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裏・代役勇者物語  作者: 幸田 昌利
第三章
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64◆製作作業と素材集めの日 ついでに思い出した様に魔石の説明

 恒例となっている朝の魔送石製作を終え、今日の予定である製作作業に入る。

まず作るのは《付与魔法》で強化した農器具だ。

これは二種類作る。

単純に強度を増した物と、魔石を使用して能力を使用出来る物だ。


 まずはアイアンゴーレムの素材を使用し、《土魔法》系の魔法を付与する事で強度を上げた金属にしてツルハシやスコップ、くわのこぎり等を作る。

これだけで十分に役に立つ品となるので、村の住人に対して倍程度作成。

予備だけではなく、ゴーレムが使用する分も加えてあるからだ。


 次に、魔石を組み込んだタイプを作る。

こちらは幾つかのバリエーションを作成。

《風魔法》により切り裂くタイプ、同じく《風魔法》による衝撃波で破砕するタイプ、《火魔法》により熱と魔素で暴走させて爆破するタイプなど、現在の私が使える魔法と魔素を組み合わせて色々作った。

魔素を使用するのは、正直に言えば苦肉の策ではあるのだが……。


 故郷の村では魔法物質濃度が低い為に、常時発動型の魔法具は効果が薄い。

常時発動型は加工された魔石が魔法物質を吸収し、決められた効果に魔法物質を変換して常に発動する。

私が好んで作るMP供給型とは違って、弱い効力がずっと続くという感じだ。


 魔法物質濃度が低い為、当然使用者のMPを供給して発動するタイプも効果が薄い。

因みに、私が良く作るエアコンモドキやコンロモドキの魔法具で使用しているタイプはこれだ。


 余談だが、使用者のMPを供給するタイプは七級以上の魔石を使う。

最低の九級の魔石は七級の百分の一の値段が相場の為、使い捨て用にMPを封入した九級魔石を使用した物より、百倍以上使ってようやくお得という状況になる。

よほど裕福でもない限り、最初に払う金額が桁違いに多いMP供給型は手が出しにくいのは当然と言えた。

しかし金に余裕があり、使用人等が居てMPを供給できるのならば、毎日使うコンロ等は間違いなくMP供給型のほうが便利で安くつく。

この為、比較的高級な部類に入る品であるのに、エルナリアの街で修行がてら作った品が高値で売れていた訳だ。

 

 因みに、魔石の値段が何故そこまで違うのかには理由がある。

九級の魔石には1~5レベルの魔物、七級には11~20レベルの魔物を使用する。

では、このレベルはどう判別すれば良いのか?

これにはスキルを使用して判断する必要がある。


 私が持っている《識別》は、本来覚える為に複数の鑑定系スキルを習得して熟練を積む必要がある。

その対象の中に存在する、《魔物識別》と言うスキルで普通は判断するらしい。

このスキルで判る事は敵の種族とレベルで、エルナリア程度の田舎だと中々持っている冒険者は居ないが、王都等ではパーティーに一人は居る様だ。

このスキルは魔石の作成に必要なだけではなく、自分達の手に負える相手かを知る判断材料として有効だからだ。


 魔石の作成に関しては、原魔石が種族と等級を固定されている。

理由は、魔石の品質の安定に必要だからだ。

等級に関しては、推奨されてはいないが上に一ランク程度の余裕があるので多少の融通は利く。

ただし、それでも全く対応しきれない為に《魔物識別》が必要なのだそうだ。


 エルナリア周辺にはレベル5を超えるゴブリンはまず居ない。

それ故、ゴブリン=九級の原魔石と固定できるのだが、爺の迷宮には20レベル以上の六級に相当するゴブリンが居た。

これに九級の原魔石を使用しても、推奨されていない状態の八級が出来る程度が限度である。

ゴブリンは取れる素材が微妙なのであれだが、素材が高く売れる魔物を低級魔石にしてしまうと大損をしてしまう事になる。

特に迷宮などは同じ魔物でも階層でレベルがはっきりと変わる為、しっかりとレベルを把握していないと大きな損失に繋がるのだ。


 等級が高くなると供給される量は減るのだが、理由は原魔石の値段にも影響されている。

原魔石の等級を上げると製作にかかる手間や必要なMPが増え、作成する数が減った分の値段も上乗せされる。

魔石の対象となる魔物を討伐できれば結構な儲けは出るのだが、討伐対象に合えなかった場合には原魔石購入分は持ち出し状態が続く為、多数の原魔石を保持する事はパーティーの財政を圧迫してしまう。

