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裏・代役勇者物語  作者: 幸田 昌利
幕間二
136/138

幕間二の3◆学院組(メイ)

 メイで~す!

何と!!

凄いお話がありました~!!!


 突然お姉さまとクレイスが一緒に来たのですが、お父さまの領地に迷宮を作らないかと言うのです!

クレイスのお父さまは了承し、お姉さまの関係者が領地に着き次第作る事になって居るらしいです~。


 スゴい!

流石はお姉さま~。


 そんな訳で、お姉さまとクレイスが私の所に来た理由なのですが、もちろん私のお父さまの領地にも迷宮を設置したらどうかという事なのです~。

お父さまの所には、わたしとクレイスとの関係で最近交流を持っているクレイスのお父様からも連絡が来た為、すんなりと了承する事になりました!


 細部に関しては実際に迷宮を設置する際に決めるらしいのですが、わたしとクレイスの家の領地は比較的近い地方にある為、出現する魔物の種類を調整して素材的に被らなくするそうで~す!

そんな事も出来るなんて!!

流石お姉さまです~。


 参考としてシェリーの実家で運営を始めたという迷宮も見せて頂きましたが、その凄さに圧倒されてしまいました!

お父さま達は真剣な顔で収益や運営に関する事で相談なさっていましたが、わたしに理解できたのは……す~ごく収入が増えるという事くらいです。

シャリーがルークさまの為に頑張って領地運営に関して勉強していますが、わたしももっと頑張らないとな~と、この時ばかりは思いました~。


 因みに、エルナリア領にある迷宮は魔法物質を含んだ金属が主な素材だそうです。

それを考慮して、一つはこの大陸では捕れない魔物の皮・爪・牙・骨をメインといったもの、もう一つは薬や錬金術に使える素材をメインにしたらどうか? と、お姉さまは提案していました~。

もちろん、あくまで比重を他よりも重くするという感じらしく、他の素材も普通に入手出来るので特色が違うだけというものらしいです~。

あと、ミルロード卿の所にも既に迷宮があるらしいのですが、そちらは万遍なく色々少量が取れる感じで、特色は無いとの事~。


 予定としては七日前後でクレイスの故郷に直接行く事が出来る手段を確保してからクレイスのお父さまが迷宮の設置場所を決めるとの事なので、わたしの家の領地はその後という事になりました~。

理由は簡単で、商業活動に重きを置いているクレイスのお父さまは、どうしても動ける期間が限られてしまうからです~。

実際に王都でのお仕事を二週間程度行った後、ご自身の領地方面ではあるものの進行方向にある幾つかの街へ寄る為、直進するより二倍近い期間をかけて蛇行しながら旅をするとの事~。

その話を聞いたお姉さまから、元々迷宮が出来た後の移動手段として渡す予定だという馬型ゴーレムと荷台型ゴーレムを頂いたらしいのですが、今はおいておきましょ~。


 それにしても、凄いという事は知っていましたが……お姉さまは本当に凄いです!

この王国内にも迷宮は幾つか存在しているとは聞いていますが、まさかそれを作り出す方法を見つけてしまうなんて~!!


 もっとも、


「実際に見て確認した以上信じるしかないのだが……本当に迷宮を作り出せるとはな。詳しい方法は話せないらしいのだが、どうやら特別な能力やスキルがあってようやく作れるようになる上、もし方法を伝えても勇者様以外には無理と言われてしまえばそれ以上聞いたとしても無意味だろうね」


と、お父さまがおっしっていました~。


 確か王都の外にある迷宮を作ったのは、何百年か前の勇者さまだという御伽話を聞いたことがあります~。

そうなると、もしかしてお姉さまは勇者さまと同じお力をお持ちなのでしょうか?

普通に考えれば勇者さまはどんな事でもできて、その中にある普通の人なら使えないという能力をお姉さまが使えるというのが今回のお話なのでしょうが……お姉さまなら何でもできてしまうのではないかと思えてしまう位、私たちにとって尊敬などという言葉ではとても表しきれない程の凄いお方なのです~。


 その凄さと言ったら……もう!

