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妄想日記

作者: 蓮根

憧れの人とこんなことやあんなこと!?そんなことある訳ない。大胆なことは妄想するだけ。チキンな私は好きな人に告白もできず今日も遠くから見つめるだけ。どこにでもいる平凡普通な女子高生の妄想日記。退屈な毎日を生き残るために私は今日も妄想する。

「それじゃ、また明日ね。」

小柄で童顔の少女は自分より頭一つある少年を見上げて言った。

「うん、また明日。」

優しく彼女を見下ろしながら、少年もすこし恥ずかしそうに返事をする。

彼らは世に言うリア充な二人。恋人同士である。よくその身長差で兄妹に間違われるが彼らの関係は真剣んだ。

まさる、明日は部活あるの?」

賢と呼ばれた少年は少し視線を空に移してからすぐに少女に戻していった。

「うん、もみじは?」

もみじとよばれた少女はにかりと笑って返事をした。

「私も明日部活ある、一緒に帰ろう?」

もみじは明日の下校の予約をして背中を向けた。振り向きながらもう一度「また明日ね、ばいばい」といって笑顔で駅の改札口に向かった。賢はもみじがきちんと改札口をくぐるまで見届けようとその場でずっともみじの背中を眺めていた。だが、改札口の前にたち一向に通る気配がない。心配して見つめているともみじが賢の方に駆け足で向かってきた。

「忘れ物しちゃった。」

もみじがどじした所見られたかのように頬を赤くしていうと同時に背伸びをして唇で賢の頬に触れた。

「それじゃね!」

照れもあったのだろう先ほどとは違う早さでもみじは急いで改札口の向こうに姿をくらました。


心臓の鼓動が激しい。今にも口から飛び出そうだ。明日学校で会うのが少し恥ずかしいと思ったもみじは頬にキスをされた賢の気持ちをいろいろ想像していた。電車の時刻も迫り少し心臓の鼓動も治まりまじめたころ、もみじが携帯をいじりだすと自分の右側に人が並んだ。横目でちらりとその人物を見ようとしたときさっきと同じ感情があふれてきた。そこにいたのは改札口で別れたはずの賢がいた。

「俺も忘れ物した。」

その言葉が聞こえたと同時にもみじの唇と賢の唇が重なった、それを反対側のホームから隠すかのように各駅電車が通りすぎて言った。





     っていう妄想。


布団の中から這い出てきたのは人物は、昨日の風呂で乾かさなかったおかげでめちゃくちゃになった寝癖をのびた爪でかきながら女子とは思えない大きな口を開けてあくびをしたあげく「ぶっ!ぷす〜」とオヤジ顔負けのくさい屁をかまして、朝日を浴びて起床を遂げた。

(あぁ〜今日もいい妄想したなぁ〜)

ともう一度布団に潜り自作自演の妄想ムービーの余韻に浸る。

(妄想が現実になればいいのに)

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