表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
音剣奏者  作者: 癒遺言
No.0:オープニンバラード ~ 語り聞かせる子守歌 ~
1/11

「紡」

 出会いは突然というべきか、俺と彼女の出会いは本当に唐突で、予想外で、そして宿命(しゅくめい)と呼ぶべきものだった。

 最初は戸惑(とまど)いを隠せなかった。まさかこんなことになるなど、誰も予想していなかっただろう。俺もそうだった。だが、徐々に彼女のことがわかるに連れ、彼女の運命を知った俺は、いつしか涙を流すようになった。

 春の陽気に包まれた昼、俺はその話を目の前の少女に語った。

 肩にかかるくらいでまとめられた、先っぽだけが黒いブロンドの髪。水晶のように透き通り、丸みのある水色の瞳。細く、まるで流水のように血管が薄く見える白く透き通った手足。

 13歳とまだまだ(おさな)い少女は俺をじっと見て、これから話される恋話(コイバナ)にうずうずとしている。

 彼女は口を閉ざしているが、目は真剣に俺に向けられていた。それはまるで、「早く早く!」と急かしているように見え、俺はそれに苦笑してしまった。女の子は本当に恋話が好きなんだな。


「それじゃあ話すよ。長いから眠らないようにね」


 すっ、と人差し指を立ててそう言うと、目の前の少女は何度も首を縦に振り、そしてパチパチと拍手(はくしゅ)して耳を傾けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