チャーリーとアレク
初投稿です。
この小説は学校の文化祭で展示したものです。
何の問題もない平和な村、ピース村にチャーリーという少年がいました。
お菓子が大好物で3時のおやつは欠かせません。
そんなある日、チャーリーの前に魔女が現れました。
「坊や、お菓子は好きか? なんならうちにおいで」
魔女の顔はとても優しい。チャーリーにとって、優しいおばあちゃんにしか見えませんでした。
「うん、わかった」
二人はピース森の奥、奥へと進んで行きました。
数分後、魔女が足を止めた。
「坊や、ここが私のお家よ。さあ、いっぱい食べておいで」
たべておいで? そんなの一発でわかる。
魔女の家は、なんとクリスマスに作る、ジンジャーハウス見たいだった。
キャンディ、チョコレート、キャラメル…
「おばあちゃん、ありがとう!」
チャーリーはお礼を言い、チーターのようにお菓子のお家へと走り出した。
「チャーリー遅いな~」
一方、チャーリーにはお兄ちゃんのアレクがいる。チャーリーとは正反対で甘いものが大の嫌いです。
今は3時だというのに弟が帰ってこない。いったいどこにいるんだ?
アレクは心配になり、一番迷いそうな場所、ピース森へ足を運んだ。
「あー満腹!」
チャーリーは1時間もたたないうちにお家を全部食べてしまいました。
だけど体がまん丸で思うように立てません。
「おばあちゃん、立てない。助けて~……あれ?」
魔女を呼ぼうとしたが、魔女はいませんでした。
「しょーがないなぁ……よいしょ……!?」
やっぱりおなかが重くて立てません。
「チャーリー!」
困っていると、弟を呼ぶアレクの声が聞こえてきました。
「兄ちゃん!」
アレクは声のしたところへ行きました。
「どうしたんだその体!?」
アレクはチャーリーの体を見て、飛ぶほど驚きました。いっぱい食べても、そんなに太らない体質のチャーリーなのに……
「魔女のおばあちゃんのお家を食べたら、こうなっちゃった」
「おまえ……まさか……」
アレクはそう言ってチャーリーをかいだ。
「あ……甘い!!!」
「兄ちゃん! どこ行くの!?!?」
なにか悪いものを見たのか……
アレクはチャーリーから逃げました。
一人残されたチャーリーはボーっとしていた。
「坊や、全部食べてしまったのかい」
後ろから声がした。そこに立っていたのはおばあちゃんでした。
「おばあちゃんどこに行ってたの!?」
「夕飯の材料をとってきたのさ。さぁ、中にお入り」
おばあちゃんはそう言って新しいお家を建て直しました。だけど、それはもうお菓子のお家じゃありませんでした。
「母さん!!」
一方アレクは甘いにおいがきつすぎて家に逃げていました。ただ、顔が真っ青です。アレクは起こったことを全部お母さんに言いました。それを聞いたお母さんはすぐにある紙を持ってきた。そこにはあのおばあちゃんの顔が……
「この頃子供を食っている魔女がこの村に来たそうよ。もしかしたら……」
そう言ったお母さんはひどく震えていた。このピース村に事件など何年ぶりだろう。警察も少ないこの村に。
「わかった。おれが助けに行く」
今度こそ助けに行く。甘いにおいにつられないように今度はマスクをして森の奥へとまた行きました。
「うちの子が行方不明なんです! 助けてください!」
「すまんが今は魔女の捜索で忙しいんだ」
お母さんはアレクだけじゃ心配になり警察に頼んだが、なかなか一緒に探してくれません。
「アレク、任せたわよ」
お母さんはそんな独り言を言い、交番から離れていきました。
アレクはボロボロになりながらもやっと魔女の家につきました。周りには警察の赤いランプが見える。なのに人影は見えません。
「助けてー!」
家の中からチャーリーの声が聞こえてきました。ドン! 扉を破ると…… チャーリーは鍋の中にスポッと野菜たちと一緒に入っていました。
「おや~? またお肉ゲットしちゃったー……けど、まずそう」
そこには魔女がよだれを垂らしながらアレクを見ていました。ブルドックのように……(ブルドック好きの皆様すみません)
「お兄ちゃん、おばあちゃんに水をかけて! 早く!」
「お、おう」
意味がわからなかった。けどチャーリーの言うとおり自分の持っていた水筒を魔女にぶっかけました。すると……
「い、いやあ! なんてことするの! これだから子供は嫌いなのよ!! ああああああ!」
魔女はどんどん溶けてゆきました。それと同時にチャーリーが入っていた鍋、魔女のおうちも消えてゆきました。
その後、警察が駆けつけてくれ、自分のおうちへ帰りました。チャーリーは、お菓子を食べる量が少なくなり、野菜も食べるようになりました。
アレクは警察から感謝状をもらい、五年後、警察の一員となりました。小さい子供たちはアレクに憧れ、将来警察官になることを夢見ています。
あの事件からピース村は、警察も多くなり、もっともっと平和な村になりましたとさ。
THE END
「ヘンゼルとグレーテル」をもとに書きました。
読んでいただいて本当にありがとうございました!