷くと部屋を後にする。返す言葉がなく黙り込んでしまった少女を気にすることもなく近くの椅子を引っ張り座ると会話による攻撃を続けると、見ていられなくなった司はそこまでにしろと助け舟を出しはしたが、同じように司も攻撃を受けて涙を溜めながらハチの批難を受け続けた。

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