魔法具の作成で一財産作れるという話は聞いていましたが、まさか素材となる物まで簡単に手に入れられるなんて~。

流石です!

凄すぎです~!!


 その素材の確保についてですが、今支配しているものや今回作る事になった迷宮からなら無抵抗の魔物から入手可能だというから驚きです!

それなのに……いえ、それ故なのかもしれませんが、お金に関しては全く困る事無く生活出来る現状でも冒険者を続け、ルークさまがシェリーと添い遂げられる様に【竜殺し】の称号を得る為頑張り続けるお手伝いを続けていらっしゃいます~。

確かに貴族の結婚には色々と制限や面倒な事が多くありますし、身分自体が違う場合にはお金では解決もできませんので、それは仕方がない事なのでしょう~。


 正直に言って、障害は多いとはいえ、そんなシェリーを羨ましいと感じてはいます。

だって、領主の後継者という私と同じ様な立場なのに……そんな素敵な恋が出来るなんて幸せな事だと思います~。

わたしにも、そんな夢の様な相手が現れてくれないかな~。


 ちなみに、もしもルークさまとお会いしたのが私であったならば、もう少し結婚という夢の難易度は低かったのにと思わざるを得ません。

もしくは、シェリーの家の爵位が七爵であった場合も同様ですね~。


 何故なら、婚姻の際に最適とされるのは上下に一つ幅を持たせた程度とされているからです。

すなわち、わたしの場合は六爵から八爵までが適正なので、騎士さまに与えられる爵位である八爵でも良い事になります~。


 竜を倒す実力と騎士さまになる能力、どちらが簡単なのかは考えるまでもありません。

しかも、ルークさまなら実力的には既に申し分なく、最近は王城の関係者とも繋がりがあるとの事で、騎士さまになる事自体は難しく無いとお姉さまはおっしゃっていました~。

むしろ騎士さまになる事は【竜殺し】の称号を得る為の邪魔にしかならないとの事で、先日密かに打診を受けた際には断ったらしいのですから、難しくないどころか……可能であったのにシェリーの為にその道を選ばなかったと言えるでしょう。

そこまで想って貰えるなんて、シェリーがとってもうらやましいです~。


 まぁ、うらやましがっても当然物事が進展する訳ではないので、わたしはわたしで理想に近いお婿さまを見つけなければ~!

特に、クレイスではシェリーと同様に最適な幅の関係で選択出来ない騎士さまの中に素敵な方が居ないかを、お父さまにもお願いして探している最中なのです!

特に今回の迷宮設置の件さえ上手くいけば、七爵という爵位と小さな領地を持つだけの貧乏領主から脱却できるため、お迎えするお婿さまには苦労に見合った以上の待遇を用意できるはずなのです~。

もっとも、その利益の為に近づいてくる方も居る事が予想できるため、出来るだけ早い段階で見つかると良いのですけれど~……こればかりは何とも言えないというのが、正直な所ですね~。


 お姉さまも最近ご一緒にお仕事をされたという、八爵をお持ちの知り合いの方達にそれとなく当たってみてくれるとおっしってました。

お父さまも仕事上適性な爵位をお持ちの方と会う機会も多いので、近いうちにどなたかとお会いする機会を設けて頂けると思います~。


 本当はシェリーとルークさまの様にお互いが選んだ相手と結ばれるのが一番だとは思いますが、貴族の家に生まれた以上、政略結婚で全く知らない相手と婚約させられるよりもはるかに幸せな状況といえると思います。

最低でも、自分でお相手を決める事が出来る可能性があるのですから~。


 わたしやクレイスの領地に設置される予定の迷宮に関しては、お父さまとクレイスのお父さまで相談した上で公開される事になるはずですが、シェリーの故郷のエルナリア領にある迷宮を参考にして準備万端になってからの予定です。

それを考えると、もうしばらくは余裕があるはず~。

わたしも理想に近い旦那様を見つけられるよう、頑張りま~す!

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