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裏・代役勇者物語  作者: 幸田 昌利
第三章
56/138

56◆後始末と肉祭りと移動と肉祭り……最近肉だらけです

 ロウとクーを伴って迷宮へ戻り、ジムルとネイアに二人は私と一緒に故郷の村へ行く事を伝えた。

明日も肉祭りで皆には頑張って貰うので、食事をしてあまり遅くならないうちに寝る事にする。

クーとネイアは大分仲良くなっており、まるで姉妹の様に仲良くしながら色々話をしている。

私は思う所があり、一人で第二迷宮へ移動して作業する事にした。

魔石を作ったり、それらを使用した魔法具を幾つか作る。

それらの作業をしながら、私は大量の魔素を放出して居た。

この魔素の放出が本当の目的だ。


 移動迷宮は、恐ろしい速度で第五層まで出来て居た。

ルークの迷宮の成長速度を聞いた感じだと、やはりおかしい様だ。

そうなると、当然……魔素の供給が原因だと思われる。

熟練度の上がり方が迷宮の成長に依存している可能性が高いのなら、こちらの成長も促進しておいた方が良い可能性が高い。

魔送流の腕輪(仮)があれば常時送り込む事も可能だが、残念ながらシェリーの為に改造して渡してしまっているので手元に無い。

元々、師匠の所で追加で相当数作成する予定だったので、こんな状況は想定して居なかったしね。

そこで、人が居るとこれだけの高濃度魔素に触れた場合は影響が酷い事になるだろうから、誰も入れずに一人で作業している訳だ。


 取り敢えず作る物は大体出来上がったので、移動迷宮の方へ場所を移して迷宮内の方で魔素を放出した。

一層の入口付近で放出しているのだが、トコトコとエグフォルドタイガーの五匹がやって来た。

そこで一つ気になった事がある。

24~25レベルだったはずなのに、何故か25~26レベルになって居る。

一緒に外を歩いていた時には、まだレベルはそのままだったはずだ。

もしかして、ここでレベルが上がる様な行動をしているのだろうか?

それとも迷宮自体の成長に引っ張られている?

爺は配下の数が多かったから影響がほぼ無かったが、私にはこの五匹だけなので何かの補正が入って居る可能性も考えられる。

その辺りも要観察が必要かな。


 一郎達が私の近くに居るのだが、結構な魔素を放出しているが全く平気そうにじゃれ合っている。

直接魔素を注入しなければ、思ったよりは大丈夫なのかもしれない。

……。

…………。

………………。

……………………何かを忘れている。

魔獣達を見ながら、どうにも引っかかる物を感じるのだ。

何だったかなぁ。


魔獣……魔獣…………。

……魔獣?


 思い出した!!

私が《ウィンドウ》を習得した際に、普段使って居るアイコン《紅の剣》以外にも幾つかゲームが存在して居た。

この中に《魔獣の牙城》と言う物があった!

しかも、このアイコンに触った時にMPを半分持って行かれたので……そのまま放置してました!


 《魔獣の牙城》はシミュレーションRPGという分類のゲームだ。

プレイヤーが主となり、魔獣と呼ばれる配下を操作して陣地を広げて行くゲームだったはず。

使えるキャラクターは魔獣に限らず、様々な種族が居たはずだ。

中には、英雄と呼ばれる人間や亜人間もそれなりに居た。

MPが吸われた事に意味があるとしたら……そう考えると、気になってしまいます。

はい、ポチッとな。

アイコンを呼び出して触りましたよ速攻で!


 前回同様、MPがガッツリ持って行かれた。

現在の最大MPの半分だ……。

即ち、まだまだ足りない……と。

何も起きて居ないし、これはMPが余った時の日課にする物の様です。

ここまであからさまなのだから……、何かがあると信じてやって行きましょう。

……何か有って下さい……良い方へ!




 ☆ ☆ ☆




 翌日は第二迷宮から出て、すぐに三つ目の村で肉祭りを開催。

今回は前回以上にコンロを用意し、今日に合わせて他の仕事を終わらせた人が集まってくれているので前回以上の速度で狩っては運んでいく。

肉を確保できる機会など中々無い人は、この機会に頑張って確保していた。


 ここで一つ気になる事が出来た。

魔物の肉が食べられなくなるのは魔法物質の供給が途絶える事により、肉体の維持が出来なくなってしまう為だ。

では、魔法物質を追加で供給するとどうなるのだろう?