九~八級の魔石は結構どこででも作成されるのに対して、人が住まない場所や迷宮に入らないと中々手に入らない七級以上が高値になるのはそういった理由もある訳だ。




 ☆ ☆ ☆




 ……さて、大分話しはそれてしまったが……そろそろ元に戻そう。

魔法物質を使用するタイプはこの村周辺では役に立たない。

そこで、採用したのが私の魔素を封入した魔石とMPを封入した魔石を両方消費して使うタイプだ。

消費した魔石は交換し、後で私が再封入する事で対応する。

大規模な開拓等を行わないのであればそこまで使用は激しくないはずなので、時々気が向いた時に再封入する程度で良いはず。


 次に取り掛かったのはゴーレムの身体だ。

完全に作るには私だけでは無理なので、師匠に手伝って貰う必要がある。

ただ、魔送石と違って私がほぼ全てのMPを消費し、師匠が設定を書き換えていくのにほんの少しだけで済む為、出来た後に手伝って貰う事になっている。


 ゴーレムの大きさは二種類。

細身で人間の男性と同じくらいの体型をしたタイプが一つ目。

こちらは迷宮のゴーレム一体から三体程作れるので、取り敢えず二十体程作成。

もう一つのタイプは逆に迷宮のゴーレム三体から一体作れる程度の大型の物だ。

足は四~六脚、左手にはショベルを必ず付けている。

右手は各自別で、何段階か伸びる腕の先にクレーンや巨大な鉄球が付いたりしている。

右手は換装可能なので色々と用途に合わせて変更可能だ。


 ただし、一体だけ右手が固定な奴が居る。

その肩から先には、巨大な杭が収められた大きな魔法具が取り付けられている。

作動時には複数の魔法が発動するその魔法具の使用目的は……一撃必殺の超至近距離から発動させる貫通兵器……もとい、削岩特化ゴーレムだ!

間違ってもロマン兵器搭載ゴーレムではない!!

因みに、《アースシールド》で強化された防御力を備えた杭を、魔素で強化された爆発系の魔法で打ち出し、真空の刃を纏わせてドリル状に回転させているとだけ言っておこう!!!


 ゴーレムの身体を作成している最中、流石に私でもMP切れ寸前まで来たので一旦終了した。

流石に大型ゴーレムは、大きすぎて私でもMPが全く足りないようだ。

明日何とか完成するかどうかという感じだろう。


 さて、この段階でまだ昼になっていない。

流石にのんびりするには早すぎる。

しかし、私の行動は基本的にMPを消費する事が多い……。


 どうしようか少し悩み、結論は迷宮内の魔物狩りにした。

ネイアとクーが毎日川へ行き、原魔石の素材となる石を集めてくれている。

これからしばらくは色々作る予定だし、師匠の所にもまだまだ沢山置いておきたい。

いい機会なので素材を揃えておこう。




 ☆ ☆ ☆




 固定迷宮は作り直したばかりでまだまだレベルの低い魔物しかいない。

必然的に、狩りの場所は移動迷宮となった。

現在最下層は亜人に変更中なので放置しておく。

その他の階で狩りまくって行くのだが……鳥系の階は大量に獲物がいるので狩り放題だ。

しかし、魔獣の階はまばらにしか存在して居ない……。

一郎達、どれだけ狩ってるんだ……と言いたい。

鳥の階と同じだけ居たのなら、元々は相当な数が居たはずだ。

この現状を見て、ようやくあれだけ強くなった理由が納得できた。




 ☆ ☆ ☆




 夕飯の時間まで作業を続けた結果を発表しよう!

狩った鳥系の魔物は合計八百五十六匹。

うん……頑張った。

鳥系の魔物は本来なら捕まえるのに若干手間がかかるが、自分の迷宮だと攻撃して来ないだけでは無く存在自体を無視してくれるので捕まえるのは楽だった。

掴んでは首を捻り《アイテム》へ投入、掴んでは投入……以下繰り返し。

それでも、流石に八百五十六匹が手間だったのは確かだった。

まぁ、必要な事なのでたまにはいいか。


 因みに、帰る際に石碑を確認したが特に何も変化は無かった。

移動迷宮は別の事に使いたいので、明日の昼辺りまで何も変化が無かったら取り敢えずはここから移動させよう。

その後は、数日おきに村から走って確認に来る方向でいこう。

往路十km、帰りは移動迷宮の簡易転移門を使用すればそれ程手間では無い。

今の私にとって、それ程問題にはならない距離だしね。

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