後で、ちょっと試してみよう。




 ☆ ☆ ☆




 二つ目の村へ行く前に、ちょっとした箱を作った。

魔法物質を溜めて置く為に魔素を浸食させて強化した、ストーンゴーレム素材で作った箱だ。

ここに魔獣の死体を入れ、魔素を放出して箱に封入する。

さて、どうなるかを一時間後にまず確認かな。


 二つ目の村で盗賊団の壊滅を知らせ、魔法具を回収した後は肉祭りを行う。

途中で時々魔素に漬けた魔獣を見たが、崩れる感じは無かった。




 ☆ ☆ ☆




 一つ目の村へ着くと夜になっていた。

取り敢えずは盗賊団壊滅の報告をして、魔法具の回収と明日の朝から肉祭りを行う事を告げて迷宮へ戻った。


 二つの迷宮内で大量の魔素を放出しながら、今日も魔石や魔法具の作成を行い、《魔獣の牙城》にMPを供給して早めに寝る事にした。




 ☆ ☆ ☆




 翌日はネイアとクーに起こされた。

今日は何故か意外とすんなり起きられた。

昨日はそこまで早く寝た訳では無いんだが……意外と疲れはなかったのかな?


 起こされた理由は、村人が日の出には既に集まってしまっているらしい……。

まぁ、そうですよね……。

朝からと言ったらそうなりますよね!

ハイハイ!!

働きますよ!!!




 ☆ ☆ ☆




 頑張った!

うん!! 本当に頑張ったよ!!!


 コンロの台数が多いので、それはもう次々と保存食に変わって行く。

村人が全員食事して居る事も有り、それはもう凄い勢いで消化されました。

毛皮や爪、牙等の素材は子供達がちょこまかと動きながら丁寧に処理をしていたようだ。

解体の回転が上がっているのでガンガン狩っていく事になり、途中から一郎達に運ぶのを手伝って貰った。


 途中から、一郎達との細かな意思の疎通を試してみた。

口に出す必要は無いので、無言のまま指示を出す。

荷物を運ぶ事は問題無い。

獲物を仕留める方法を指示して見たが、これもOK。

噛みつくな、等の指示にも対応して居たので、問題無くあまり怪我をさせない様に戦わせる事にも使えそうだ。

細かな指示は人間との認識の違いの為に理解出来て居ない事も多いので、そこは今後の課題かな。


 そんな事をしながら、私はある意味での戦いに終了を迎えた!

肉祭り終了!!

問題は……これをやれる事が分かったので、そのうち間違い無くどこかで再びやるだろう事が予想される事だ。

これは……もっと利便性高い設備を作っておかなくてはならないだろう!




 ☆ ☆ ☆




 ここまでやれば、私の中の後ろめたさとも折り合いが付けられる位には補填したと自分で納得させられるだろう。

現在はジムルの家に向かっている。

後はジムルへの報酬についてなのだが、この時間を利用して欲しい物を聞きながら何を作るか相談して居た。

相当色々と私の出来る事を見せているので手は抜けない。

まぁ抜く気も無いが。

頑張ってそれなりの物を作ってあげなくてはね。


 ネイアはクーが私と一緒に行くと知ると、それとなく自分達も一緒に行かないかと聞いていた様だ。

ジムルは元々こちらに住んでおり、奥さんのお墓も近くにあるので乗り気ではない様だった。

そこで、私としては別の案があったので相談したのだが、ジムルからも賛同を得られたのでそちらを採用する。

何をするのかと言えば、こちらへ迷宮自体か扉を設置するのでそこの番をして貰うのだ。


 まだ、どう迷宮や扉を繋げるかを考えている段階だが、最低でも三個目の迷宮を作れる様になった段階では設置する予定だ。

何故ここに置くのか?

ここには原魔石の素材となる良質な石が大量にある。

ネイアに頼んで報酬を払えば、私が自分で集めなくても必要な石が集まるのだ。

迷宮を複数作れる以上、有効に使わない手は無い。

ジムルとネイアには、マスタールーム経由で私の村まで移動できる様に許可しておけば自由にクーとも会える。

それを聞いたネイアはとても喜んでいた。


 もうすぐジムルの家に着く。

確かめたい事もあるし、今日はここで色々作業の予定です。

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